魔王城にて⑦-ジュドヴァ=ノーヴェ二大魔戦争 技贄の理-

 異世界生活百四十九日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国、魔王都市ジュドヴァ、魔王城


【三人称視点】


「勿論…………絶対に許せない。犠牲になった沢山の魔法少女達のためにも、コイツの息の根を止める」


「ハハハ、できるものならやってみろ! フリズスキャールヴ産魔法少女――お前も僕のモルモットだ! すぐに黙らせてそこのマスコットと一緒に解剖バラしてやる」


 ブルーメモリアは巨大なハサミを閉じたまま構え――。


「スプラッシュスティンガー・人魚の洌唱ローレライ・アンサンブル


 ブルーメモリアの背後に水を帯びた無数の刀剣が生まれ、アイリスとクリプに襲い掛かった。


「「「【宅警ノ王】」」」


「【守護者の盾】!」


 高津、常盤、ジューリア、岸田が展開した防御スキルが無数の刀剣を防いだ。

 刀剣の纏う水は勢いを増し、結界と盾を射抜こうとするが、重ね掛けされた結界を貫通することはできず、これ以上は無意味と判断したブルーメモリアが指を鳴らしたところで完全に消滅した。


「…………なるほど、僕が魔法少女とマスコットに気を取られている間に僕を攻撃しようって魂胆か。だけど、そんな簡単にやられるような奴がヴァパリア黎明結社の副部門長をやれると思うかい?」


 聖、リーファ、白崎、レーゲン――四方向からの攻撃に対し、ブルーメモリアはニヤッと薄気味悪い笑みを浮かべ――。


「タイニーメモリーフラッシュ」


 手に青白い輝きを宿すと、地を蹴って加速――標的をリーファに定めて激流を避け、擦れ違いざまに腕に触った。


「――何をしたのですか?」


 振り返りざまに〈激流の斬撃カレント・ストリーム〉を変身前の心臓にあたるところ目掛けて放ち、返り血を浴びたリーファが純朴な表情で疑問を口にする。


「……そういえば、【状態異常無効】は記憶操作も無効化するんだっけ? 感情操作も無効化されるだろうし、これは結構厄介だね。【物理無効】や【魔法無効】よりも恐れなければならないのは【状態異常無効】かもしれない」


「ブルーメモリアの固有魔法のうち、【記憶上映】と気分を変える魔法のキャンディーを作る魔法、数秒間記憶を消す魔法は【状態異常無効】で無効化できます! 厄介なのは二代目の宝石を使ってテレポートできる魔法と剣を召喚して戦う魔法です!! 皆さん、この二つには気をつけてください!!」


「ちっ……随分と僕のことを舐めてくれるね! 【記憶上映】を封じた? 僕の魔法が単に記憶を上映して切り貼り複製するだけのものだと思ったら大間違いだよ! ――上映Screening開始started!!」


 ブルーメモリアが巨大なハサミを地面に突き刺した瞬間、無数の巨大なフィルムが地面から飛び出した。

 フィルムは宛ら触手の如く、白崎達に襲い掛かる。


「僕が操作できるのが人の記憶だけだと思ったか? 僕の力がそんなものの訳がない――万物の記憶を読み解き、それをフィルムにして自在に編集する力! 例え物理が効かなくても捕獲することはできる」


「〝時間巻き戻し魔法〟――〝水晶のTime巻戻rewind〟! 貴女の思い通りにはさせない!」


「――何!? 時間に干渉してボクの魔法が発動する前に戻しただと!! そんな……時間に干渉できる魔法少女はクレアシオン様と元々の所有者の暁美あけみ黒希空くろのあだけ――こんな、こんなただの魔法少女如きが!! スプラッシュスティンガー・人魚の洌唱ローレライ・アンサンブル! 人魚の涙ティア・オブ・マーメイド


 ブルーメモリアの手に現れた宝石が砕け、落下する暇すら与えられずに華麗な回し蹴りで四方八方に飛ぶ。

 水を無数の刀剣が宝石の元に瞬間移動し、そこから多角的な攻撃が繰り広げられる。


「「「【宅警ノ王】」」」


「【守護者の盾】!」


「「「〝彼岸と此岸に境あり。魔の者は魔の世界に留まりて決して越えることなかれ。一線を引き、結界を張り、あらゆる魔を通すことなかれ〟――〝護法の結界グレート・バウンダリズ〟」」」


「〝桔梗印護符〟」


 高津、常盤、ジューリア、岸田の防御が聖を、リーファを、白崎を、朝倉を、北岡を――この場にいる草子と柴田・・を除く全ての者を護る。


「ハハハ、いつまで守っているつもりなんだい!!」


「……そうね、私もそう思うわ」


 変幻自在の秘宝の服ニーベルング・コスチュームの効果を解除した柴田が状変り闘えフェイタル・ハルバード終焉カリ・ユガを振りかざし、ブルーメモリアを真っ二つに切り裂いた。


