文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
ロリ九尾の九重鳰はなかまをよんだ!しかしだれもあらわれなかった!!
ロリ九尾の九重鳰はなかまをよんだ!しかしだれもあらわれなかった!!
異世界生活百四十四日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国? 悪堕ち魔法少女の結界内
高速で飛んでくるミサイルを皮の袋から取り出したエルダーワンドで薙ぎ払い、【殺気圏ノ王】と【飛斬撃】を発動――殺気と斬撃を重ねに重ねて未来の魔法少女型ロボットを撃破した。
「まだまだですよ! ――出でよ!
三体の
「【魔法剣・
「
複数の円を描いた後に、巨大な円を描き、その中心を突く。
「――出でよ!
……ってか、『何もないとこ●に壁を作れるよ』かよ! どんだけ盛ってくるんだよ!!
切っ先は
「〈
炎を凍らせる焔と炎を燃やす焔を手の中で融合し、金色の焔を構築してから“狐火”と融合して九つの黄金の“火球”を形作る。
その焔を六つと三つに分け、
「――消し炭となれ!」
〈
つまり、着火と同時に燃え尽きる……うん、なんでフェアボーテネが導入しないのかってくらい有用な力だよな。
まあ、普通は色々なものを混ぜてみようなんて発想にならないのかもしれないけど。
「――出でよ!」
「させんよ。【転移ノ王】!!」
魔法少女クリエイターの前に飛び、至近距離からエルダーワンドを振りかざした。
「――
魔法少女クリエイターに斬撃を浴びせたが、HPゲージを半分くらいしか削れなかった……おっ、意外にタフだな。
「ま、まだです!」
虚空から巨大なスパナを取り出して横薙ぎを放ってくる魔法少女クリエイター……【物理無効】と【衝撃無効】で無効化できるとはいえ、精神的には殴られるのは嫌だから【躱避】で回避。
「――
再び【究極挙動】で切り刻んでfinish!!
「【貪食ト銷魂之神】!!」
ふう、ご馳走様でした。
◆
異世界生活百四十四日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国、魔王領カイツール
〝
「あっ、戻ってきた。草子君、今回の敵はどうだった?」
「いや、割と厄介な相手だったよ。金髪金眼の漆黒の
「責任を持って解除させて頂きました。……草子様、魔王領カイツールをお救いくださりありがとうございます」
「そんなにお礼を言われるようなことをした覚えはないんですけどね」
というか、俺を追って魔法少女が襲撃をかけてきているみたいだし……ってか、なんで毎回魔王領の首都なんだろう……あっ、どんなルートを使って魔王領の首都に行くかは分からないけど、毎回ゴールが魔王領の首都ってことは分かっているか。
「……本当に怪しい人間ではなかったのですね。先程は失礼な態度をとって申し訳ございませんでした」
「いや、怪しい奴だろう? こんなモブキャラみたいな見た目なのに魔王領を旅している訳だしさ。それに、本気でアウラさんを焼こうとしていた訳だからお互い様だよ」
「「……ほ、本気だったのですね!!」」
シルヴィーヌとアウラが二人で抱き合ってガクガクブルブル震えていたが、一体何があったのだろうか?
