軽自動車の税金は安い

 私が乗ってるのは軽自動車。しかも4ナンバーの貨物登録だから税金が非常に安かったりします。前に乗ってたアクティバンも納税の時期に軽自動車税が安くて感動したなぁ。RAV4(2000㏄)からの買換えでアクティバン(軽貨物)だから大きかった。なんと自動車税が¥39500から¥5000に! 約8分の1ですよ。


 軽自動車の詳しい事はウィキペディアを参照してもらうとして、

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%BD%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A


 軽自動車の起源は1955年、通商産業省の国民車構想からです。要するに経済成長の為に国民みんなが乗れる車を作りましょうって奴です。それで生まれたのがスズキ自動車のスズライトとか富士重工のスバル360ってところ。国民に広く普及させるために税金は安く、当時は車検も無く、本当にお手軽な小さな車は高度成長期を縦横無尽に、時には故障しつつ走り回った訳です。


 妙に税金が安いのはその頃の名残ね。スバル360なんて今見るとビックるするくらい小さくて可愛い(長さ3.00m、幅1.30m、高さ2.00m)昔の小さな車で小さなエンジンだから本当に移動のための最低限の装備しかない。そんな車だったから16歳から免許を取って乗れる『軽免許』が有ったりしてね。当時は中学校卒業で就職とか多い時代だったから、中学を卒業して暫くして軽自動車免許をとって、仕事で軽トラを運転するみたいな事が多かったそうです。


 軽自動車が普及して台数が増えて行くにつれ、車検が無い事から故障やそれが原因の事故などが起こる様になったみたいで(これは整備士時代に定年前の検査員から聞いた。今生きてたら80歳オーバーかな?)1973年10月から車検制度が始まり、74年から重量税納付が義務付けられたりとだんだん自動車扱いされるようになって行きました。


 で、1976年に排気ガス規制が行われ、今までの2ストロークエンジンでは排気ガス対策が難しいので、排気ガス対策をしやすい4ストロークエンジンに移行しました。ところが理論上4ストロークエンジンは2ストロークエンジンの半分くらいしか力が出ない。そこで排気量は360㏄から550㏄に拡大してパワーダウンに対応しました。ごく一部に2ストロークエンジンが残ったけど、大半が4ストロークエンジンになりました。ここで安全基準も見直されたのかな? 車体が少し大きくなりました(長さ3.20m、幅1.40m 高さ2.00m)


 で、技術は進んで軽自動車はどんどん豪華に快適になり、この頃は貨物登録のボンネットバンブームが起きたのかな? アルトワークスやマイティボーイ、ミラやトゥディなんて出たけど、まだまだオモチャみたいなクルマが多かった。


 でもって1989年。ウィッシュの祖父ちゃんが消費税を作ると共に自動車物品税が廃止。ここから貨物登録のメリットが少なくなって乗用登録車が増えました。翌90年には規制が強化されて(3.30m 幅1.40m、高さ2.00m)全長が10センチ伸びました。バンパーが大きくなってスタイルが伸びやかになった車が多かったなぁ。エンジンも660㏄未満の電子燃料噴射になったりしてグンと車らしくなりました。これが俗に言う『旧660規格』ってやつね。この頃は好景気も有ってマツダAZ-1・ホンダビート・スズキカプチーノなんてスポーツカーが出たり、スバルヴィヴィオが4気筒16バルブツインカムスーパーチャージャーだったり、ミニカダンガンが5バルブDOHCだとかで百花繚乱って感じでした。個性的な車がバンバン出たね。


 この頃から軽自動車が立派になって普通自動車と変わらなくなってきた感が出て来ました。


 今の軽自動車の規格になったのは1998年かな? 京が乗っていたアクティバンはここで登場したんですね。安全基準が普通車並みになって車体が大きくなりました(長さ3.40m、幅1.48m 高さ2.00m)値段も普通車並みになっちゃった。エンジンが660㏄なのがハンデだけど、1000㏄のダウンサイジングターボと思えば実質昔のリッターカーと変わりがない感じがします。だから今の立派になった軽自動車を見て『軽自動車は優遇され過ぎ』って思う人が多いんだと思う。


 国民車構想の名残で税金が安くて優遇されてるって感が有りますね。制度が安全対策や車体の進化に追いついてない気がします。


 ……というのが桜雪さんのエッセイ『点検とはなんだ』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881647371/episodes/1177354054890447214

の最後の方に書いてある軽自動車が何故優遇されているかに対する私なりの回答です。


 今回は少し難しいお話でした。比較用にサイズがどの様に変わったか載せておきますね。大昔のスバル360の時代より長さ40cm・幅18cm・排気量300㏄増えています。ずいぶん大きくなったもんだ。


360㏄ 規格 長さ3.00m、幅1.30m、高さ2.00m 最大積載量350㎏ スバル360等

550㏄ 規格 長さ3.20m、幅1.40m 高さ2.00m 最大積載量350㎏ スズキアルト等

旧660㏄規格 長さ3.30m 幅1.40m、高さ2.00m 最大積載量350㎏ ワゴンR等

現行軽規格  長さ3.40m、幅1.48m 高さ2.00m 最大積載量350㎏  N-VAN等

ホンダS600  長さ3.30m、幅1.40m 高さ1.20m 

※ホンダS600は360㏄規格当時の小型乗用車

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