第150話 幼児期の薫は…
「わあ、
デイモンと薫の子供時代のアルバムを見ている。
デイモンが生まれてから23年、
フェンリル族のデイモンは成長が遅く、23歳ではなくまだ14歳だが、5歳くらいまでは普通の成長速度だった。
エマと出会った3歳からエマが眠る7歳まで、エマとデイモンの間で成長の違いは感じなかった。エマが小さく子供っぽかったせいだろう。しかし
しかし大部分の写真は
「人型を取るよりもフェンリルでいるほうが楽だったんですよ。」
ピンク色の舌を垂らし、ニコニコのダモフェンリルが回想する。
「小さいころのダモは可愛かったですねえ。」
「僕は今もかわいいです!」
「…。」
デイモンの自画自賛をスルーするエマ。そんなエマを鼻先でつつくデイモン。
「ねえ、ダモ?」
「なんですか?」
「子供のころのダモの写真、怪我してばっかりですね。」
大人たちが、「あーそれはー…」という空気になる。
「天界に遊びに来た時も怪我していることが多かったですし…。」
会うなりズタボロなデイモンに慌てて治癒魔法を掛けたものだ。
そんなデイモンをみたテオが『魔界ランドから天界への道中は危険が多そうなので、絶対にこちらから出かけないように!』とエマに言い聞かせたものだ。
「
「僕がどうかした?」
「
「何を?」
「ほら、小さな頃の
「嘘っ…。」
「嘘じゃないさ、本当に覚えていないのかい?」
青い顔で俯く
「デイモンは大型犬らしく、我慢強く
息子のデイモンは大型犬じゃなくてフェンリルだし光はお口がツルツル滑り過ぎだが本人はマイペースだ。
「じいちゃん?」
――― すいー。
冷や汗だらだらのカールが視線をそらす。
「ばあちゃん?」
――― すいー。
冷や汗だらだらのダイアナが視線をそらす。
「つまり…義姉さんのために家を出たのではなくて、僕のせいだったの?」
「か、かおたん…。」
「かおたんが良い子に成長して嬉しいわ!」
汗だらだらのカールとダイアナがフォローになっていないフォローをする。
「僕は野性味あふれる淫魔族って魅力的だと思うんだけど、デイモンが限界だったからね。どう育っても
落ち込む
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます