第12話 女神ルナはボッチ?
「神世界の事は大体こんな感じかな?」
「……そうか」
ルナから神世界の話の終わりを告げられた。
長かった……思っていた以上に神世界の話は長かった……
「そろそろ拓海君を生き返す準備をしましょうか。おしゃべりも長くなったね。私は楽しかったよ」
「そうだなぁ。俺も色々な事を聞けて楽しかった。まぁ、記憶は無くなるけどさ」
「そうだね……」
ルナの声に元気がない。ルナとは神世界の事を話している間に仲良くなったと俺は思う。
ルナも仲良くなったと思ってくれているのかな? 仲良くなったのに自分の事が記憶から無くなるのは、やっぱり寂しいとか思っているのかな?
記憶を消すのはルールだから仕方ない。そして俺はふとある事を思いつく。
たしか神威システムって人間界の生物を管理しているとか言っていたよな?
人族なら死んで天界や魔界に行ってその後、転生をしたり今回の俺の様に生き返りをするシステムだよな?
もしかして、転移とかも出来るんじゃないか? 俺の体は地球にあるからそれを他の星に移動とか出来るんじゃないか?
転移が無理なら転生が出来るかも。剣と魔法の世界の星に行けるんじゃないか?
俺はルナに聞いてみた。
「なぁ、ルナ」
「ん? 何?」
ルナは俺を生き返す準備をする為か立ち上がろうとしていた。俺が話しかけたので中途半端に四つん這いになっている。
ルナの胸の谷間が見えた。俺は一瞬で脳裏に焼き付けた。当分の間オカズに困らない。
「俺の生き返りだけど、地球ではなくて他の星で生き返りとか出来る? もしくは他の星に赤ちゃんに転生するとか。出来ない?」
それを聞いてルナは四つん這いの格好から、また女の子座りになった。
ちぃぃぃ。もう少しだけ見たかった。残念だ。
「まず、転生は無理ね。拓海君はこちら側の誰かに殺されているから神威システムが転生対象外しているの」
「転生対象外?」
「本来は人間界で重大な問題のある人族を私達が命を絶って転生の対象外にするのだけど、それを今回悪用されたの」
「なるほど」
「それで巻き添えで死んだ人族を生き返す機能があるけど、それを使って拓海君を生き返らせるの」
だから生き返れるのか……凄いシステムだな。
「それと、私達に命を絶たれた人族の魂はこちらに来ないでその場に残り、
十分で消滅⁉︎ それを悪用されたのか。こわっ!
「えっと……それなら転移は?」
「転移とは少し違うけど、地球とは別の星に拓海君の今と同じ体を無から新しく作ってそれに拓海君の魂を入れる事は出来るけど……」
「無から体を作る……そんな事出来るの? 古代神様が神威システム作ったんだよね? 凄すぎだろ」
「凄いよね」
「それ出来るのなら、剣と魔法の世界がある星に俺を送ってよ」
俺がそう言ったらルナは眉間にしわを寄せた。
「ダメ! そんな事したら拓海君は何も知らない所に放り出されるんだよ。地球の人族だから魔法も使えないんだよ。すぐに死んじゃうよ! それに地球には家族も居るのでしょ」
ルナは声を荒らげて俺に言った。
「そうだったな……ゴメン。家族は俺の事心配しているだろうな。それに親友のあいつも泣いているかもな……ありがとうルナ」
ルナは眉間にしわを寄せていたが、今は穏やかな顔をしている。
そして俺は気づく。死んではいるが元の時間に戻り生き返るから家族が心配する事はない。
でも交通事故は変わらないから、やっぱり心配されるよな。
「それに他の星で生き返ったら地球では拓海君が死んだ事になるんだよ。いなくなると悲しむ人達が沢山いるはずなんだよ」
「……それもあった。俺は地球にある自分の体に戻るよ。」
俺は反省をした。だけど他の星への行き方に興味が湧いてルナに聞いてみた。
「ちなみにどうやって他の星に俺の体作るの? ルナは地球の日本担当だよね? 他の星にも担当がいると思うけど、その担当に頼むの?」
「そうね。他の星の担当に頼んで体を作ってもらって魂の移動をするの。拓海君が行こうとしていた剣と魔法の世界の星には私の同世代の女神がかなり居るわね」
「なら、ルナなら剣と魔法の世界の星には簡単に魂を移動させる事が出来そうだな。ルナと同世代の女神なら
「それは無理。剣と魔法の世界の星には私は誰も送れないの」
「えっ? 同世代の女神が沢山いるって……」
「私は同世代の友達いないから……」
ルナに同世代の友達がいない? 何故だ? 可愛いから
そういえばルナに会った時、ボッチって言った後キレられたな。気になるぞ——
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます