第13話 はじめてのデート
ダィモンです!
待ちに待ったデートの日です!
付き添いの祖父と護衛を引き連れ、エマを迎えにきたデイモンは桃色の空気を纏い、色とりどりの花をまき散らしていた。
「ふふふ、エマちゃんたら愛されているのねえ。」
「ルーちゃん、恥ずかしいからやめて・・・。」
繋いだ手をぎゅっと握りながらつぶやいた。
恥ずかしがるエマをぐいぐいと引っ張るルシファー。
「お待たせしてすみません。さ、エマちゃんもご挨拶しましょうね。」
「・・・こんにちは。」
恥ずかしそうにルシファーの影に隠れながらなんとか挨拶した。
「こニちは、エんマ。キョうはクマさんのアイスを食べマしょう。」
「クマさんのアイス?」
アイスをフルーツやビスケットなどで熊の顔にデコレーションしたパフェを食べに行くのだ。
「ミミは杏子でデすよヨ。」
「アイス大好きです!」
「よカた。」
「それでは出かけようか?」
魔王陛下の呼びかけに、クマのアイスが楽しみでコクコクと頷く。
「ああ出かける前に紹介しておこう。護衛は魔界から連れ来ましたぞ。護衛たちのリーダー、サタンじゃ。」
後ろに控えていたがっしり体形で、きりりとした顔つきの美形が会釈する。
「はじめまして、ルシファーと申します。こちらはエマちゃんです。今日はよろしくお願いします。」
「エンマです。はじめまして、サアたん。」
・・・・・・・・もんタンのノリで呼ばれたような気がするがこの程度のことでサタンは動じない。
「さ、さあ、行こうか!」
・・・・・・・魔王陛下もサタンに気を使っているようだが、動揺を表してはならない。
クマのアイスは可愛くて美味しかった。耳は杏子で目と鼻はチョコで出来ていた。エマは「可愛くて食べられなーい」なんて絶対に言わないタイプだ。可愛くても美味しければペロリだ。テオとニナも美味しければペロリ派だ。この3人は似ていないようで似ている。
クマのアイスの可愛らしさにテンションあげ!あげ!なエマは最初の緊張を忘れ、デイモンとの会話も盛り上がった。デイモンの言葉も大分聞き取りやすくなっていた。デイモンはエマの好きな食べ物について聞きたがり、エマも嬉しそうに答えていた。次のデートのためのデイモンのリサーチでもある。エマの食べっぷりにデイモンはエマを餌付けすることに決めたらしい。テオとニナは二人を暖かく見守っていた。
主役の2人が楽しくアイスを食べ、天界に送り届けることになった。
「ルシファーさン、ルシファーさンはトテもきれいデすし、エンマはカわいいノでキけんでス。おジイサまとサタンさんはルシファーさンをエスコトしてサし上げてクださい。エンマはボくと手をツなギマしょう。」
護衛もいて、まったく危険はないのだが、大人たちはこの微笑ましい提案を受け入れた。
エマと手をつないで帰る途中の会話も楽しく、初めてのデートは大成功だった。
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