「草子様、忘れないうちに書状をご返却致します。私のものも加えておきましたので、更に信憑性が増すと思われます」
……いや、毎回書状が偽物じゃないかって疑われるから、必要なのは書状じゃなくて書状が本物か偽物かを見分けられる魔族達な気がするんだよね。まあ、ここで言っても仕方ないから言わないけどさ。
「それと、書状にあった門を魔王領カイツールにも建設頂けませんか? 勿論、対価は」
「対価は必要ありませんよ。みんな平等にが俺の主義ですから、一箇所からだけ費用を徴収するような真似は致しません。
「……随分と太っ腹なのですね」
「ビジネスは別のところでやっているので大丈夫ですよ? それに、自分達の生活費くらいは捻出できますので」
というか、いざとなれば食費も居住費もかからない生活を送ることができるし、あんまりお金を使わない生活をするからただ溜まっていくんだよね。
「……草子君って貴族もびっくりの大金持ちだからあまりお金に執着しないのよね」
「礼儀もなってない成金で申し訳ございません。ロゼッタ様のような由緒正しい家柄の出身ではないので」
「それを言うなら私も九割九部平民ですよ? 私の原点は今も昔も薗部美華ですから」
ロゼッタって良くも悪くも貴族らしくないからな。どこか非情になり切れないところがあるし、つくづく向いていないんだなって思う。
「では、
◆
魔族達に敵愾心を向けられる中、俺達はシルヴィーヌを先頭に
『おいたわしや……シルヴィーヌ様、これからこの広場で我々の眼前で晒し者にされてしまうのか』
『この地ももう終わりか……』
「なんか、全面的に俺が嫌な奴みたいになっているんだけど。帰っていいかな? 別に無理に
「……お待ちください。私が説明をして敵愾心を消してみせますから、もうしばしご辛抱を」
シルヴィーヌからの必死の懇願と白崎達の有無を言わさない視線で俺は魔族が抱いている悪の親玉のような積極性とは対極にあるドナドナと売られていく子牛のような気持ちでシルヴィーヌの後をついていった……あゝ、帰りたい。
「皆様、お聞きください。本日、こちらにいらっしゃいます草子様のご協力でこの広場に
予想外の展開だったのか、魔族達の敵愾心が一瞬に消え失せた……うん、確かに消え失せたね。
「ご紹介に預かりました能因草子です。この
「……草子君って元国家同盟の議長だから十分政治家よね?」
柴田がジト目を向けてくる……いや、あれは頼まれたから小市民の俺に断ることができる筈もなく流れ流れて流されて気づいたら国家同盟の議長になっていたというだけで……。
「では、早速作らせて頂きます。【主我主義的な創造主】!!」
他の
「さっきぶりっす! 師匠!!」
そして
「もう、魔王領カイツールの魔王軍幹部様に勝利しましたか。流石は草子さんですね。まあ、雲雀にはなんとなく予想がついていましたが……」
「というか、師匠が本気を出したら魔王様も瞬殺じゃないっすかね? おっかないからあまり暴れて欲しくはないっすけど」
「……鳰、不謹慎」
うん、雲雀も大概だと思うけどな。何気にシルヴィーヌをディスってたし。
シルヴィーヌが優しい人で本当に良かったね。
「というか、なんでお前らだけ来ているの?」
「いやぁ、
「ウン、ソウダネー」
「師匠、棒読みで言うくらいなら言わない方がマシっすよ!!」
「ちなみに、雲雀はこの馬鹿が何かをやらかさないかを見張るお目付役です。決して暇だから来ている訳ではありません」
うん、コメントに困る回答をどうも……まあ、要するに二人とも暇そうだから仕事が回ってきたと……それでいいのか! 五箇伝!!
「あの……五箇伝の雲雀様ですよね。それと、もう一方は?」
「敬称は不要です、シルヴィーヌ様。もう一人の狐は九重鳰――同じく五箇伝のメンバーです」
「ですが、五箇伝の九重鳰は高身長のグラマラスな方だったような……」
「いえ、断じて違います」
「違わないっす!! ウチはボインボインのナイスバディーの美女だったっす!!」
……見ろよ、魔族達の心底どうでも良さそうな表情を。いや、一部の魔族が目を輝かせているな……下心満載か?
「まあ、そこまで言うならボインボインのナイスバディーの美女にしてやるよ。容姿にコンプレックスを抱き過ぎて、気づいたら自分の本当の姿はボインボインのナイスバディーの美女だって思い込んでしまったんだろう?」
「違うっすよ! ウチは本当にボインボインのナイスバディーの美女だったっす!! ……って、えっ……本当に元の姿に戻してくれるっすか? いや、師匠に限ってそんなことは絶対にしてくれないっすよ! きっと罠っすね!!!!」
「いや、信用されていないな。俺ってオリ●ーナ様並みに優しいと思うんだけど……」
「草子さん、それって婉曲的に偏屈な性格だって言っているようなものですよね?」
レーゲンのツッコミは聞かなかったことにした。
「まあ、嫌ならいいけどね。いつになるかも分からない発育を待って魅惑のナイスバディな美女になるってのならそれはそれでいいけど。ちなみに、【性換者】で年齢は弄っていないから鳰さんは成長期を過ぎた状態でそのロリな姿で固定されているから成長は絶望的だね」
「……そ、草子君が物凄い悪い顔をしているよ!」
「……あの鳰っていう人、草子君にどんなことをしたんだろうね」
白崎と一ノ瀬……というか、イセルガを除くパーティメンバーと雲雀を除くこの場に集まった魔族達が怯えているんだが……そんなに怖い顔をしていたかな?
というか、一ノ瀬。俺は鳰にお前ほどの敵愾心は貯めていないぞ? 鳰はただ弄りやすいから弄っているだけだけど……今更元の姿に戻すなんて言い出したら鵠にキレられそうなんだよね。
「というか、今師匠がウチをロリ化させたって認めたっすね!! というか、一生このままって最悪っすよ!! 背が伸びないのなら、せめてトランジスタグラマーになりたいっす!!」
……つまり、背は諦めてもきょにゅーは諦めたくないと……どんだけ執着しているの? この娘。
「一応、
「……私って別に美人でもなんでもないよ?」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「――またまた」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「……華代が美少女じゃなかったら誰が美少女なんだ?」
「朝倉さんも分かっているよね。カタリナさんだよ」
全員沈黙。そして、女子勢意気消沈……なんだろう? なんか悪いことをした気分だな。
まあ、ユーゼフを騙していた申し訳なさに比べたら女子どもの矜持が吹っ飛ぼうとなんだろうと些末なことにしか思えないんだけど。
「鵠さんに確認を取るとか絶対にダメっす! あのシスコン狂いが許可を出す訳がないっす」
「だって……とんでもなく嫌われているみたいですね、鵠さん」
「……………………えっ」
……おーい、凍っている? カチコチ? 吹雪に当てられた訳でもないのに?
「まさか、鳰ちゃんにそんな風に思われていたなんて……い、いいもん! お姉ちゃん寂しくないもん!! 雲雀ちゃんがいればいいもん!!」
「……すみません。雲雀もできれば理想の体型にしてもらいたいです」
「うぇーん……い、いいもん。私にはアリサちゃんがいるもん!! 寂しくなんか、ないもん!!」
「あの……鵠さん? アリサちゃんは正教会のカタリナと同じくただの幻想です」
「「「――ぐはっ!!」」」
あっ、なんか死んだね。三人も……というか、女子(一ノ瀬という名の異物を含む)が出しちゃいけない声を出した気がするんだが。
というか、ジューリア。なんでお前まで喀血しているんだ。
「……仕方ありませんね。鵠さん、どっかの変態執事みたいに手を出したりしないと約束してくださいますか?」
「ん? お姉ちゃんは可愛い女の子を着せ替えできればそれだけで満足だよ? そんな犯罪紛いなことは絶対にしないよ! 寧ろ私の妹に手を出したら……絶対に許さないんだからね」
イセルガに対して殺意の炎を滾らせる鵠。対するイセルガは、指を変態的動かしながら鳰と雲雀を視姦している……うっわぁ。
「〝魂を揺らせ、不可視の衝撃〟――〝
イセルガ撃破。ロゼッタとのコンビネーションも完璧だ。
「知り合いに海棲族のお姫様がいるんだけど、ものすごい可愛い子でね。いや、冗談抜きで。一応確認してからだけど、鵠さんにその気がある、かつ向こうから許可が出たらそのお姫様の侍女をしてみたらどうかな? と思って」「――是非させてください!!」
うわー、即答かよ。というか、五箇伝がそれでいいの? というか、相手海棲族だよ? 確か魔族は亜人種を蔑視しているんじゃなかったっけ?
「……五箇伝にまで上り詰めた鵠様が亜人種なんかに……」
「今発言した奴、撤回しないなら死になさい。人間、亜人種、魔族――私を慕ってくれる妹なら、そんな種族差はごくごく些細なものなのです! そんなものを乗り越えられないのならお姉ちゃんなんて名乗れないよ!!」
……まあ、こういう人だからね。
「では、その契約が上手くいった場合は雲雀さんを雲雀さんが望む姿にするということでよろしいですか?」
「……まあ、致し方ない。雲雀ちゃんは可愛いけど、それを望んでいないのに強制するのは最低だからな」
「あの……ウチをナイスバディに戻すって話だったっすよね!! なんで雲雀っちなんすか!!」
「「さぁ? そんな話だったっけ?」」
「……お前の理想の身体になりたいのだったら戦って勝ち取れ。それくらい当然だろう?」
「理不尽っす!!」
鳰の絶叫が響き渡った。しかし、誰も鳰に味方する者はいなかった。
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