第70話【石橋など己の拳で叩き割れ】
ユリシャの左手には、天井まで届くであろう大量のお土産、右手には愛する我が子のフレデシカ。
1300mmの妃様は2mの我が子を連れて三人組に話しかけた。
『すみませんが、私達以外、人がいなくて……お会計してもらえますか?』
すると、三人組の1人が笑顔で答えた。
男は背の高い方が母親だと思い、ユリシャ妃に目を合わせず、フレデシカのあまりの美しさに見とれてしまった。
『これは失礼、話に夢中になるあまり素敵な女性に気付かなかった。この覇将ペゴッ――――』
竜蔦ベライザは、思わず名乗りそうになった覇将ペコリーノを、拳骨でねじ伏せると一般の客には構ってられないと思い、適当に答えた。
『あ~奥様ごめんなさい~。実は私達も
すると、フレデシカは何かに気付いたのか三人を指差して言った。
『ママ上~この人達もしかして、さんじゅっ――――』
魔王城の最高警備を任されている、直属の兵士が幽怨血など行ったとあれば信用にかかわる――――そう思った〝覇将ペコリーノ〟は、フレデシカの口を毛深い腕で塞ぐ手段をとった
。
ユリシャの頭上で繰り広げられる、愛娘への暴行に母として怒りを露にした。
『あなた――――娘に乱暴は止めてくださる?』
そう呟き、光の早さで
一瞬の出来事だが風圧により、店内は局所的な嵐にでも巻き込まれたが如く散乱している。
『ほぅ、女性とて甘く見ていたが、その動きと威圧感は、我が敬愛する〝
偉そうに告げるペコリーノは、愛刀である〝秘刀セブラティール〟が無いため、子ども用の音と七色に光る〝
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます