寄生虫いろいろ 4

 前回の続きです。実際私が目にした、寄生バエのお話です


 きもーー!と思ったら逃げましょう。






 寄生バエのウジが蛹になり、別のあきびんに確保して数日。全く楽しみにしていなかったのでどのくらいの日数だったかすら忘れました。


 その間こいつがどこからどうやって入ってきたのか、ネットで調べる日々。


1 葉っぱに卵を産み付け、それが食べられるのを待つ

2 体表に卵を産み付け、それが孵化すると主の中へ潜っていく



 ぐあー! どっちにしてもヤダ!


1 葉っぱを取ってきても洗ったわけでもなく、そのままやっていたので卵を食べ放題食べてしまった。


2 すでに家に迎えた時に「芋虫」のかたちだったので、もうすでにハエが仕込みをすませていたあとだった。

 もしくは運悪く家に入ってきてしまったハエが寄生バエで、知らない間に産み付けられていた。とくに当時自室にエアコンがなく、頻繁に網戸にしたり戸を開けたりしていたから余計可能性が高い。

 屋外に居る幼虫をよーーーく見ると、ものすごく小さく細長い白っぽいものがついていることがあります。奴らに違いない。




 どちらも可能性はあります。わかったところでもう手遅れですけどんね。





 ハエは無事羽化しましたがその羽化も「ギャー!」な様相。

 本当にたまたま、運よく(悪く?)タイミングがあってしまったんです。奇跡。



 あ、一匹羽化していやがる、と瓶を覗いて見ていると、別の蛹からちょうどハエが出てくるところだったんです。

 蛹の殻の先端がぱかっと口を開け中身(ハエ)が出てきたんですが……最初何が出てきたのかわかりませんでした。なんか別の幼虫でも出てきたのかと。


 ハエの目って大きい楕円形のが二つ、割と距離は近くについてますよね。その顔から想像もできない顔で登場します。

 目と目の間が、水風船みたいにぷーーーっと膨れていたんですよ、言葉で説明しづらいんですが、本当に目と目の間が膨れ顔全体がその水風船になっていて、目はおされてびょーんと脇に広がり、さらに顔の後ろにある胸部ににめり込んでいるほど。

 ハエ本体が外に出てくると、その水風船はどんどんしぼんでしまいました。

 出てしばらくは丸々した腫れぼったい顔で、なんとなく目が顔の後ろというか、草食動物みたいに脇の方についたような表情ですが、体が乾いて羽が伸びるにつれ次第に顔の腫れも引いて目も中央に寄り、見慣れたハエの顔に。



 

 なんなんだこいつ、とあまりの珍しいシーンを写真に撮り、ネットで検索しますと、それは「額のう」と呼ばれ、羽化するためだけに使う器官なのだそうです。


 これを膨らませた圧で殻を割って出てくるみたい。体がすっかり乾いてしまった後はもう二度と膨らむことはなく、これが見られる期間は本当に短い時間だったようです。

 へえ~!! こんな能力があったなんてすごい! 繭や蛹から出るのも大変なんだねぇ。虫の体の仕組みは不思議だ!



 ……と思ったものの、やっぱりこいつは好きになれません。

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