第20話 興奮状態の侍女

 その意味を聞いた王子さまは、あからさまに身体をびくっとさせて固まった。

 その状態を先生と侍女は見てしまったが、2人の考えたことは違った。


 先生は、何か悪いことをしてしまい、それを隠していたけれど見透かされたと思ったのだろうと思った。

 侍女は、王さまがいつも見ていることだと考えた。


「すごいです。今の状況が正に、そんな感じです」


 侍女は、ものすごく感動したのか、先生の両手を取って強く握って、顔を近づけてきた。


「そ、そうなのですか?」

「ええ」


 先生は、侍女の突然の行動にびっくりしてしまい、顔を近づけてきたことに動揺してしまっていた。

 自分の顔が、火照っているのを感じながら。


「ち、近い…」

「あ、失礼しました」


先生のつぶやきに、侍女はその状況に気がつき、慌てて顔を遠ざけたが、その代わり両手をさらに強く握ってしまっていた。

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