 最初に恋慕の魔法少女の記憶を、次に三代目の記憶を生贄に捧げたブルーメモリア。

 そして、復活のために藍騎士の魔法少女の記憶を捧げたブルーメモリアに残された命は残り二つ。


「これは……少し舐めていたかもしれないね」


 最初は簡単に勝てると思っていた戦いだった。だが、複数の誤算が重なり、ブルーメモリアは大きな危機に瀕している。


 しかし、ブルーメモリアは気づいていない。――ブルーメモリアにとって自分以上に大切な存在に大きな危機が迫っていたことに。



「まあ、ゆっくり味わえよ。人生最後の十二秒間を――」


 一合、二合、三合――究極を超えた挙動で切り結ぶ。

 さあ、これで終わりだ。


 そして時計がⅫになり、俺の発動した即死スキルが発動する。

 これこそが、【冥府之神】の奥の手――【万物を殺すための十二秒-Twelve seconds to kill everything-】。


 その瞬間、紅葉は死んだ。――そして。


「まさか即死耐性貫通即死攻撃とはね……ちょっとびっくりしたな」


 五体満足の紅葉が神刀ダイオニキリマル禍鳴を構えて、とても驚いているようには見えない不敵な表情を浮かべていた。


「超越技か?」


「正解。ボクの超越技――秒単位レベルアップはミリ秒間隔でレベルアップし続けるというものでね。その度に、体力と魔力とステータス異常が全て全快し、死んでいる場合や魂ごと消滅しているとしても生き返るんた」


 うわ……『ミリ秒間隔でレベルアップし続ける。その度に、体力と魔力とステータス異常が全て全快。死んでいる場合は生き返る』のどこぞの魔法少女っぽい賢者さんの自動レベルアップよりもタチ悪いな。


「ちなみに、理論上は……えっとなんだっけ? 最近歳のせいでボケが酷くてね。ほら、あれだよ。開発部門に入ってきた元地球出身のヲタクどもが言ってた。お……し様?」


「多分おか●し様のことじゃね? まさか、あの即死チートも無効化できるの? いや……まあ、こっちの世界の【即死無効】はあの能力すらも念頭に置いて無効化できるようにしているみたいだけどさ?」


「うん多分その人? 神様? どっちでもいいけどその即死だから消滅だかの能力を使われても蘇るよ? あの〝霊体崩壊エーテリアス・デイスインティグレーション〟でもボクを殺せないし、まあ無敵って奴かな? まあ、七賢者はボクとは別ベクトルでヤバい奴が揃っている上に、能力や超越技の相性ってのもあるから千日手になるか、死ぬ場合もあるだろうけどさ。まあ、アイツらは色々とおかしいんでカウントしない方が賢明だね。……さて、どうする? 流石の【ヴァパリアに与える鉄槌】も降参かい?」


 いや、この人強過ぎて死にたくなっちゃった人!? ……まあ、違うだろうけどさ。

 これは挑発――いや、自分の力に絶対の自信があるということの表れなのだろう。


「もしかしたら俺は勘違いをしていたのかもな。或いは解釈違いというべきか……」


「何を突然……」


「異世界から召喚した《異なる神》――それを殺すためにマルドゥーク文明が開発した切り札。そう考えるのが自然だったからそう考えただけであって、証拠がある訳ではないから可能性の話だった。或いはマルドゥーク文明すらそう思い込んだのか? その力を誰がもたらしたか……戦争の行方を左右する力をもし自分で見つけたとなれば、大きな名誉を得ることになる。……丁度他の学者の研究の上澄みを盗むように……いや、それ以上に罪悪感のない行いだった筈だ。ある日突然、喉から手が出るほど欲しい実験結果が転がり込んできたんだから。……ならば、明らかに《異なる神》の召喚のために用意された『神格召喚の手段』という古代魔法書は……確か捜索したけど結局マジェルダの手元からは見つからなかったんだっけ? というか、紛失してその写ししか見つからなかったんだから、明らかに手元にないよね。となると古代マルドゥーク文明と《異なる神》の戦争は意図的に……」


