第41話まちを作る為に5

2人で外に出たら大変なことになっていた。


「マリー様、お疲れ様でした」


「エブァン、これは…………」


建物が崩壊していた。


「えっとですね。これには理由がありまして」


「これ私がやったのね」


「えっとですね、はい」


「ごめんなさい、今から直すわ」


「え!」


「物達姿を表せ」


目の前に大量の物達が姿を現した。それは物の王が命令をしたのだから当たり前だった。ただし人の目にも見える形をして現れる光景は驚愕だった


「お前達、今すぐにここを元に戻せ命令だ。取りかかれ」


物達は王の命令を瞬時に理解し行動に移した。

とてつもないスピードで建物が修復されていくのがびっくりだ。


数分後


「王よ、終わりました」


「ご苦労でした。皆にこれを渡しておきます」


「いいのですか?」


「前に約束をした物です。今回の働きの褒美です受け取りなさい」


「ありがとうございますマリー様」


「ええ、偉そうな言い方してごめんなさいね」


「マリー様、私達の王なのですから胸を張ってください。王はマリー様だけなんですよ」


「みんなありがとう」


「マリー様は本当にお優しい。昔の王よりマリー様の方が好きです」


「そう言ってもらえると嬉しい、さあ、みんなに配ってね。全員分あるから。解散」


興奮が冷め止まなくてガヤガヤしていたので


「散れ!」


「!?」


一言でいなくなった


「直ったわ。これでもと通りになった事ですし、続きができるわ」


「あのーマリー様?」


「なに?」


「それがですね、建物が3階にまで大きくなっているのですけど」


「?」


マリーは上に目をやると


「大きくなってるよ」


「いや、ですからそう申し上げているのです」


「物達が狭いって私が前に言っていたから大きく作り変えてくれたのね」


「そういえば言っていましたね」


「いいじぁない、これで配下の部屋確保しながら子供達の部屋もできたんだからよしとしましょう」


「はい、そういえば、先程物達にあげた物はなんなのですか?」


「あれ?あれはね。箱よ」


「箱?ですか」


「そう微粒子サイズの箱なの、その箱には知識をしまう事の出来るのよ。前にね、欲しがった物がいてね作ってあげた事があるのだけど、それがすごく気に入ったみたいでほかの物達が欲しがっていたのよ。材料もなかったからずっと待っててもらったんだけどようやく材料が揃ったから、作って置いたやつをさっき渡したのよ」


