第139話 16年ぶりのクリスマス
昨夜遅くまでお喋りしていたのにエマとニナが朝から元気だ。
「ニナちゃん!プレゼント開けましょう!!」
「私も楽しみにしていたの!どれから開けましょうか?」
「これアポロ様からです。」
「開けてみましょう!」
バリバリバリ!
大胆に包装紙を破るエマとニナ。
「エマちゃんはアポロ様の電撃に触れて昏睡してしまったでしょう?」
「エンマから飛び込んで行っちゃったんです、てへへ。」
「当時はそんな事情も分からなくて…。私、アポロ様に楽器を習っていたでしょう?会った時にアポロ様を責める気満々だったのよ。」
「ええっ!?」
突然の回想にエマが慌てる。考えなしに飛び込んでいった自分が悪かったと自覚しているのだ。
「でも、あのプライドの高いアポロ様が人目も憚らず、わんわん泣いていてね。慌てちゃったの!」
「アポロ様…。」
エマがしょんぼりする。
「その後は必死でアポロ様を慰めて、楽器の授業どころじゃなくなっちゃったの。」
プススとニナが思い出し笑いする。
アポロからのプレゼントにはカードが添えられていた。
魔界ランドで演奏会の予定があるので招待したいとのことだった。
妹たちが2人でプレゼントを開けては嬉しそうにお喋りしている。
最初は開封作業を大人しく見ていたジジ&マリーが丸めた包装紙やリボンにウズウズして暴れ出すと、エマとニナがプレゼントそっちのけで子猫たちと遊びだすのでちっとも進まない。
妹たちのそんな様子も愛しい。
昨夜、一睡も出来なかったテオが幸せそうに妹たちを眺める。
楽しそうにお喋りする妹たちが可愛いのは当然だが、きょうだい3人で過ごすクリスマスは16年ぶりだったので嬉しくて眠れなかったのだ。
もうエマが昏睡することは無いと分かっていても、3人で過ごす何でもないような時間が幸せだと思う。
今ならロード100章まで書けそうな気がする。
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