「一体何を言っているだ? もしかしなくても、ボクの恐ろしさを前に頭がおかしくなったのか?」


「いや? 紅葉さん――貴女の言葉が正しいって話だよ。『スキルを唯一絶対の力だと思うなんて。そのスキルの出自を――生み出したのが始まりの一族オリジン・オブ・ケイオスであることを知りもせず、自分だけの力だと考えているなんてね。いや、知っていると知らないってのは随分と違うからね。知っていても割り切って使っていれば問題ないし、普通に生きていたらヴァパリア黎明結社や始まりの一族オリジン・オブ・ケイオスとは接触しない訳だからね』……でも、それはスキル以外にも言えることなんだよ。そして、俺は全て理解した上でそれでも踊れというならワルツでもロンドでも踊ってやる。それが俺の願い――地球に帰るための近道ならば。……黒幕と戦うのが戦略の全てじゃない。ただ一番悪い人を倒して大円団になるのは創作の世界だけだ。もっと広い視野を持つべきだってことさ」


 始まりの一族オリジン・オブ・ケイオスの思惑なんてものはどうでもいい。例え連中の掌の上で踊っていたとしても、俺達に何の支障があるのか?

 直接敵対しないのであれば、こちらにちょっかいをかけてこないのであれば、そしてこちら側に何のメリットもないのであれば、戦う必要はない。


 〝DIES IRÆ〟がマルドゥーク文明の手に渡り、高槻斉人に渡り、そして俺の手に渡ったことについて始まりの一族オリジン・オブ・ケイオスの思惑が絡んでいるのか、絡んでいないのかは分からないし、そもそも問題にする必要はない。

 刹那的と言われるのも致し方ない。だが、俺の目的は地球に帰還すること――究極的にはそれさえ叶えば後はどうでもいいんだ。


 だからつくづく思うよ。俺は正義の味方や主人公にはなれないって。

 こんな刹那的で欲望に忠実な人間が主役に、英雄になれる訳がない。


「これで終わりだな。紅葉……お前の負けだ」


「何を馬鹿なことを。ボクを殺せないことはもう証明されただろう? 秒単位レベルアップを超える術は――」


「じゃあな、巻き込まれたくないんで」


 【空間之神】を発動して紅葉の近くから避難する。

 そして――。


「〝DIES IRÆ〟!!」


 かつて《異なる神》を壊滅させた、消滅不可避魔術が紅葉を包み込んだ。



【三人称視点】


「何をやったか知らないが、紅葉さんはそんな攻撃では――」


「ミリ秒はとっくに経過しているよ。既に紅葉の死は確定……いや、魂諸共消えたから戻ってこれないな」


「…………そん……な……嘘……でしょ。紅葉さんが、紅葉さんが死んだなんて」


 ブルーメモリアは幽鬼のような瞳を草子に向けた。

 その目には並々ならぬら怨念が込められている。


『……今まで君達は魔法少女だけじゃない……もっと多くの人間と魔族を傷つけ、その人生を狂わせた。そんな君がいざ奪われる立場になったら憤るのかい? そんなことが罷り通ると本気で思っているのか!!!』


「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい! 分かっている! 最初から覚悟を決めていた。誰かの人生を滅茶苦茶にするなら自分の人生を滅茶苦茶にされることだってあり得る。僕は僕自身が死ぬことは常に覚悟している――そうでなければ超越者デスペラードにはなれない! でも、紅葉さんを失うのは許容できない。初めて僕を認めてくれた! 友達になってくれた彼女を喪うなんてことを許容できる訳がない!! 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すゥ! 一片たりとも残らず殺してやるゥゥゥゥゥ!!」


 ブルーメモリアは《惡の種子ヘレティック・シード》を飲み込んだ。

 ブルーメモリア自身は激情に駆られていたが、その頭の中はどこまでも冷え切り、研ぎ澄まされていたのだ。


 ブルーメモリアは絶対に今の自分では勝てないことを理解していた。


 紅葉とブルーメモリアの最後の共同研究――これまで一度も実らなかった、仮説でしかなかったものが、紅葉の死を経験したブルーメモリア自身によって立証されたというのはなんと皮肉なことか。


 ブルーメモリアはその瞬間――二つの境地に至ったのだ。

 《惡の種子ヘレティック・シード》による解脱によって真仙へ、そして願いを叶えるために因果と融合して超因果的存在に至った存在――超因果魔法少女に。


 開闢の魔法少女クレアシオンと同等の領域に立ち、ユェンと同じ真仙に至ったブルーメモリア――。


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NAME:技贄の魔法少女ブルーメモリア

LEVEL:99999999(DESPERADO)

HP:99999999/99999999(+99999999)

MP:99999999/99999999(+99999999)

VPR:99999999/99999999(+99999999)

STR:99999999(+99999999)

DEX:99999999(+99999999)

INT:99999999(+99999999)

CON:99999999(+99999999)

APP:99999999(+99999999)

POW:99999999(+999999)

LUCK:99999999(+99999999)


JOB:超因果魔法少女、真仙


TITLE:【黎明結社開発部門副部門長】、【超越者デスペラードの領域に至りし者】、【マッドサイエンティスト】、【開闢の魔法少女の弟子】、【魔法少女を弄ぶもの】、【魂を弄び、歪める者】、【超因果魔法少女】、【解脱に至った者】


SKILL

【纏極通力】LEVEL:1

→ヴリル=プラナを身に纏うよ!

