第79話 涙なんか大っ嫌ぃ!



 閃錦色の戦乙女ライトニング妹好きな姉侍。。。何とか?そう名乗った魔法少女お姉さんは、とても速かった。

 魔力感知をしても追いきれない、障壁バリアを張ってても無理矢理を通される。。。三つ、四つと増えていく痛み。多分この魔法少女お姉さんは、みこが今まで叩き潰プチッ!としてきたどの魔法少女ゴキブリよりも強い速い。。。。。だけど、ソレだけ。



(バキン!!!)


「(ガリガリガリガリ。。。)ねぇお姉さん、みこのこと舐めてるの?」


「クッ!」



 だって、たったの7回。たった13ヶ所斬られただけで、みこの淡い期待お姉さんのお仕置きは止まってしまったんだもん。。。きっとこの魔法少女お姉さんは、スゴく速くてもスゴく真面目おバカなんじゃないかな?



「お姉さん、本当に首しか狙わないとかバッカじゃないの?

 それにお姉さんて本当は、刀流の魔法少女剣士なんでしょ?なのになんでこんな他人の弱い杖なんか使ってるの?障壁バリアに当たる度にボロボロで、もうコッチのはみこに傷一つつかないよ?」


「。。。からょ」


「え?」


「それはこの杖が!。。。私の大事な妹の杖だからよ!!!!!(ザクッ!)」



 ザクリ!と身体に響く鈍い音。

 それは障壁バリアの消えたみこの首筋に、ボロボロに欠けたの尖った部分が刺さる音。。。



「。。。何故、障壁を解くの?」


「だって、お姉さんが泣いて」


「同情なんか要らないわ!!!!!それとも妹の杖じゃ、防ぐ必要すら無いとでも言いたいの?」


「ぅぅん。。。だってあのままじゃ、この杖折れちゃうと思ったから。。。」


「!!!?」


「みこ、お姉さんがどうしてみこに怒ってるのかは全然分かんないけど。お姉さんが哀しぃのは、分かるから。。。」


「そんなワケ。。。」


「だから、良いょ?。。。みこ、お姉さんになら殺されても」




 痛いかも知れないから、眼を閉じる。これまでお腹に穴が空いた事はあるけど、やっぱり首を斬られたら痛いのかな。。。?

 。。。。。だけど、カタカタと震える杖はいつまで待っても動かない。焦らしプレイお姉さんは意地悪なのかな?と思って少し眼を開けてみると、お姉さんは静かに泣いている。




「。。。どうして、どうして怪人のくせにそんな人間らしい優しさを見せるの?怪人ならもっと、醜く抵抗しなさいょ。。。怪人らしく悪く居なさいょ。。。」



 みこは、お姉さんの言ってる事が分からないこの涙を知っている。。。



「貴女に他人の悼みが分かるというのなら、どうしてたくさんの人達私の妹を殺したの。。。?」


「。。。。。お姉ちゃん、ごめんなさい。みこ、悪い妹でごめんなさい。。。」



 みこは、お姉さんが何を言いたいのか分からないこの涙の悼さを知っている。。。



「。。。ミカ?ミカ!!!!!」



 カランカランカラン。。。二本の杖が跳ねる落ちる音がして、何故かみこはお姉さんのお胸の中に居る。名前も、匂いも違うのにみこをギュッ♡って抱き締めてくれる優しいお姉ちゃんのお胸の中に居る。。。。。



「(ヤット見ツケタヨ?フフフフ♪)。。。お姉ちゃん」




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