25話 惑わしの女 ~地面にご注意を~
「待て。なんでお前は不用心にずかずか行くんだ」
ずかずかって⋯⋯だってさっき扉の前行った時、別に何もなかったし敵も感知しなかったし。だから大丈夫かなって。
私は体勢を立て直して静かに扉の向こうを覗いてみた。
「ほらね? 大丈夫だったでしょ?」
扉の先には敵の姿はなくもの静かな場所だった。鉄の通路や階段がぐじゃぐじゃあって迷いそうな所。
プリンは様子を見ながらその大きな部屋へ足を踏み入れた。
「大丈夫だって! そんなに慎重になんなくても」
私は慎重に歩くプリンの横でまたずかずかと踏み入ってしまった。何があるとも知らずに⋯⋯。
中へ入ると少し広い空間の両脇に扉が二つあり、その先が地下へと繋がる階段が続いている。
その小さな部屋に私が入ろうとした時ーー
ピピピピピピーー
え? 嘘でしょ、地雷?
「うわぁぁぁ!!」
「おい、こっちだ」
私はプリンに手を引っ張られ扉の外に走った。
ピピピピピィーーボォンーー
危なく地雷の餌食になる所だった。
それにしても誰よ、こんな所に地雷仕掛けたの。こんな角で見えない所に設置するなんて性格わるっ!
「だから気を付けろっつったろうが」
プリンは見た事ないくらいの権幕で私にそう言った。
そんなに怒んなくてもって思いながらも、今度は気を付けて部屋に入った。
その小さな部屋へ少し足を踏み入れると、離れていても見えるほど敷き詰められた地雷でいっぱいだった。
「うわっ! なにこれ?」
このままじゃ探索できない。見る限りでも机の上に大量のスチムパックがある。あれは絶対取りたい、そう思った私は懲りずに部屋の奥へ入ろうとした。
部屋に入って一つずつ地雷を爆発させてけばいいかと思って⋯⋯。
「おい、やめとけ」
プリンは私の腕を掴みながらそう言った。
「でも⋯⋯スチムパックが」
そう思ってプリンの顔を見ると、また怖い顔している。
私は諦めたくはなかったけど仕方なくスチムパックを諦め、鉄の通路へと進んだ。
「ここ、なんだろ? 地下に繋がってるのかな?」
階段を下りながら見下ろすと地面が見えないほど遠い。落下したら間違いなく死ぬだろう。
多分地下に行くと思うんだけどこんなに下に行って、何があるんだろう?
私達は探索をしながら長い階段を下りた。するともの凄い広い部屋の中に響く機会音? みたいなのが聞こえた。
機械音のする方に行ってみると、フージョンコアが刺さっている黄色い機械があった。
フージョンコアとはディスアーマーの原動力の事だ。そのディスアーマーとは普通の防具より強力で歩く度にドスドス音がする防具の事。
それを着用していれば、本体はダメージ食らわないし高所から落下しても死なない、素晴らしい防具の事。それの動力がフージョンコアってわけ。
でも私はディスアーマーはあんまり好きじゃない。重量が凄い思いから歩くの遅いし、何より視界が見えづらいから。
だからこのフージョンコアは必要ない。ゲームでも結局使わないし沢山余ってたから。
「それプリンにあげる」
持っててもどうせ余るだけだし。プリンはディスアーマーを使う派らしくて、あんまり物を取らないプリンが珍しく喜んでいた。
まぁここには肝心のディスアーマーがないから、フージョンコアあっても今は意味がないけどね。
私達は地下に降りた時に見えた扉に向かった。そこの扉は隣にターミナルが設置してあり、またまたプリンがターミナルをいじって開けてくれた。
ガシャーードンーーガシャーー
そして扉が開くとそこにはーー
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