「だからさっきあんなにはしゃいでいたのですね」


「そういう事」


「建物も完成したし、結界にいる人達話し合いが終わっているでしょからそっちへ向かうわ」


「お待ちください」


「何?」


「さっきから隣にいる奴は誰です?見覚えないのですが?」


「忘れてた」


「僕をよく忘れるよねマリー様は」


「ごめんね、この子ゲレカイ。洞窟の球体あったでしょ。あれの本体ね」


「はぁ?」


「エブァンも間抜けな声出した」


「も、ってマリー様もですか?」


「そうよ、わるい」


「悪くはないですが」


「とにかく、詳しくはゲレカイにでも聞いて、私行くから」


「わかりました」


マリーが一万人の民の元へ戻っていった。



ーーー時を傘登ること闇が現れる時刻ーーー



民は結界内で、恐怖と戦いながら肩を寄せあって寝ていた。代わる代わる見張りをたてながら。

闇が辺りを包む時刻が迫っていた時だった1人の男が結界内に入ってきた。


「お前は誰だ?」


「俺はイブリース、マリー様より闇からお前達を守るよう仰せつかったものだ」


「俺たちを闇から守るだと、そんなのは無理だ。闇の中は足元すら見えない闇と聞く。それでもうやって守る?」


「俺は、その闇の元王だ。お前たちを守るぐらい造作もない」


「元王だと?」


「そうだ、俺は闇から出てきた悪魔だ、今はマリー様の配下になった」


「悪魔がなんで俺たちを守る。奪うの間違いではないのか?」


「そんなことしてみろ俺が殺される」


「ふざけた事いっていなで守られていろ」


「本気で言っているようだな」


「さっきからなぜそんなに疑う?人間と面倒な生き物だな」


「疑いもするさ、悪魔は奪う事が仕事でもあるがマリー様の命令は絶対だ。逆らうことなどない」


「そんなにそのマリーという奴が強いのか?」


「!?」


首元に手をかけて言った


「言葉には気をつけろ、マリー様を呼び捨てにしていい奴はこの中にはいないからな」


「わ、わかった」


首から手を引いた


「わかってもらえて助かる。俺も短気でな。マリー様を呼び捨てにされるとすぐ頭に血がのぼる癖がある。悪かった。痛くはなかったか?」


「ああ、大丈夫だ」


「いや待て、少し傷をつけてしまったようだ。手当てをしてやる」


イブリースが回復魔法を首に施した


「これで治ったぞ」


「わるい」


「いや俺の方こそ悪かった、怪我をさせるつもりはなかったんだ許してくれ」


「悪魔ってみんなお前みたいな奴なのか?」


「俺と同じ奴は1人のだけだな、それ以外は襲うな。だから俺がここにきた」


「そろそろ闇が来る、お前たちは全員肩を寄せあって目をつぶっていろ決して目を開くなよ。全員に伝えら急いでな」


「わかった」


伝え終わる頃


闇が辺りを包み始めた


「おいスルトいるか?」


「は!ここに」


「こいつら守れよ。俺もやるから闇結界貼るぞ」


「わかりました、人数は1万だ」


「多いいですね」


「さっさとやるぞ、他の奴らが嗅ぎ付け始めた」


「わかりました」


今までの最速で結界を貼り終えた。


「早かったな」


「加速魔法を交付してから魔法発動したんですよ」


「その手があったな」


「前にマリー様から教えて貰っていたので、今回試してみたのですがかなりこれ使えますね」


「いつのまにかマリー様から教えてもらっていたんだ」


「どいつもこいつも、抜け駆けしやがって」


「イブリース様、そんなことで怒らないでくださいよ」


「そんな事とはなんだ。お前はわからないんだよ、弱いからな俺なんか。もっと鍛えなくてはならない」


「いや、俺からしたらイブリース様に勝てませんよ。それなのにもっと鍛えるってどこまで強くなりたいんですか?」


「うるさい、エブァンに絶対的に勝てるまでだ」


「負けることがあるということですか?」


「いや、負けはしないが互角だな。それではダメなのだ」


この人確かに戦いしまくって自分の部下になりたてのやつ半殺しにしていたもんね


「それにしても、マリー様こんなに人集めてどうする気なんだろう」


「そんなの俺たちが考えてどうする?」


「そうなんだけど、流石に多くないですか?」


「まさかに多いいな、前に説明してくださった時に言っていたがこいつらを導くらしいぞ」


「導くってそんな面倒なことをなさっるつもりなんでしょうか?」


「そうだろうな、それに」


「それに?」


「出会った頃に言っていたのがこれから始まる大惨事に備えるとも聞いたことがある」


「大惨事?そんな事とはするとしたらマリー様ぐらいだと思うのですが?」


「俺もそれは思ったのだが、聞いても教えてはもらえなかった」


「なにかを考えおられるのは間違いないが今すぐとは限らないみたいだからな。その時が来たら教えてくださるさ」


「おいスルト!」


「分かっています。今向かいます」


「俺も行く」


右側から結界を攻撃する奴が現れた。


「この中に大量にいるんだなんで守られている。しかも闇の結界だと」


「くそが、あと少しで破れそうなんだがな」


「あれ使うか」


魔法を手の平に凝縮させ、結界に当たる直前手を握り首を潰さんとするほどの力を込めてそいつの行動を阻止した


「おい、それ以上やってみろ。お前はここにはいられないぞ、いや死ぬな」


「今すぐこの魔法を消すか、殺されるか好きな方を選べ」


「分かったら頷け」


コク


手の平の魔力が消え、それと同時に解放した。


「ゲッホゲッホ」


「命拾いしたな」


「そうだぞ、あと少しこの結界破ったらお前の配下全て皆殺しになるとそこだったなよかだな」


「イブリース様、首握りすぎて喉潰れてませんか?」


「そんなに強くないぞ、ゆびが折れるくらいだからな」


