第183話 アポロ様と赤ずきんちゃん
テオとニナとエマの3つ子が、ちょっとおしゃれして劇場にやってきた。演奏会で魔界ランドにやってきたアポロに招待されたのだ。
演奏会が終わり、楽屋に通された3人をアポロが出迎える。
「ニナ!エマ!テオ!ようこそ。」
「アポロさま!」
「エマ!」
アポロがエマを抱き上げる。
「元気そうだな!」
「はい。アポロさま。あのねクリスマスプレゼントありがとうございました。」
「気に入ってくれた?」
「はい!」
「3人とエマの子猫たちでペロリと食べてしまいました。」
「ありがとうアポロ様、美味しかったわ。」
アポロからのクリスマスプレゼントは調味料というかソースのセットだった。
お好みの生野菜をカットして並べるだけで、すぐに食べられる前菜の出来上がりで、特に
テオに嬉しいプレゼントだった。
アポロと3つ子が勢ぞろいするのは久しぶりで話が弾んだが、マネージャーがアポロに囁いた。
「…うん。分かったよ、仕方ないな…。」
「そろそろ打合せの時間でしょうか?」
5月にアポロとニナが共演する予定があり、その打合せをすることになっていたのだ。
「名残惜しいけど…。」
アポロがエマの頭を撫でる。
「お通ししました。」
「エンマ〜。」
劇場支配人の後ろからダモフェンリルの締まりのない声が聞こえてくる。
「ダモ!」
エマがダモフェンリルに駆け寄る。
「楽しかったようで良かったです。」
ダモフェンリルがブン!ブン!と尻尾を振る。
「テオ君とニナちゃん、打合せ頑張って下さい。エンマのことはお任せ下さいね。」
人型に戻りエマに手作りのケープを着せて、ケープのフードをかぶせる。
「手袋もどうぞ。夜は冷えますからね。」
エマの防寒が整うと再びフェンリルに戻り、尻尾を振りながらエマを護衛するように帰って行った。
「真っ赤なケープはエマに似合って可愛いな。獣型のデイモンとぴったりじゃないか。2人で並ぶと“赤ずきんちゃん”みたいだ。」
それではまるでデイモンとエマが似合いの2人のようだとテオが不機嫌になりアポロに笑われた。
------------------
コメディ要素強めの現在ファンタジー はじめました。
◆ モン・サン=ミッシェルの鳥居ちゃん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890741272
10話あたりからコメディ要素多めになってきます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます