文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
にーとは冒険者登録できないそうなので女子達が冒険者登録している間に暇だから草原で魔法練習がてら周辺の魔獣を鏖にしてクレーターだらけにしていたら怒られたんだが……。
にーとは冒険者登録できないそうなので女子達が冒険者登録している間に暇だから草原で魔法練習がてら周辺の魔獣を鏖にしてクレーターだらけにしていたら怒られたんだが……。
異世界生活十日目 場所アルルの町
アルルの町に到着。しかし、中には入れません! 緊急事態です、emergency!
通行料を払わないと中には入れないそうです。一人銀貨一枚……なに、ル●ーが全てのバラ色な国の門番なの? 薬売ったら入れてくれないかな? 俺、魔法薬は持っているよ!
「草子さん、お金無いのでしたらお支払いしますよ」
「ありがとう、リーファさん。このお礼は後で利子をつけてきっちり返済するよ。それで後腐れなく別れられるね」
「……返済は結構です。このまま置いていかれそうなので」
失敬だな。俺は約束はきっちり守るタイプだ。ちゃんとエルフの里までは届ける。その後は知らないだけだ。
「銀貨六枚、確かにお受け致しました。こちら、通行証になります。ようこそ、アルルの町へ」
アルルの町はかなり広めの町らしい。中には冒険者ギルドの支部などもあるようだ。
やっぱり異世界といえば冒険者だよね? 折角だから俺も登録してみようかな?
「すみません、にーとの方は冒険者には登録できません」
と、そんな感じで冒険者ギルドの受付に行ったら受付のお姉さんに無理だと断言されてしまった。
普通テンプレだと冒険者登録して「凄いです、今までこんな方を見たことありません! 冒険者ギルド始まって以来の快挙です」とか言われるよね? そもそも冒険者登録できないってどういうことだよ!
ちなみに、他の面々は問題なく冒険者登録できるらしいので、テンプレは彼女達に任せましょう。
「冒険者登録できないなら、ここに用事は無いかな。素材買取も冒険者登録していないと売れないらしいし、仕方ないか。ちょっと外に行ってくるよ」
『……まさか、置いていかないよね? ……何してくるの?』
「ちょっとそこらで在庫処理してくるだけだよ。その後時間ありそうだったら魔法の試し撃ちでもしてこようかな?」
青褪めるお姉さんと困惑する冒険者達と聖達を面倒なので放置して、そのままギルドの外へ移動。
さっき【全マップ探査】で発見した商人の方へ向かう。
「はじめまして、お兄さん。良い物揃っているよ!」
「いえ、購入ではなくて売却をお願いしたいのですが……いくつかお売りしてもよろしいでしょうか?」
「売却か。こういう辺境だと仕入れの方は期待できないって思ってたけど……失望させてくれるなよ」
【算術】、【交渉】、【相場】、【説得】、【腹芸】、【信用】とかが使えそうだな。
こういうタイプの戦闘の経験は無いし、歴戦の商人みたいな人が相手だけど、まあなんとかなるだろう……後【ポーカーフェイス】は欲しかったな。……あっ、取れたみたい。
「まず、確認ですけど魔獣の買取は行っていないのですよね?」
「ああ、魔獣肉は猛毒があって食べられるもんじゃない。冒険者ギルドは倒した証として魔獣の一部分を買い取っているらしいからそっちで出すしかないな」
冒険者ギルドに断られたからこっちに来たんですけどね。まあ、魔獣肉は俺が食うには問題ないし、非常食として取っておくけど。
「では、さっそく交渉に移りましょうか。売却したいのはこちらです」
布の袋から棍棒や錆びたシリーズ、鋼シリーズなどを出していく。
「まさか、鋼武器まであるとはな。それに、この錆びた武器はゴブリンジェネラルのもの……あんた一体どこでこんなものを手に入れたんだよ!?」
「俺、各地を旅出回っておりまして、そうやって旅をしていると洞窟とかで戦闘跡から武器を拾ったりすることとかって結構あるんですよ。ほら、俺って見るからに弱そうなモブでしょ? こんな俺にゴブリンジェネラルとか倒せる訳無いじゃないですか!」
「そりゃそうだよな。いくらあんたが魔獣を怯えさせるくらい怖い目つきでも凄腕冒険者が何人も居て初めて倒せるゴブリンジェネラルを倒せる訳ないよな。……っとすまねえ、つい、な」
【詐術】を使用し、淀みなく嘘を吐く。そこに罪悪感は無い。商人とは価値無きものに価値を付与し、嘘を交えた語りと甘言で信用させて物を売りつけたり買い叩いたりする悪い奴らだ。騙された方が悪いと素で思っている奴らだ。
普段騙す奴が一回騙されて怒るのはおかしい。騙す方もたまには騙される消費者の立場を知ればいいのだ! この恨み、晴らさでおくべきか! 著作権もなく書いても原稿料すら払われず、全ての売り上げが出版社に入っていった
というか、実際にゴブリンジェネラルを倒して手に入れたと言ったところで絶対に信用されないだろう。冒険者登録もしていないただの目つきの悪い少年に? 冒険者登録しようとしたけどにーとに阻まれたからできなかっただけで、実力的には問題ない筈だし、目つきの悪いは余計なお世話だ! ……えっ、言い出したのお前だって?
