第98話【作品の出来は見た目や素材ではなく作者の思いである】

 宙を美しく舞うペコリーノが貼り続ける事……数分後――――


 MCまかいちゃん『お~っと!ここで、〝ペコリン〟の鬼高速採点が終わったようです!』


 採点終了のアナウンスと共に、会場前方にある大型モニターから〝名前〟〝作品〟が映し出された。


 ⑥〝崩星のノーメン〟作品名-〝愛情たっぷり♪胸のハートであの子のハートも撃ち抜け!!〟70点


 ⑤〝麗美のレミリ〟作品名-〝私こそ美の原点であり頂点としか言いようがない〟79点


 ④〝無極のシャゼ〟作品名-〝THE・芸術アートソウル〟84点


 ③〝影武者を助けた名無しの男〟作品名-〝題名無し〟97点


 ②〝豪鬼のテンザ〟作品名-〝愛した君を忘れない〟99点


 ①〝赤骸のムラサメ〟作品名-〝幻の珍獣泥んことかげ夫婦を贅沢に再現〟100点


 まさかの百点に加えて、までもが上位に食い込む波乱の展開となった。


 流石の現役死天王も大量の汗をかいたのか、30時間掛けたメイクは悲惨となっており、顔面土砂崩れとなっていた。


 厚く林檎の様な口紅は耐水化粧品ウォータープルーフではないため、下にいた参加者に血の様な雨を降らしている。


 最後にペコリンからの総評


『今回のテーマである〝大切な人に捧げる珠玉の編み物〟……誰かを思って作られた物程、神々しいものはないわ。無事に死天王に選ばれても、その気持ち――――忘れちゃダメよ?』


『みんなの力作を見たら創作意欲が湧いたわ!!』と、言いながら背中の両羽を雑に引きちぎると、何処かへ飛び立ってしまった……


『『『ワアァァァァァッッ!!!』』』


 何故か会場中がペコリーノを崇める様に大歓声を上げて見送った。




 ※後に解った事だが――――makapediaマカペディアで調べた結果、何と失格者が出た……


 ⑥位-崩星のノーメン、


 ①位-赤骸のムラサメ、である泥んことかげを討伐+加工したため。


 以上の事を踏まえて、順位繰り上げとする。


 Next―――― 第二次審査〝潜在能力診断〟


【入院中の我が妻ユリシャへ 今、欠けた死天王の選抜をやっている。終わり次第、フレデシカを連れて見舞いとやらに行こう。ん?ペコリーノはどうした?あぁ、性別を越えた代償に天に召されたよ】

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