プリウス、そこ21世紀違う! 走ったらアカン場所や!

 まず最初に、私はトヨタプリウスは面白い試みが成功した車だと思っています。電動モーターのアシストでガソリンエンジン車の欠点を補い、ガソリンエンジンで電気自動車の弱点を補う。これを実現したトヨタの技術力や開発力は素晴らしいと思います。何かを作り出すって大変な労力ですよ。


 だからこそ厳しい事を書きます。プリウスに一言物申す。


 プリウス(アクアとかその他ハイブリッドカー含む)が好きか嫌いかで言えば嫌い。乗りたいか乗りたくないかと言われると乗りたくない。プリウスが出す二酸化炭素は少ないけれど、バッテリーに使うレアメタルを採掘するのに使った重機や運ぶ時に使った輸送手段が出す二酸化炭素もトータルして考えると果たして本当に二酸化炭素が削減できているのかと疑問に思っています。


 まともに駐車出来ない奴が多いとか、トロトロ追い越し車線を走る奴が多いとか、逆にとんでもないスピードで煽ってきたりとか、高速で路肩を走るとか、交差点にあるコンビニを利用して信号をショートカットしてる奴が目立つとか、信号待ちをしてると右折レーンから追い越して行くとか、燃費重視のクルマの癖にデカくて太いタイヤで走ってるわ……まぁそんな事をしてるのが目立つって意味で、私はなるべくプリウスに近付かない様にしています。


 『環境に優しい』ってのを免罪符に傍若無人過ぎる輩が多い。その中でも一番危なくて近付きたくないのが高齢ドライバーマークのプリウスだっ! 特に銀色と白。


 決してトヨタ自動車やプリウスを馬鹿にしている訳ではないと先に言っておきます。プリウスはエコか否かは別として、大変先進的な新しい乗り物です。


 ハイブリッドカーの草分け的存在であるトヨタプリウス。『他人が叩いて渡った石橋を後から付いて行って渡る』なんて言われるトヨタが珍しく『この道を行けばどうなるものか、行けばわかるさ何事も……』とばかりに先陣を切って出した珍しいクルマです。確かキャッチフレーズは『21世紀に間に合いました』でしたっけ? 出た当初は変な車にしか思えず、まさかここまで売れ続けると思いませんでした。


 決して格好良いとは思わなかったけど、スゲーって思った。


 トヨタって保守的な車作りをするけれど、たまにブッ飛んだ時代の先端を走る車を送り出す面白いメーカーだと思っています。


 で、21世紀に間に合ったプリウスですが今や道路を走るミサイルと化してコンビニや通行人、その他諸々の突っ込んではいけない所に『1・2・3……ダーッ!』しております。21世紀に間に合ってくれたはいいんだけど、勢い余って突っ込むんじゃねぇやって感じです。『年寄りマークを付けた銀色のプリウスには近付きたくない。本能がそう言ってる』と私の知り合いの運転手が言ってました。


 以下は私の個人的見解です。もちろんこれ以前も個人的見解だけどね。


 電車みたいな音を立ててスイ~っと走るプリウスは老い先短い老人から見ると非情に未来的な乗り物に見えるんだと思います。ほら、年寄りって冷蔵庫でもエアコンでも銀色に弱いじゃない。銀色のプリウスなんて近未来よ、近未来。そんな近未来の乗り物は20世紀に置いて行かれた高齢ドライバーと拒絶反応を起こしてあちこちで突っ込んでいます。


 ボケ老人ならぬツッコミ老人。笑えねぇよ。


 どうして老人はプリウス乗りたがるのか? マークⅡとかクラウンに乗ってた人がプリウスに買い替えたので何でか聞いたんですよ。そしたらこんな事を言ってました。


「プリウスやったら買い替えても恥ずかしくないかなって」


 恐らくクラウンやマークⅡに乗っていた老人たちが車を乗り換える時に『もう少し小さ目な車、でも乗っていて恥ずかしくない車で』みたいな事を思ったんじゃないかな? 老人たちの世代って小さな車に買い替える事を『恥』とか『負け』と思っている節があって、それでも買い替えて恥ずかしくない車として見えたのが今までの価値観をひっくり返す未来のクルマ、プリウスではないか……と。