「そうだな……合計で銀貨五十枚でどうだ?」
【相場】と【看破】を併用して、相場の価値を確認……うん、完全に巻き上げようとしているな。相場だと合計で金貨百枚だ。うん、腹が立ったから盛ってやろう!
「相場だと金貨三百枚くらいだと思いますけど」
「いや、流石に盛りすぎでしよ! これなら金貨百枚だよ!!」
「あれれ? 銀貨五十枚くらいじゃなかったんですか? 相場は金貨百枚なんですね」
「ちっ、嵌められた! これでも三十年以上行商人をやっているベテランのつもりだったのに……あんた、本当に何者だ?」
「ただの通りすがりの旅人ですよー。とりあえず、金貨百枚でお買い上げ頂けないでしょうか?」
「分かった、全て買うよ。ほら、代金の金貨百枚だ」
金貨百枚手に入れた。これで、リーファに借金を返済できるな。
「……売るばっかじゃなくて、少しは買ってくれないか?」
と、お金が手に入ったことに喜んでいると
この中で気になるものは魔法書と魔法薬。魔法書はまさかの四つ目綴じだった。……まさか、異世界で四つ目綴じの魔法書に出会えるとは、勿論迷わず即購入。
魔法薬は
「ところで、魔法薬を扱っている商人とかっているのかな?」
「このアルルの町には居ないけど、大きい街とかには居た筈だ。……魔法薬に興味があるのか?」
「いや、趣味で作っているくらいだよ。魔法薬の専門家に師事した訳ではないから素人の見様見真似だけどね」
「なるほど、良い薬が作れるようになったら教えてくれ! 魔法薬はなかなか仕入れが難しいからな。そのまま、消費期限が長い薬とかも完成させてくれよ!」
商人と別れて門の方に移動、通行証があるので二回目以降は通行証さえ出せば出入りできるようだ。
外に出た、魔獣が居た、Let's 撲殺☆
って撲殺していても何も得られないので、本来の目的の魔法の試し撃ちを開始する。
「とりあえず、まずは簡単なところから。……と、その前に新しく買った魔法書を食べてみよう」
魔法書を食べる。口の中で蕩ける。本の甘みが口一杯に広がる……美味い!
よし、いくつか魔法を習得できたようだ。後、言語スキルも習得できた。やはり、本を食べるのが正解のようだ。
「〝極寒の世界の冷気よ! 死よりも冷たき愛で凍えさせておくれ! 魂を慄わす愛で包み込んでおくれ〟――〝
灼熱と極寒――相反する二つの力が顕現し、鬩ぎ合う。大地を焼き尽くし、凍らせながら、徐々に領域を広げて衝突し――相殺される。
うむ、〝
前は〝ヘルブレイズ・ゲヘナ〟で〝
「続いて新魔法。〝轟く雷鳴よ、輝く雷霆よ、降り注いで焼き払え〟――〝
詠唱を終えると同時に魔法の対象に指定した座標の上空に黒い雲が急速に生まれ、そこから赤い雷が次々と地上に降り注いで大地を焼き尽くす。
うわ、怖えな。遠くで発動して良かったよ。
うん、〝
……ヨルムンガンドはそんなのをにーとに撃ったの? 絶対に使う相手間違っていたよね!
「さて、次は竜の谷を震撼させられるかもしれないあの魔法。〝数多の星の導きにより、天より数多の流星を降らせ給え! この世界を焦土へと変え給え〟――〝
降り注ぐ流星一つ一つに重量魔法を発動して、落下速度を第二次宇宙速度にまで引き上げる。
やったぜー! 俺は流星魔法と伐●絶技の先人を超えた! ……うん、物凄く遠くで発動して良かったよ。巻き込まれたら確実に死んでた。
巻き込まれているのは魔獣だけだと思うけど、通りすがりの人とか巻き込まれていたら流石に冗談では済まされない。
巻き込まれていないかを【千里眼】で確認。魔獣以外は巻き込まれなかったようだ。……えっ、そういう確認は撃つ前にしろって。すみません、次からは横着せずに確認してから撃ちます。
まだまだMPはあるけど、今日はここまでにしてアルルの町に帰ろう。
門のところで門番に通行証を見せようとしたら何故か物凄く怯えられた……ナンデ?
その後、冒険者ギルドの職員を名乗るお姉さんが猛スピードで走ってきて「冒険者ギルドまで来て欲しい」って凄い剣幕で言われたんだけど……ナンデ?
ギルドの中は騒然としていて、俺はそのままギルドマスターの執務室の前までお姉さんに連れていかれたんだけど……ナンデナンデ?
俺って冒険者になれないんじゃないの? なんで冒険者ギルドのギルマスに呼び出されないといけないんだろう? ……とっとと帰りたいんですけど。
……そういえば、何かを忘れている気がする。何かギルドに置き忘れたっけ?
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