第112話 後日譚

獅子化したレオが弥生のうなじを咥えて帰宅し、兎化した弥生をクッションの上にそっと下ろす。

ビクビクしながらレオを見上げると、涙でいっぱいの目で見つめられた……と思ったら泣きながら爆舐めされた。



「レオに強制的に退場させられちゃったからあの2人の続きが見られなくて・・・。」

残念そうな様子を隠そうともしない弥生。

「気持ちはわかるけど最低ね・・・。」

スカイチャットの相手は同人仲間の春麗チュン・リーだ。

さすがに春麗チュン・リーも引いている。

「でも、おかげで冬のコミケには間に合いそうよ!」

「内容は、ほどほどにしなさいよ・・・。」


—————— 春麗チュン・リーの忠告は活かされず、いつも以上にガンガン攻めた弥生の同人誌は評判を呼ぶこととなる。




「そうか、ようやく思いが通じ合って・・・ほろり。」

「二人とも、よかったなあ!・・・ぐすっ。」

おばちゃんな性格のフギンとムニンがアシュタロトとたちばなを前に良かった良かったと言って涙ぐんでいた。

「フギンとムニンも、きっかけを作ってくれて、ありがとう!」

たちばなが美しく笑う。


「・・・・・・・・。」

素直にお礼を言いたくないアシュタロトは、いつも以上に無口だった。

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