元カノに嫉妬

元彼女は甘酸っぱい青春の香りがする。

青春真っただ中の17歳の美少女も目の前にいるが。


元カノはわりとどこにでもいそうな――中の上とでもいっておこうか。

比較的クラスではかわいいほうだったと思う。

中学の時には彼女はいなかったが、高校になって初めて恋人ができた。


中学でも1度告白されたことがあるが、

あまり好みではなく、付き合うことは断った。

俺にもプライドはある。


この人ならば付き合おうと思えた。人生初の彼女だ。

それは唐突な告白だった。

バレンタインのときに、付き合ってほしいと言われたのだ。

正直戸惑ったが、OKした。

今、思い出しても切なくて甘酸っぱい思い出だ。


その彼女の写真を見たいと好奇心旺盛な俺の教え子カレン。

カレンに比べれば、美人度は低いかもしれないが

俺の初カノの思い出は美しい。


「どの人? どの人?」

「右上の一番はじっこの子だよ」


「へぇー、こーいう感じが好きなんだ?」

「まぁ……」

ちょっと照れくさい。


「彼女とどんなことしたの?」


「どんなことって?」


「デートしたり、キスしたり、その先だってしたんだよね?」


「はい、質問はここまで」


俺はこれ以上 思い出を詮索されたくないので、

ストップしてみた。


「彼氏、ほしいな~」

「いないのか?」

「校則で禁止されてるしね」

「そうだな」


この年頃の女子高生というのは――とりあえず誰でもいいところがあって

危険な年頃だ。恋に恋しているのだ。


「先生、彼氏になってよ」


告白か? からかってるんだな?


「先生は子供は相手にしません」


「さっき床ドンでドキドキしていたくせに」

「……」


「人と人には適切な距離があるんだから、異性に近づくもんじゃない」

「異性って意識していいの?」


この娘はいつも挑戦的だ。

「大人をからかうな」


「ちょっと元カノに嫉妬しちゃった」


なんだよ、急にしおらしくなって。

俺の心がキュンとした。


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