第101話 片手ダンプなんか大っ嫌ぃ!



 。。。みこは、魔法少女が嫌ぃ。




『不可侵の絶対領域(アブソリュートインビジブル)』




 みこの眼下でバチバチと眩しウルサかった紫色ハエ稲光姿が、上からスッポリ布を掛けるように消えて行く。。。視的にだけじゃ無い、音も気配も魔力も、今度の紫色ハエは完全にみこの前から姿を消した。




「ヒヒヒヒヒヒ♪さぁどうするロリッ娘?

 右かな?左かな?それとも後ろ?おっと!ヒヒ。残念、ハズレだよ♪

 どうだい、本気のボクの魔法は?怖いかい?怖いよね?当然さ♪ボクのこの魔法サイレントキリングは、これまで一度も破られてはいなくてね?

 だからさ♪ロリはロリらしく、見えざる死の恐怖にお漏らしとかしちゃっても全然恥ずかしくなんか無いと思うよ?♪イヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」


「チッ。。。」


「ヒヒヒヒヒヒ♪安心しなよ?大丈夫さ♪痛いのは一瞬初めだけ

 何てったって気付いたお漏らししちゃう時にはもう♪キミなんかとっくに死んじゃってるからね♡ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ♪」




 せっかく目障りが消えたのに、体育館に居るみたいに耳障りな声が響いている。。。あっちからもこっちからも、姿は見えないのに気持ち悪い羽音が何匹もいっぱい居るみたいにスゴく五月蝿いムカつく



「。。。ウザ」



 それにさっきから、無詠唱の雷魔法小さな紫電の龍色んな方向からバチバチッと飛んで来る。。。ダメージは無いけれど、当たると予防注射位にはチクッ!てするから余計にイラつく!




「あぁもう!イライラするなぁ!!!何とか言ったらどう?

 キミのそういう生意気な処が気に入らないんだよ!ロリのクセにスましやがってさ!少しはロリらしく、ピーピー泣き喚きでもすればまだ可愛げがあるものを」




 。。。みこは、澄ましてなんかない。


 みこは、楽しく無いから笑わない。

 みこは、哀しく無いから泣かない。


 ただそれだけ。だからそんな勝手な価値観を押し付けられても、迷惑でしかない知らない。それにイライラしてるのは、みこの方だもん。




「『迸れ雷よ!我が身は止まること無き紫電の雷龍、我が爪牙に貫けぬ者は無し!!!紫電絶槍(アメジスト・グングニル)』

 ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ♪」




 そのキモい笑い声は、自分の勝った姿を確信想像していたのかも知れない。薄気味悪く、気持ち悪く、聞いてるだけで吐きそうな位、みこはイライラした。。。




「ヒヒヒヒヒヒ♪アレアレ〜?障壁バリアを解いたりして、どうしたんだいロリッ娘?もしかしてボクの無敵な魔法を前に、潔く観念でもしたのかい?♪。。。だったらお望み通り!一瞬で貫いてアゲルよ!!!」


(バリバリバリ!!!)




 と轟く雷鳴。。。みこはね、雷も嫌ぃ。




「ヒヒヒ。。。ハ?な!?なんで。。。う、嘘だ!コレはボクの最速最強の一撃魔法なんだぞ!!!?それがこんなロリごときに止められるワケが。。。」




 だって雷は、触るとピリッ!てするから。。。



 そう言えば、魔法少女は片手でダンプカーを止められるらしい。みこはヤった事無いけど、片手ダンプが出来るのなら魔法少女ハエの突進位、人差し指一本で充分かな?って、思っただけ。

 みこは全然、調子に乗ってるウルサイ紫色のお姉さんのチンケな自尊心を粉々にしてあげようとだなんて思って無いよ?♪本当だよ?ただのまぐれだょ?♪ウフフフフフフ。




「どうして!さっきは障壁バリアの上からでも、あんなに簡単に刀が刺さったのにどうして!」


「フフフフフフ♪お姉さん?そんなの簡単だよ♪

 お姉さんのなんか、みこの人差し指にも勝てない粗悪品オモチャ。そういうことなでしょ?フフフフフフ♪」


「ふざけるなよ。。。。。や、止め。放、ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」




 フフフフフフ♪やっぱりみこは、魔法少女なんか嫌ぃ。





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