第56話 タイミングを見計らって歩け!
さらに追加で、薬指を立てて、
「3つめは、タイミングを考えようということです」
「歩く…タイミングですよね」
「歩く時刻という風に考えてもらえれば」
「そっちのタイミングでしたか。てっきり、仕事が終わってからだとか考えていました」
「確かに、そういうタイミングもありますが、ここで言うタイミングとは、いつもの時刻になったら、歩く…ということです」
「しかし、いろいろと多忙なので、歩く時間を取れるかどうか分からないのですが」
「それは言い訳というものです。まだ、計画的に歩いたことがないから、予想しているだけでしょう。とりあえず、歩く時刻を決めましょう。その決めた時刻は必ず歩く。それ以外の時間は、できれば歩くとして歩く優先順位を決めるといいかもしれません」
「決めた時間に歩けなかった場合は、それ以外の時間で歩けばいいと言うことですか」
「どうしても、ダメな場合だから始めから実現不可能な時刻設定はダメですよ。リフレッシュのために歩く際は、それ以外の時間としておきましょう。できれば、日光の下で歩くのが理想です。お昼が時刻的にいいですが」
「なるほど」
「それと、運動をする際の障害について考えてみましょうか」
「障害?」
「歩く場所が屋外であれば、雨や雪、強風などの気象状態、仕事による強い疲労などが、運動の際の障害となります。分かるかと思いますが、気象状態については、これから逃れることは難しいでしょう」
「いえ、気象制御を行えば可能ですが」
「…、気象制御?」
「ええ、気象制御。早い話が、天気を変える魔法です」
「では、悪天候というものはないのですね」
「基本的にはそうですが、王族の皆さまの気分によっては、大嵐になる可能性もありまして、この場合は気象制御魔法が効きませんので」
「やはり、悪天候時の対応については、一応決めておきましょう」
「雨の降っていないところを歩く…ですか」
「そうですね。その時は屋根のあるところを歩くことになるでしょう」
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