111話 HUNTER研究所 ~特技、罠解除と罠設置~
私達は再びHUNTER研究所へ来ている。
ハンターと戦う為に仲間も連れて来た。
私、プリン、マール、ドルタの4人だ。ツキは怪我人だから連れて来ていない。
あの事件により命を落とした住人は街の一角に墓を掘り埋める。
ヒナの母親、イザリスの遺体もそこへ埋めた。
そして私は、最小限の戦闘員を連れここにいる。
「いいか、入るぞ」
「うんッ! いつでもいいよォ」
「おう」
「⋯⋯うん」
顔を見合わせハンターがいるその扉を開ける。
ウイーンーーガシャ。
外からは聞こえなかった機械音が響く。
主電源は地下にあるらしい。
この迷路じみた見るからに罠だらけの部屋を一歩一歩ゆっくりと進む。
まず鉢合わせしたのは真っ赤なレーザー。
それがいくつも重なりもはや通り抜ける事は不可能だ。
「あたしに任せてェ!」
マールはレーザーに近付き、レーザーの先端を探る。
そして先端を見付け手を
「マールすごい!」
「まぁねッ! 他も任せてェ! 少し時間かかるから待っててね」
そう言うと、先程と同じ要領で次々とレーザーを解除していった。
「そういえば、マール達は何でこの世界に来たの?」
ふとそんな疑問を投げかける。
「え? 理由はテンと同じだと思うよォ? ゲームやってて気が付いたらこの世界にいたのォ」
やっぱり皆同じ形で転移したのかな?
この世界に来てから初めてこの事を聞いた。
プリンには聞いていたけど、何か訳ありっぽかったし私達とは別の方法で来たみたいだしね。
ここにある主電源を壊して、ハンターを始末すればもう安全なのかな?
元の世界に帰れるのかな?
まぁ最悪元の世界に帰れなくても、この世界でツキと暮らしていければいいかな⋯⋯。
ザナをもっと立派な街にして皆で一緒に暮らせればそれでいい。
私はそう思い始めていた。
「ハンターだ!」
その言葉と同時に一斉に銃声が鳴った。
しかしやはりハンターの動きは素早く、放たれた銃弾は掠りもしなかった。
「くそっ⋯⋯」
私達は物陰に身を潜め、ハンターが姿を現すのをジッと待った。
すると床が軋む音が静かに聞こえる。
目の前には辺りを見渡しながらゆっくりとこちらに近付くハンターの姿が。
巨大な斧を片手に身を屈め近寄る。
ビビッーー
ハンターには見えていなかったのか、残っていたレーザーがハンターの体を真っ二つにした。
レーザーの威力がどれ程の物なのかを証明してくれた。
「え⋯⋯」
言葉を失う私に反してプリンはやけに冷静だった。
「これには当たりたくねぇな」
低い声が部屋に響く。
ハンターが体で証明してくれたお陰でレーザーは全て解除され、先へ進む事が出来る。
この先何の罠があるかわからない為、私達は慎重に歩みを進めた。
ギシィィィーー
歩みを進める度に鳴る床の軋みが緊張感を煽る。
「俺にいい考えがあるんだが⋯⋯」
「なに?」
その声にドルタへ視線が集まる。
「まぁ⋯⋯見ててくれよ」
そう言うとドルタはレーザーを突破した先の部屋の入口に、無数の地雷とトラバサミを散りばめ、感知式自動機関銃を各所に設置し始めた。
この罠でハンターを殺そうと言うのだろうか。
これから何が始まるのだろうか。
私の中には、大丈夫だろうかという不安しかなかった。
すると罠を全て設置し終えたドルタが「よし」と声に出すと、近くの金属ロッカーを手持ちの銃でゴンゴンと叩き始めた。
「ちょ、何すんのよドルタ! ハンターが集まって来ちゃう」
「それでいいんだよ。まぁ見てな。⋯⋯と、俺達は隠れるぞ」
そう言うと私達を誘導し、罠が作動しない場所へ身を隠した。
ドーーサササササーー
「ほら! 来るよ?! どうすんの?!」
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