第11話 初めての先生の帰還

 王子さまを夕食のための場所に侍女が連れて行き、近藤君は、召喚の間の隣にある送還の間から、元の世界に戻っていった。

 王子さまと再会することを約束して。


 近藤君は、送還の際に金貨をもらうことを拒否したので、報酬として、好きなスキルを2つ選んで良いとしたら、本が早く読めることと、その理解が進むことの2つを言ったので、少し考えて、速読術と読解術の2つを付与した。


 今まで持っていない技術を与える時、突然の付与で混乱しないように、付与のレベルは最低の1として、使えば使うほどレベルも上がる、能力もあがると説明。

 レベル上昇加算(弱)も、おまけであげて、送還されていった。


 召喚と送還は、元の世界では時間の隙間なく行われるので、他人が、それに気がつくことはないし、こちらにどれだけいても、年を取ることはない。

 だから、何年いてもいいし、場合によっては、こっちに住み着いても構わない。

もちろん、そのときは辻褄あわせで、私が召喚元の世界に行き、工作が必要だろうけど。


 何はともあれ、最初の召喚はうまくいき、王子さまは、初めての友だちを得ることになったのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る