【真金剛通】LEVEL:1

→真の神通力の一つだよ! ヴリル=プラナを身体に纏わせることで防御力を上げるよ! ヴリル=プラナを体の一点に集中して極限の防御力を得たり、時間を凝縮することにより一瞬の刹那の間だけ無敵になることができるよ!

【真剛力通】LEVEL:1

→真の神通力の一つだよ! ヴリル=プラナを手や足に纏わせることで通常では考えられない膂力を得るよ!

【真神足通】LEVEL:1

→裏の神通力の一つだよ! ヴリル=プラナを両足に纏わせることで通常では考えられない速力や跳躍力を得るよ! その速度で残像を残すこともできるよ! 十万億土を一秒で移動するほどの速度を出せるよ!

【真天眼通】LEVEL:1

→真の神通力の一つだよ! ヴリル=プラナを両目に纏わせることで十秒先を未来視するよ!

【真天耳通】LEVEL:1

→真の神通力の一つだよ! ヴリル=プラナを両耳に纏わせることで聴覚を強化して他人の心の声を聞くよ!

【真活性通】LEVEL:1

→真の神通力の一つだよ! ヴリル=プラナで肉体を瞬間再生するよ!

【技贄の理】LEVEL:1

→全ての魔法少女を冒涜する研究が生き甲斐の魔法少女の成れの果てだよ! 取り込んだ青い魔法少女と自身の能力、時間という因果に限定的に干渉する力、記憶に直接干渉する力、自分よりも劣る存在を記憶から再現する力が使えるよ!

【物理耐性貫通】LEVEL:10000

→物理耐性を貫通するよ! 物理無効は貫通できないよ!LEVEL:10000

【魔法耐性貫通】

→魔法耐性を貫通するよ! 魔法無効は貫通できないよ!

【物理無効】LEVEL:10000

→物理を無効にするよ! 【物理耐性】の上位互換だよ!

【衝撃無効】LEVEL:10000

→衝撃を無効にするよ! 【衝撃耐性】の上位互換だよ!

【魔法無効】LEVEL:10000

→魔法を無効にするよ! 【魔法耐性】の上位互換だよ!

【状態異常無効】LEVEL:10000

→全ての状態異常を無効にするよ! 【状態異常耐性】の上位互換だよ!

【即死無効】LEVEL:10000

→即死を無効にするよ! 【即死耐性】の上位互換だよ!

【因果無効】LEVEL:10000

→因果干渉を無効にするよ! 【因果耐性】の上位互換だよ!

【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:10000

→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!

【ヴァパリア黎明結社共通語】LEVEL:MAX(限界突破)

→ヴァパリア黎明結社共通語を習得するよ!


BATTLE ENSEMBLE

闘歌バトルソングに独自の改良を加えた最終形。装甲ギアが白を基調とするカラーリングとなる。絶唱ファイナルソング並みの力を対価無しで発動できる他、自身一人で無限に増幅させることにより無制限に力を増幅させていく。


ITEM

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 身体を捨て、純白の魂とヴリル=プラナが混ざり合った裸体となった少女・・は、記憶領域から青いドレスを作り出して身に纏い、能因草子に敵意の篭った視線を向け――。


 その瞬間、技贄の魔法少女ブルーメモリアは理解してしまった。

 目の前にいる能因草子という人間がどういう存在なのかを。




 ――能因草子は最早人間などではない。それを理解するのは狩られる立場――即ち、神に至った存在なのだ。




「僕は、それでも――」


――『ブルーメモリア――もし、ボクが殺されても君は足を止めてはならない――ボクを見捨て、研究の道を突き進んでいってくれ。ボクと君は一心同体――ボクは常に君と共にその道を歩み続ける』


 紅葉の言葉を思い出し、ブルーメモリアは思い留まった。

 このまま死んでしまったら、紅葉に顔向けできない。


 ブルーメモリアが今やるべきことは草子と戦うことじゃない。紅葉の仇を討つために戦って命を散らすよりも今やらなければならないことは――。


(――紅葉の研究と意思を受け継ぎ、生き残ることだ!)


「これで終わらせる! 能因草子!!」


 ブルーメモリアは巨大な鋏を顕現して必殺技を放つ――と見せかけ、脱兎の勢いで逃走を図った。

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