フローラのお手紙(二)
[そして私たちの自宅でホームパーティーを主催した時に、トムが他界してしまったことを知ってしまったエリー。そのショックが強すぎるあまりか、後に彼女は
一方ようやく癒えかけていた香澄の傷も、エリーからきつく責められてしまったことが原因でその傷口が再び開いてしまう。こう聞くと無責任に聞こえるかもしれないけど、香澄のことはもちろんだけどエリーの気持ちも分かる――だからこそ、あの時私はエリーへ何も言い返すことが出来なかったの。
しかしそのことが原因で香澄の心身は少しずつ疲労が蓄積されてしまい、ついには解離性同一性障害と夢遊病を
幸いなことに香澄もエリーと同じように、自分自身の意志で前を向きながら歩くことを選んでくれた――香澄は自分のことを弱い女性と考えているでしょうけど、私はむしろあなたのことを誰よりも強い女性だと思っているわ。
私がこの場で理由を取り
本来なら私たち夫婦だけで解決しなければいけない問題に、香澄を無理矢理巻き込んでしまった。挙句の果てに、一途に夢を追い続けていた香澄の心を深く傷つけてしまうなんて――あなたにとって私とケビンは、ある意味最低の夫婦かもしれないわね。
仮に私たちが香澄へ今回の一件を依頼していなければ、あなたは今頃大学院へ進学出来ていたことでしょう。そして結婚を前提に素敵な彼氏と付き合う、もしくはすでに結婚していてもおかしくないわ。
そんな誰もが夢見る青春を
でも心優しい香澄は“それはフローラたちの責任ではありません”と言ってくれるかもしれないけど、今回の一件においてあなたは何も悪くない――それだけは忘れないでね]
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