第181話 猫の日


2月22日はニャン ニャン ニャンコで猫の日だ。

「今日はジジ君とマリーちゃんの日ですね。」

エマが目を細めて2匹を見る。可愛くてならないといった表情だ。ジジ&マリーも嬉しそうにエマを見つめる。


「ジジ君、マリーちゃん、これワシらから。」

「猫の日ですものね。」

カールとダイアナがチュールをくれた。

「それ美味しいやつ!」

「嬉しいんだぜ!」

「ありがとうおじいちゃん、ダイアナさん!」

「サンキューなんだぜ!」

ジジ&マリーがカールとダイアナにお礼を伝える。


孫のデイモンとエマが最近いい雰囲気なのはジジ&マリーのおかげだと理解しているカールとダイアナがジジ&マリーをいい子いい子と撫で回す。


デイモンの事が無くてもカールは子猫に優しい。フェンリルであり、魔王でもあるカールは小さな生き物に特に優しい。守るべきものと本能で理解しているのだ。


最初、子猫たちをライバル視して拗ねていたデイモンが、拗ねながらも子猫たちを優しく受け入れた理由もフェンリルの本能だった。


「ジジ君、マリーちゃん。」

「デイモンさん。」

ニコニコ顔のデイモンが登場だ。

「これは僕から猫の日のプレゼントです。」

中にまたたびを入れた魚型のぬいぐるみだった。

「ネット通販で見て、評判が良かったので真似して作ってみました。」


「にゃあー!!」

「みいー!」

ジジ&マリーがぬいぐるみを抱いて大喜びだ。


「ダモ!ジジ君とマリーちゃんがお魚を抱っこしてゴロゴロしています!可愛いです!!」

「気に入ってくれて嬉しいですねえ。」



「ちょっと取り乱しちゃったわ。」

「恥ずかしいんだぜ。」

ジジ&マリーがもじもじしていた。

今日のご飯は唄子さんがジジ&マリーの好物を作ってくれたし嬉しいことだらけだ。


「デイモン…俺……。」

「ジジ君、どうしましたか?」

「俺、大きくなったらデイモンみたいになるのが目標なんだぜ!」

ジジが真剣だ。

「デイモンは強いくせに、いつも優しいからな!憧れのおとこなんだぜ!」


乙男おとめんとして認識されているデイモンをジジがそんな風に見ていたとは意外だったが、エマとマリーも、うんうんと肯いている。


猫の日はデイモンにとっても嬉しい日だった。


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コメディ要素強めの現在ファンタジー はじめました。


◆ モン・サン=ミッシェルの鳥居ちゃん

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890741272


10話あたりからコメディ要素多めになってきます。

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