第95話 ヌメヌメなんか大っ嫌ぃ!




『紫雷ノ光弾(ライトニングバレット)!』


『黒紅姫ノ右拳(みこパンチ)。。。』


『九重ノ白魔弾(ホーリーレイン)♪』


『黒紅姫ノ左足(みこキック)。。。』




 飛んで来るビリビリはパンチして、降って来るピカピカはキックした。牽制程度そんなレベルの魔法なんか、十分いい。。。逃がしはしない、許しもしない。みこはただ溢れ出すこの怒りのままに、お姉ちゃんみこ自身の為に二匹を殺す。。。




「。。。ンフ♪隠れ百合ッ娘フェイカー、一つ提案がございますれば」


「あぁ?何スか会長。命乞いならスミレでなく、『紫電一閃(ライトニングエッジ)!』ロリッ娘にすべきッス、よ!っと」


「命乞い?オホホホ、またまた頭の悪いご冗談を。ンフフ♪

 この如何とも焦らし濡らされるる現状。隠れ百合ッ娘フェイカーとしては、如何に手慰むおつもりで?


 貴女はあの姫をしたい。

 私はあの姫をしたい♪


 となれば私どもは殺し合う仲とは言えど、この一点においての利害は重なるはずでございましょう?いかがですか此処はお一つ、などしてみると言うのは♪」


「共闘?。。。ヒヒ、相変わらずヤることがセコいッスね?♪」


「ンフフフ♪この場合、セコいで無く聡いと仰っていただきたく。して返答は如何様で?」


「ん?まぁイッスヨ?ただし、『天駈けし紫龍の顎門よ、迸れ、荒れ狂え、生きとし生けし尽くを喰らい突け!紫龍絶槍(アメジストランス・ドラゴニア)!』生きていられたら、の話ッスけどね♪」




 真上に上がる紫色の右手聴き覚えのある咆哮

 まるで本物のドラゴンにも見えるその紫電の魔法を、みこは知っている。。。アレはみこのお腹をビリビリと貫いた、アノ時の魔法。みこのお姉ちゃんを消し去ったあの時の、アノ時の!!!!!


(ブチブチブチ!)


 と紫電の龍を叩き潰した右手から変な音がする。でもそんなこと知らない!

 その勢いのままに、みこの『超加速黒紅姫ノ右足(ライトニングスーパーみこキック)』を喰らった紫色の魔法少女悪質ストーカーは、ビルを何本もブチ抜きながら飛んで行った。


 手加減なんかしていない死んでしまえ!!!


 そんな必殺のみこキックが当たる瞬間に見えた紫色コバエの微笑顔が、スゴく不愉快でムカついてみこは止まった。油断とか感慨とかじゃなくて、ただイラッとして止まっただけ。。。




「ンフフフ♪姫様プリンセス?。。。背中がお留守でいらっしゃいますね🖤」


「チッ!」




 けどその一瞬で背後からシュルシュルと巻き付いて来たこの汚い尻尾に、みこの自由は奪われた。

 左のお耳に聴こえる会長怪人ナメクジババアの声と、左の首筋を這い回るナメナメナメクジの感触が気持ち悪い。。。多分魔法妨害レジストをかけてるのかな?動こう殺そうとしても動けない。




「おやおや姫様プリンセス、何故私が貴女様のよく知る眼鏡ッ娘達の得意な魔法を使えるのか?その様な可愛いらしいお顔をされていらっしゃいますね?🖤」




 会長ナメクジはみこの左お耳をレロレロしながら、魔法のドレスに手を入れる気持ち悪い声で囁いて来る。。。みこはそんなこと全然聞いてもないのに、ヌメヌメヌルヌルと勝手にドレスの中に入って囁き掛けて来る!




「。。。イャ!」


「ンフフフフフフフフ♪ココですか?ココですね?姫様プリンセス?そんなにご抵抗期待なさらずとも、コレからたっぷりとその身体疑問お教えお答えして差し上げたく。オホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホホ🖤」




 尻尾が、声が、手付きが、ナメナメレロレロが、気持ち悪い。気持ち悪い!気持ち悪い!!!!!!




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