「あーそれならってその時点で喉潰れてますよ」


「ちょっと強かったか。仕方ない、直してやるか」


回復を施した


「これで話せるだろう」


「はい」


「イブリース様もっと手加減をしてくださいよ」


「何を言っている。最大限に優しくしていただろうが」


「そうじぁなくて、喉潰す力加減の方ですよ」


「かなり難しいんだよ。あれでも優しくしてもあれだ」


「それでしたら赤子を触れるようにやってみてください」


き、消えた


「これでどうだ?」


「びっくりした、って俺で試すのやめてくださいよ」


「いや、お前なら平気だろ」


「平気じぁありませんよ。とにかくそんな感じでいいです」


「なんとなくわかったぞ、触れるだけでいいんだな。力を入れるから折れるのだな」


「今気づいたんですか」


「まあな」


「それでお前はなんでここを攻撃した?」


勝手に話変えたよ。


「ここの中美味しそうな匂いがしていたので」


「忘れていたな、匂い遮断しないとまずい。これが何回も続くぞ」


「そうでした、すぐに交付します」




「これで遮断できた」


「よくやった」


「イブリース様もやってくださいよ」


「お前1人でも簡単だろ」


「簡単ですが、大変なんですよ」


「文句を言うな、できたのだからいいではないか」


「あーもういいですよ」


「ここを襲うなよ、わかっら下がっていいぞ」


「あのー」


「なんだまだいたのか?」


ピクと体を震わせた


「イブリース様怖がっていますよ」


「それがどうした?」





「それで何が言いたい?」


あ!スルーしたよ


「お二人とももしかして王ではありませんか?」


「だからそれがどうしたというのだ」


「いえ、初めてお二人のお顔を拝見できたものですから」


「そうだったのか」


「わかったなら、帰っていいぞ」


「は!」


これ以上は長いはできないと判断して闇に帰っていった。


「そろそろ闇が晴れます。我々はこれで戻りますね」


「ご苦労だった」


「いえ、たやすい事です」


「それでは」


朝日が昇り闇が晴れていった


「お前たち、大丈夫だな。顔を上げて目を開けていいぞ」


「俺たち助かったのか?」


「そうだ」


「朝飯を用意させる待っていろ」


「俺たちは」


「話は後だ飯を食って体力を回復させておけ、もう時期マリー様が到着される。その時に直接言え」


「わかった」


イブリースがその場を離れ、食事が運ばれて終わった頃だった


「だいぶ顔色が良くなったみたいね」


「ああ、助かった。体力も回復したよ」


「それは良かったわ」


「それでだな1つだけ聞きたい事があるんだがいいだろうか?」


「なんでも聞いて答えられる範囲で答えてあげるわ」


「ここにいる大半は家族がいる。家族を置いてここに居座る事が出来ない」


「それなら解決できるわよ」


「なに?」


「貴方達がもしここで暮らすと決めたのならば、その家族をここに呼んであげるといっているのよ」


「出来るのか?」


「出来るわ、ただし」


「ただしなんだ」


「貴方達にしたようにかけらを与えてからでなければここにはおけない、だからそれを受け入れてもらう必要があるの。それが終わればここにいる事ができるわよ」


「害はないんだよな」


「それは貴方達が一番わかるでしょ?」


「そうだったな」


「それで構わない」


「これからよろしくね」


「よろしくな」


「それでこれから俺たちはどうすればいい?」


「それがね、貴方達の家族を呼ぶにしても家がないのよ、そこで提案なんだけど、ここに家を建てて欲しいのよ。まずはここにいるみんなの家よ。建て終わってからでいいから私たちの家もお願いしたいの。代わりに建てた家はあげるわ」


「くれるのか?」


「そうよ、だから好きに作ってちょうだい。家ができ次第家族を呼ぶから、早ければ早いだけ家族に会えるって事になるわよ」


「俺はやるぞ、こんないい事ないぞ。向こうに帰ったっていいことなんてないんだ」


「みんなそうだろうが」


「俺もやる」


「俺もだ」


「それなら決まりね、みんなの仮の住む場所を教えるわ」


木に扉を設置した。


「ここか?」


「そうよ中に入ってみて」


「すごい広いな」


「当たり前でしょ1万人が住めるだけの空間を作ったのだからね。悪いけどしばらくは雑魚寝してね」


「食事は、用意させるわ。悪いけど食事は外でね。雨風は結界内は入ってこないから安心して」


「わかった」


「ほかに質問は?」


「道具とかあるのか?」


「ないわよ、そこからもやらないといけないの。要するに一からね」


「こりゃー大変だぞ」


「おい、俺の知り合いに鍛治しがいるんだがそいつを呼べるか?」


「いいわよただし人だけしか呼ばないからね。それとさっき言った事もしてもらわないといけない、もしできないのであれば記憶を奪って返すからね」


「他には?」


俺の知り合いにも家を建ててる頭領がいるそいつもいいか?」


「いいわよ」


「俺にもいるぞ、水を引く事にかけている奴が」


「俺の所にも道を整備している奴がいる」


「家具を作れる奴もいるだろ」


なんだかんだで30人ほど増えた。


問題なく、ことが進み配下と加わったのだった。


「後は頼んだわよ」


「任せてくれ、いいのを作って見せるさ」


「1つ聞くがここには畑はないのか?」


「ないわよ」


「なぜだ?」


「ここはねもともと人が住む場所に適していたのだけれど、川が広すぎて、激流な為に渡ることが不可能だったのよ。だからここに人がはいれないから、木だらけだったのをある程度伐採してここができたのよ、畑なんで考える余裕はなかったわよ」


