闇紅色の戦乙女

第111話 平和なんか大っ嫌ぃ!



「ほら、桃?早よせんと遅刻してまうよ?」


「お姉ちゃん、ちゃんと鍵かけてねー?」


「あ、ちょっ待って!今行くから〜!」




 私の名前は姉賀 命。

 今年から中学生になった、ごくごく普通の魔法少女女の子


 二年と少し前、ダークネス?とか言うスっごく悪い怪人に日本の半分が壊されて、世界中の魔力的才能を持つ人の殆どが殺されちゃう事件があったらしいけど。

 実は私もその時、ダークネスに殺されちゃったんだって。て言っても私は目が覚めた時、自分が誰かも、まして私が魔法少女だった!?なんて事も、なぁ〜んにも憶えて無かったんだけどね。。。


 まっそのお陰か、今ではこうして元気にの魔法少女やってます♪




「まったく、本当に桃はしゃーないなぁ♪みこちゃん、あーちゃん?桃お姉ちゃんのあぁいうダメダメなとこは、絶対真似したらアカンよ?」


「フフ、分かってるよ雪乃お姉ちゃん。ねぇ〜♪あーちゃん」


「ぅ、ぅん。。。」




 この眼鏡スーツがとても似合ってお胸がものスっごくおさんなお姉ちゃんは、雪乃お姉ちゃん♪

 ダークネス事件の後、その残留魔力残り香で魔力の無い人間が入れなくなったこの元日本土地に、魔法使い(魔力的才能に目覚めてしまった人間)の為の組織。


『新魔法協会』を創って、魔法使いの保護と独立を世界に宣言した私達のスっごいお姉ちゃん♪


 で、こっちの私の右腕にムギュッ♡ってしてる可愛い子は、阿菫あすみちゃん。私の可愛ぃ自慢の妹です♪

 あーちゃんは見ての通り、ちょっぴり人見知りで恥ずかしがり屋さんだけど、実はこの可愛いさですでに世界の序列20位以内ダブルナンバーズに入る実力派の魔法少女!ただ可愛い甘えん坊さんなだけの妹じゃ無いんですよ♪




「ごめんごめん、お待たせ」


「ほら、桃!襟がおかしなことになっとるよ?まったく」


「グエッ!雪乃、苦しぃ。。。」


「ハイハイ♪」

「アッハハハハ♪」

「フフ♪」




 で、遅れてやって来たお寝坊さんで普段はちょっぴりダメダメなお姉ちゃんが桃お姉ちゃん♪

 あのダークネスを死闘の末に打ち倒し、世界を救った英雄。現世界序列一位にして私達の魔法学校で魔法の先生もしてる最強で最嬌な私達の自慢のお姉ちゃんです♪




「あぁ、そうそう。みこちゃん?

 一昨日あーちゃんと同じ初等科の男の子のおを、みこちゃんが思い切り蹴り上げた破壊した。なんて報告を聞いたんやけど、なんでそないなことしたん?

 しかも追い打ちに阻害魔法レジストまで掛けて。相手の子、回復魔法が効くまで小一時間地獄を見たらしいで?」


「あ、それは、えっと。アハハハ、バレたか。。。」


「もぉ!みこちゃん?

 下の子には優しくせなアカンて、いつも言うとるやろ?それにみこちゃんかて世界序列位の魔法少女なんやから、こういう小さな問題でも各国が挙って五月蝿く突いてくるんよ?」


「そうだよみぃちゃん、雪乃に迷惑かけちゃダメよ?」


「ごめんなさい。。。」


「違うの雪乃お姉ちゃん、桃お姉ちゃん!みこお姉ちゃんは私の」


「あーちゃん、良いって!」


「みーこーちゃーん?お姉ちゃんになんや隠し事?」


「そうだよみぃちゃん、お姉ちゃん達に隠し事はダメよ?」


「もぉ、分かったょ。。。あの子ね、あーちゃんのスカートを捲ったのよ、私の目の前で。。。

 あーちゃんの猫さんを見ても良いのは私だけなのに、幾らスパッツ履いててもムカッ!!!と来て、それでつぃ。。。。。」



「雪乃お姉ちゃん、みこお姉ちゃんはあすみの為に怒ってくれたの。だからみこお姉ちゃんを怒らないであげて?ね、桃お姉ちゃんも、ぉ願ぃ。。。」


「そうだよ雪乃、あーちゃんのスカートを捲るなんて許せ無いわ!だからもう怒らないであげて?」


「あーもう分かった分かった。せやけど、これからは魔法少女の代表お手本として、もっと自重する様にな?」


「はぁい」


「。。。ところで桃?桃は今、ウチとみこちゃん。どっちの味方してくれてたんやろか?♪」


「へ!?」


「そうだね雪乃お姉ちゃん。。。桃お姉ちゃん、さっきコロコロコロコロ態度変わってたね♪」


「え!?」


「桃〜!桃はウチとみこちゃんどっちが大切なん?いつもいつも都合良くはぐらかして!今日こそはハッキリと表明してもらおか!」


「そうだそうだ!」


「えーーー!?。。。あーちゃん助けて!」


「わ、私はみこお姉ちゃんが一番、好き。。。だから」


「アァン。。。あーちゃんにフラれてしもうた。。。。。桃、桃はウチのことが一番好き、ゃろ?♡」


「あ、わ、私は。。。雪乃が一番」


「あー!!!雪乃お姉ちゃん、魅了魔法チャーム禁止!!!桃お姉ちゃん?ぉ姉ちゃんはみこのこと。。。嫌ぃ?」


「な、そんなワケ!わ、私は、みぃちゃんが一番。。。」


「みこちゃんかて、涙目の上目遣い禁止!!!もぉ!みこちゃんは、あーちゃんがおるからええやろ?」


「え〜♪あーちゃんソレあーちゃんソレお姉ちゃんコレお姉ちゃんコレだょ♪」


「みこちゃんのいけず〜!な、桃はウチが一番やんな?」


「お姉ちゃん♪お姉ちゃんは、みこが一番でしょ?」


「桃お姉ちゃん。。。あすみは?」


「え!?あーちゃんまで?。。。あーもう!選べなぃょ〜〜〜〜!雪乃助けてぇ〜」


「アッハハハハ♪」

「フフフフフ♪」

「フフ♪」



「モォォォォォ!皆イジワル〜〜〜〜!」



「やれやれ、毎度毎度この四姉妹は朝からイチャイチャと。。。」


「肯定。イチャイチャは私と刹那姉様の様に、お家の中で隠れてするもの♡」


「な!!!二颯シーーー!」


「あ!刹那、二颯ちゃんおはようさん♪」


「今日も仲ええなぁ♪」


「フン、雪乃達にだけは言われたく無いわよ!」


「「「アッハハハハ♪」」」




 今日も何処かで、魔法少女は悪の怪人と闘っている。

 人間が消えてなくならない限り、魔法少女や怪人魔法に目覚める人間は居なくならないし、私達の闘いは終わらないのかもしれない。。。だけど雪乃お姉ちゃんが目指してる様に、魔法少女私達も闘って無い時はこうして笑いあって、使命だとか全部忘れて普通の女の子と同じ様に青春を送ってもいいんだって私も思う。


 魔法少女が、ただの女の子としても居られる世界。。。


 そんな平和な世界が、いつか本当に実現出来たら良いのに。。。な。








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