 メーカー小売価格は250万円ってところですか。車格の割に高いな。マークⅡやクラウンから乗り換えても見た目は安いんだか高いんだかわからんし、全幅が1.7メートルを超えるから、3ナンバーの(一応)高級車に分類されるのかも。ハイブリッドで車両価格が上がった元が取れるかどうかは別として、消費燃料は少ない。『燃費が良いから買った』と言えば周りも納得するクルマではある。


 本当にエコを追求するなら前面投影面積を減らすためにも5ナンバーサイズに納めてみやがれってんだ。


 とにかく老人は視野が狭くなる。目もそうだけど考え方に関しても視野が狭くなるって言うか目先の物しか見えなくなっているように思う。燃費が良いと言ってもカローラとか普通のセダンとの価格差をガソリン代で埋められるほどかな~とか、元が取れるほど距離を走るのかな~とか、私は思う訳ですよ。


 多分元を取る前にドライバーの寿命が……これ以上はやめておこう。


 え? じゃあお前は何で買わないのかって? いや、うちにもプリウスじゃないけどハイブリッドカーが在るのよ。親父が買った『トヨタアクア』ってのが。乗ってる本人がガソリンを食わないからご満悦なんだけど、私に言わせると「何このクルマ?」なんです。だって、車体の値段のわりに乗り心地は悪いし、前のタイヤはやたら擦り減るし、ルームミラーから見る後方視界は決してよくない。


 純粋に乗り心地や操縦安定性を車として見ると、同じ値段のハイブリッドではないクルマより良いかと言われると……う~ん……。


 エンジン音が聞こえないから動くんか動かんのか解らんし……そう、常に動くんか動かないのか、全然解らん状態なのよ。


 40代の私でも『これ、今動くんか?』みたいな状態で混乱するのに、父が動かすと「あ、今動くと思って無かったやろ」みたいな状態になってます。何回か急発進後に急ブレーキしてるのを見ました。多分だけど、アクセルを踏んでも動かずガチャガチャとレバーやらスイッチを動かしているうちに急に動いたんだと思います。スイッチを弄ってる間もアクセルペダルから足を放していなかったんでしょう。言うと怒るから言わんけど、見ていてハラハラします。


 まだアクアはマシな方。現行型のプリウスはシフトレバーが近未来が増してR(後進)・N(ニュートラル)・D(前進)それとエンジンブレーキのBしか無い。しかもレバーはスイッチみたいなものでどこに入れてもレバーは元の場所に戻ります。


 つまり、レバーを見ても何処にシフトされているか分からない訳です。これってどうなんでしょう。私が乗っていたバスはマニュアルの6速ミッションだったんだけど、シフトレバーの位置で何速に入っているか分かりました。現行プリウスはシフトチェンジのあとでレバーが戻るからそれが出来ない。大型バスのエアシフターみたいだなって思いました。つまり、今まで普通の車に乗ってた人には馴染みが無いって事です。


 ついでに言わせてもらうと『B』が紛らわしい。プリウスの『B』は通常のオートマチック車の『2レンジ』で、坂道でエンジンブレーキを効かせるためのシフトポジション。つまり前進です。『B=バック』と思ってレバーを動かしてアクセルを踏み込むと前進してしまいます。そこで慌ててブレーキを踏んだつもりでアクセル全開となれば……あとは言わんでも解りますよね?


 これは非常に戸惑います。普通のクルマと違い過ぎて若い者でさえ戸惑うのに、タダでさえ新しい物に対応できない年寄りが操作ミスを起こす原因としか思えません。


 でも、不思議な事に事故を起こしているプリウスは旧型が多い気がする。もしかするとシフトレバー以前の問題かも。やはり高齢化による身体機能・判断能力・適応力の低下が原因かな?


 プリウスは面白いクルマだと思うんだけど、やっぱり年寄りには旧来のクルマの方が良いんじゃないかなぁって思います。確かにプリウスは21世紀に間に合ったけれど、運転する方が20世紀においてきぼり。もう少し20世紀生まれに歩み寄って欲しい所です。


 そして、高齢ドライバーに言いたい。


「見栄を張ったり無理をして未来の車に乗ろうとしないでください。操作しやすいクルマに乗ってください」

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