友人のお話

 放送事故って程じゃないけど、本当はこれを二三時二〇分ごろ入れる予定でした。投稿したつもりでいたらお便りのお返事を書くのに夢中で忘れてた。


 斎藤瑞穂さん、一年近く文字ラジオをやっていてもこんな失敗はあるんだよ(笑) だから少しのミスで凹まないよーに。


 京の居る市では7月の初っ端だったかな? 消防団の大会が在る。京の町(市町村という意味での町は消滅しているが、地名として残っている)は昔から可搬ポンプが自警団、ポンプ車は消防団と担当が分かれているけど他の町はどちらも消防団が担当しているらしい。京は消防団じゃない自警団だから大会は関係が無い。ここからは友人に聞いたお話。ガキの頃からずっと一緒の地域に住んでる機械を愛するナイスガイだ。


 5月の連休明けから消防団は大会に向けて練習しているんだけど、まぁ大変らしい。消防団の友人曰く選手になると『この歳になってここまで叱られるか?』ってくらいに注意されまくりの叱られまくりらしい。あいつも何年か前は選手で出てた。役割は機関員。消防車の操作を担当。


「水が出んかったら全部俺の責任よ……笑うしかねぇなぁ」とか言ってた。


 他所の町は選抜メンバーを集めてとか、地域内で予選をして優秀なチームが出るとか色々あるみたいなんだけど、京の町では持ち回り。全部で5つある分団が交代で出場するそうです。分団によっては熱心なところが有れば、それ程でも無いところもあるとか。


 今年の出場チームが大会に向けて練習中なんだけど、伝令役の選手が怪我をしたらしい。大会まではもう三週間でってところで正選手が怪我で離脱ってのは厳しい。友人がお手伝いに行っていた時(ホースを巻いたりするそうです)に怪我をしたそうなんだけど、予備の選手が居なかったから友人の分団から経験者が代走をしたそうなんです。経験者だから全く準備の出来ていない予備選手よりは慣れているから出来る訳ですね。


 ところが、その代走した団員が暴走する人だそうで、代走をした次の日から『俺が代わりに出た方が良いのだろ? な? な? な?』みたいな事を上の人にメールを送りまくったみたい。


 ちなみに消防団では団員・班長・部長と階級が上がるそうです。京の友人は一番下っ端の団員です。代走した人も同じ。


 その友人は暴走している人から距離を置いているそうでメールが来ない様にしてるらしい。話せない事も多いみたいだし、元々ベラベラ喋る奴じゃないんだけど、そいつが言うには『何か違う気はするなぁ』だってさ。


 確かに経験者が出れば現在経験ゼロの予備選手を育てて大会に出るより良い成績を収める事が出来るだろう、だけどそれは友人曰く何か違うそうで、「大会の結果よりも大会の意義を考えるとアカンと思う」らしい。友人は常日頃から結果よりも意義や過程を重視する奴で、消防団の大会でも良い結果を喜んでも悪い結果を責めたりしない奴。「大会の練習と通じて団の結束と消火方法を覚えるのが最大の目的」なんて言ってる。


 まぁその辺りは京には解らん世界だ。


 大会で思う様な結果を出せなかった若い団員に「結果なんてどうでも良いねん、消防車の使い方を覚えたやろ?」なんて言う奴だから結果を重視する団員とは考え方が合わんのだろうね。結果はどうあれ、チーム全体がレベルアップをすればいざと言う時に役に立つって考えは京は嫌いじゃない。そもそも嫌いだったら四〇年近く友人やって無い。


 まぁあいつに関してはもう少し自分の意見を表に出してもいいんじゃないかなぁって気はするけどね。「若い奴が相談に来たらちょこっとアドバイスするくらいでエエねん」がそいつのスタンス。フォワードじゃなくてバックアップが得意な縁の下の力持ちタイプ。そして、後輩とメダカを育てるのが得意。


『水が出なけりゃ機関員の責任、後輩が育たんのは先輩の責任。メダカが育たんのは俺の責任』が奴の言い分。本音は前線を若い者に任せて自分は楽な後方へ回りたいだけじゃないかって気もするけどね。


 さて、曲行きましょうか。消防車・可搬ポンプの色にちなんでこちらをどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=ox0RI1iocMk


 

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