「それならもしいいのであれば作りたいのだが構わないか?」


「いいわよ、作るからには、ここにいるみんなの分が食べられる分は作らないとダメよ」


「それはわかっている」


「それだったら、構わないわよ」


「有難いな」


「それぞれの役割を決めるぞまずはそこからだな」


「そうだな」


「必要な物があれば教えて、出来る限り用意してみるから、できない時もあるからその時は許してね」


「ああ」


「私戻るね、みんながんばってー」


「おう」


家の建築が始まろうとしていた。

隠れ家に戻ると、そこには新たに7人の配下が待っていた


「おまたせしたわね」


「いやー、あのお湯は気持ちい良かったです」


待っている間に体と衣服を綺麗にしてもらっていた


「服は気に入ってもらえたかしら?」


「動きやすいですね」


彼らが来ているのは現代でいうジァージのようなものだ。


「それなら良かったです」


「さてと話を聞く前に、家族とはゆっくり話をしたの?」


「簡単にしたぐらいだな」


「マリーのお陰であれから少しして、寝ていた彼女も目を覚ました。感謝する」


「!?」


エブァン、イブリース怖いよ


「お前ら呼び捨てはよせと言ったばかりだろうが」


「悪かった、気をつける」


同時に2人が動き首元に手を当てたのだった。


「その辺にしたら?」


「は!」


「本題に入るわよ、エブァンからある程度は聞いているわ、ウーゴが拐われたのでしょう。場所は特定のできているとまではね」


「はい、そうです。その場所どこなの?」


「それには続きがありまして、場所を特定したまでは良かったのですが、その後救い出しに向かった俺たちは、ある人物に囚われてしまったのです。ここで殺されるか、ここに来て結界を破壊するかの選択を強いられたのです。もちろん断る事も出来たのですが、もし断ればマリー様とウーゴ様の繋がりを知られるのではないかと」


「それでここに攻撃をしていたのね」


「そうです。私達の監視が結界の前まで来ていたのですが、クオン様が来られた時に去って行き、同胞が殺されるのをただ見ているしかなかった」


「お前な、もっと周りを見ていれば追跡も出来ただろうが」


「それを言うな、俺だって反省はしている」


「お前それ、反省しているのか?」


「そうだが?」


「話進めるわよ」


「申し訳ありません」


「ある人物とは?」


「それが顔を隠しており特定には至っておりませんが、わかっている事が男であることと、その男の背後にもその男を操る者がいて、偵察などが得意なのだと思われます」


「猛獣については?」


「それについは、俺から説明します。猛獣は1人に3体から6体ほど与えられておりました。その男が我々とつなぐ魔法を施し操れるようにしました、ただ我々が結界に入ると魔法の繋がりが切れて逃げましたがね」


「場所は?」


「場所ですが、中央都市の滝左手奥に入口から入り中は小さな小屋がありました。その中で密会が行われていたのです。さらにその後ろには扉があったのですが、その中に入ることはかないませんでした」


「状況はわかったわ、そこはもうないわね。きっと移動している可能性が高いと思うべきね、キリウス」


「わかっております。今水であたりを探っております。お待ちください」


「とりあえずは、調べが終わるまだ待機ね。それにウーゴが死んでいるとも考えるべきね。あくまでも推測だから、諦めてはダメ。それでも覚悟だけはしておいて。」


「わかりました」


「今は、先にする事がある。調べが終わるまで家の建築や、でき次第家族を迎える用意、担当などの配置を考えないといけないからそこら辺は任せたわ。私はこれから追跡魔法で捉えた者達のところへ行ってくるわ。本来はそれが最優先だったのだけど遅れてしまったからね。しばらくはここを離れて異空間にいるわ。用があったら入ってきてくれればいいから」


「では、これより作業を開始してちょうだい。人魚達は、好きにしててもらって構わないわよ。八雲貴方は私とかなさい。他の物との関わりは厳禁よ」


「わかっとる」


「取り掛かって」


一斉に配下達が跪き


「は!」


各自作業にとりかかるのだった。

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