第9話 偽者なんか大っ嫌ぃ!




「あ!ちょっ、ちゃん待ってぇな!置いていかんといて~?」




 あれから10日、眼鏡ッ娘お姉さんサファイア・アイシクルは何故か私達の家に住み着いている。私にそんな許可を出した憶えは、無い。


 本人曰く、お姉ちゃんとのを果たす為。

 そして、私にの使い方を為。


 とか何とかお姉さん先輩風を吹かしてほざいてるわけだけど、私にとっては本気で迷惑以外の何者でもない。

 それでもまぁ、私が実際にお姉さんウザ眼鏡に攻撃魔法を撃とうを本気で殺そうとしたのは



「ニュフフフフ♪みこちゃん、ほんま可愛えぇなぁ♡」



 なんて言いながら、シャワーを浴びてる最中に突然背後から抱き着かれた時に留まっている。


 でもだからと言って、決して私はこのお姉さんメガネと打ち解けたとかそういう事では無い。寧ろそのウザさは同居して拍車が掛かったどころか、ロケットエンジンでも搭載したぐらいグイグイと距離を詰めて来ている。。。。




 だったらどうして、私がまだこのお姉ちゃんのお友達に何もしていないのか?ソレは単純にこのメガネお姉さんのウザさよりも、利用価値の方が僅かばかり優っているからに他ならない。


 そうじゃなかったら、こんな優しくて綺麗な魔法少女ウザイだけのデカ乳メガネに四六時中纏わり付かれて、この私が殺していない我慢出来るわけがない。




 ************




「みこちゃん?何でもええから、お姉さんに向かって魔法撃ってみて?♪」




 氷碧色の戦乙女サファイア眼鏡ッ娘お姉さんアイシクル、彼女の眼鏡は伊達ではない。

 例え腐った魔法少女生ゴミでもこの国の現序列第1位ともなれば、その実力ウザさはかなりのモノ。特にお姉さんウザ眼鏡の場合、警戒注目すべきはその圧倒的な魔力操作の技術にあった。



「。。。何でも?」


「火でも水でも風でも、みこちゃんが好きなん何でも撃ってええよ?♪」


「じゃぁ。。。怒り荒ぶる雷帝よ、断罪の鉄槌を振り下ろし紅き」


「え!!!?ちょっ!みこちゃん!!!」


『サンダーストーム・クリム。。。?』


「もぅ!みこちゃん!

 確かにお姉さん何でもええとは言うたけど、普通こないな時は無詠唱の火の玉ファイヤーボール位にするもんなんよ?

 流石のウチも、一歩間違ごうたらご近所さん諸共ビリビリの消し炭は冷や汗かいたよ?ほんまびっくりしたわぁ。。。」




 と、こんな具合にお姉さんムカつく眼鏡には魔法による攻撃が効かない。効かないと言うよりは、正確に言うと魔法に使う魔力の流れに干渉され、魔法の発現を簡単にレジストされてしまう。


 悔しいけれど、魔法少女の面に関して私はこのお姉さんに未だ全然勝てはしない。

 だからスーパーウルトラミラクル超絶ウザイこの共同生活を、嫌々ながらも強くなる為認めるしかなかったわけだ。。。




「みこちゃん?みこちゃんは、もぅ無理に闘わんでもええんよ?

 実はな、ウチの魔法少女として叶えたい願いは、桃が幸せになること、、、やってん。。。そやから、きっと今のウチとみこちゃんの願いは同じやと思う。


 みこちゃん。。。桃は、みこちゃんのお姉ちゃんは、ウチが生き返らせたる!今度は失敗なんてせえへん。みこちゃんの分もウチが頑張る!だから何も心配せんでええ」


「。。。本、当?」


「もちろん、ほんまょ?♪

 。。。せやから、みこちゃんはもう危ない真似はせんといてな?全部お姉さんに任してええ。そいで桃が起きた時、二人で


『おはよう♪まったくいつまで寝とれば気がすむん?』


 って、言うたろな?♪」




 フン。。。

 私がお姉さんと一緒に居て良かったと思ったのは、本当にただそれだけだ。




「あっ!でもさっきのウチの話は、桃には内緒にしといてな?もし知られたら、メチャクチャ恥ずかしいわぁ〜」




 どれだけ優しくされようと、どんなに甘い言葉を囁やかれ、何度暖かい胸の中に抱き締められようが、




「先輩、ロリッ娘の様子はどうっスか?」


「ん?落ち着いとるよ?

 最近はウチのことお姉て呼んでくれるようになったし♪

 眠る時なんかは、毎日ウチのお胸にムギュ~って、小さい子みたいに甘えてくれるようにもなったんよ?♪」


「な、なんなんスか!?その羨ましい状況は!!!是非ともスミレにも、先輩の先にムギュ〜とさせて欲しいっス!!!!!!

 それにしても、あのロリッ娘がそんなことするなんて全くもって信じられないっス。。。」


「フフフ♪ほんまのみこちゃんは、と~っても可愛ええんよ?♪」


「グヌヌヌ。。。で、でも!やっぱりスミレは、今でも反対っス!

 怪人に襲われてる人を、平然と見殺しに出来るようなヤバいロリッ娘と一つ屋根の下。先輩が自分で寝首を晒しながら、するなんて絶対おかしいっス!危な過ぎるっス〜!」


「スミちゃん?あんまし歳下の子を悪く言うたらアカンよ?」


「大丈夫っす!スミレの『インビジブルカーテン絶対領域』を犯せるのは、先輩しか居ないっす♪」


「もぅ。。。そういう問題ちゃうんやけどな?」





 この人はただのお姉であって、本当のお姉じゃない。。。。。。

 私にとっては所詮、憎むべき魔法少女生ゴミであることに変わりなんか無かったのだから。。。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る