風雨の吹き荒れる空も、日差しの降り注ぐ空も、この優しい窓から眺めよう

複数の悩める女性たちを主人公にしたオムニバスドラマです。

職場でうまく立ち回れない春菜。
同性の同期に歪んだ想いを抱く美雨。
夢に向かって田舎から上京した夏希。
離婚してお一人さまに戻った雪絵。
スポーツ推薦なのに選手生命を断たれた早霧。
そして、友達の背中を追って努力する小晴。

季節や天候を名前に冠した彼女らは、移ろいゆく日々の中、迷いながら自分の人生を進んでいきます。

それぞれの抱える想いや乗り越えるべき問題が、心の機微を見事に掬い取る心地よい筆致で綴られ、どの主人公にも共感を覚えました。
新たな一歩を踏み出した春菜の店へ、導かれるように彼女らが集っていく展開は、人と人とのつながりの尊さを感じて胸が温まります。

店の大きな丸い窓が視覚的にも印象的で、そこから晴れの日も雨の日もある人生模様の空を眺めるという、物語のエッセンスを映した情景がありありと脳裏に浮かびました。
外がどうであれ、いつもと変わらない穏やかな居場所があるという安心感もまた、あたたかな読後感につながります。
彼女たち全員の明るい未来を、自然に祈りたくなりました。とても心に沁みる物語でした。


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