第24話 面倒くさい者の矜持
王子さまへの第一声は、やっぱり同じだった。
「面倒くさい」
侍女(前回の侍女とは違う)から、王子さまの説明をして、先生の方からの自己紹介などをお願いした結果が…これだ。
ところが、王子さまが怒りだした。
「僕に向かって、面倒くさいと言うなら、帰れ。僕も面倒くさい」
先生がまた、あの言葉を言うと思っていた王子さまと侍女は、次の言葉に驚いた。
「その面倒くさいは、他人に向けて言うことではない。面倒くさいと言う対象は、自分であって、他人ではない」
何が何だか分からない。
そんな顔をした王子さまだったが、侍女は分かったらしい。
結局、その面倒くさい人は、それ以上を話さずに、元の世界に戻っていった。
一体、何しに来たのか分からないまま。
もちろん、召喚によって来たのだから、それを問うのは、お門違いなのだが。
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