第52話 *空間力量
消えた者が端末さんに情報を送信したと言っていたが…、目の前にいる球体はなんだろうか?
さっきまでなかった、それは、ふわふわ浮いている。
「私が後任であります。とは言いましても、こちらにおられる端末さんと同じようなものですので、本体はコア・ブレインとなります」
「お、お願いします」
球体かの声だと分かっているものの、先ほどと違い声というより音?という感じで、聞き取りづらい。
「失礼しました。音を出すのは簡単なのですが、声を出しましょう」
球体に、口が現れた…バレーボールのように白いボールに赤い口が現れるという、非日常的な、それでいて不気味なものになってしまった。
しかし、それに対応する行動は起きずに、説明が始まってしまった。
「前任者から聞いております。この世界において転生によって強度が強い魂を持つ者がいるのか…という答えに関しては、“いない”こととなっています」
「実際のところは…秘密ですか」
「魂には、系統というものが存在しています」
「系統?」
「系統とは、最初の魂が持つ性質のようなものです」
さっきの質問から内容が逸らされているようだったが、それに異を唱えられずに流されるしかなかった。
「最初の魂とは?」
「そもそも、魂とは空間に満ちた力量…すなわち空間力量が集約されたところに突然生じる意思のようなもので、個としての核が魂となっています。ですので、いわゆる星というものも空間力量の集約点であることから、意思があれば、それも魂そのものと言えます」
「星ですか?」
「はい。ただし、前任者が言ったように、星を形作る様々な物質は、肉体と言えるため魂の格は高いものではありません」
「普通の星にもいろいろあると思うのですが」
「全ての星が体格という名の個体をもっているかどうかは、系統図を見れば分かります」
「系統図?」
「先ほどの話の通り、最初の魂が持つ性質によって系統が異なります。現在、最初の魂と言える存在は、約110個です。ここから、空間力量の多少によって最初の格が違うものとなります。初期の魂とその後の魂では、空間力量に大きい開きがあり、空間力量が大きいと系統全体が大がかりなものになります」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます