第18話 ことわざ大好き先生登場

 翌日に召喚された先生は、本職も先生だった。

 しかも、専門は国語という科目。

 ただし、本人は国語というより、言葉を研究する学者になりたかったらしく、“ことわざ”というものが面白いと言い、王子にも勧めてきた。

 しかし、王子は勉強が嫌いだ。

 これは、大変だ。


 いつもの通り、王子さまの待つ応接室へ案内しながら、いくつか話を聞いた上で、


 「勉強が嫌いですか。ことわざを知れば、少しずつ好きになっていくと思いますよ」


 すごい自信だ。

 王子に、そこまで言うとは何を話すのか、想像もつかない。

 しかし、ことわざに興味を示したのは、王子ではなく、王子の身の回りの世話をしている侍女だった。


「王子さま、先生のお話を聞いてもよろしいでしょうか?」

「好きにすればいい」

「ありがとうございます」

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