35、全機、発進せよ!

 時   二〇二五年十月十九日(日)午後

 場所  地球防衛軍関東師団宇宙防衛隊入間基地



 広大な離着陸ポートに、地球防衛軍宇宙防衛隊コマンドと検警特捜庁全検警特捜局特務部の混成部隊、『特務コマンド』のステルスヴィークル編隊が待機している。中央に指令機のローター・ジェット・ステルス戦闘爆撃ヴィークルがいる。


 総司令官の本間は指令コクピットで、ディスプレイの隅の情報衛星センター所長へ視線を移した。東亜重工M工場とM宇宙航空研究所の全施設はシールドされ、情報収集衛星の探査波を遮蔽し、内部探査不能だ。

「ミサイル発射サイロを探せ」

 検警特捜本局特捜本局長、法務特捜官の本間は、今回、『特務コマンド』の総司令任務を与えられている。


「わかりました・・・」

 情報衛星センター所長の返答とともに、東亜重工の全体映像が工場各部に変わった。離着陸ポートの工場から最も離れた端に、直径三メートルほどの円形金属反応がある。数は二十メートル間隔で十個だ。映像が拡大した。ポートの外れの、身の丈ほどの雑草の区間がディスプレイに現れている。


「雑草の下にサイロの鉄蓋があります。

 局長。命令に従い、施設へ立ち入るべきです!攻撃されれば反撃できます!」

 指令コクピットの佐伯が言った。佐伯は混成チームの指揮任務を与えられている。

 奴らが亜空間転移して逃亡すれば、我々クラリックのディーコン位は、アーマーのクラリック掃討作戦から締めだされる。我々GPM(グランド・ピース・メーカー)はアーマーと同思想なのに・・・。


「佐伯君、作戦開始だ!所長、内部探査を続行してくれ。

 全機に告ぐ!これより東亜重工M工場と宇宙航空研究所の捜査査察を開始する。全機、発進せよ!攻撃されたら、迷わず反撃しろ!」

「了解しました」

『特務コマンド』のステルスヴィークル編隊は発進した。

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