第39話まちを作る為に3

ようやく皆が集まってくれた


「みんな集まったね、これからここら一帯に家を作ることにしたの。捕らえた者達をここに置く予定なんだけど、1万以上に民が増えるからこの建物だけでは無理なのよ。異空間作ってもいいけど、流石に維持するの大変なんだから、ここに家作ってしまえばそれもしなくて済むからね」


「家ですか?」


「そう、家。捕らえてきた民が住めるだけのね」


「できたらお店とかあるといいけどそれは後回しにね。先に住めるよに家を作って欲しいのよ」


「1つ聞いてもいいでしょうか?」


「何かしらエブァン?」


「捕らえた民をここに置くのはどうかと思うのです」


「なぜ?」


「我々に歯向かった者達です。いつ裏切られるかわかりません。それなのにここに置くのは」


「逆に問うわ、裏切るとなぜ決めつけたの?裏切らないと考えないの?もしくは裏切らないように教えようとは考えないの?」


「それは」


「めんどくさいからでしょ、そんなの導きの私からして見れば傲慢だわ。それをしなかったからここがダメになっているのがわからないの?」


「申し訳ありません、ですがマリー様に危害を加える恐れがあるのにそれをいいとは言えないのですよ」


「なら、貴方達がそれをさせなければいいのではないのかしら?たしかに力ずくで抑えることはできるけどそれしたら他の所と何が違うの?時には必要ね。でも全てそれをしては何も導くことなどできない。幸いにも捕らえた1万の民には学民のかけらを付ける予定なの。学びはとても大事、次に同じ過ちを繰り返さないよう、考え実行する力を与えれば、後は貴方達が先頭になって教えるていけば導きとしてはいいと思うわよ」


「わかりました」


「ほかに意見あるかしら?」


「俺から1つ」


「キリウスなにかしら?」


「人手が足りないのをどうしますか?」


「それは1万の民にも手伝わせるわよ」


「それなら大丈夫そうです」


「私からも食料はどうされますか?」


「それよ。どうしましょうか?」


「それならフロンツメーに相談されてはどうですか?」


「なんで?」


「植物の親ですから、もしかしたら食べられる植物をくれるかもしれませんよ」


「なるほどそれならいいわね」


「川が近いので魚とか取るのも良いかと」


「猛獣区に甘い実がなるのがありますのでそれを取ってくるのもいいと思いますよ」


「魔物の山辺りには食べられそうな魔物などあるかもしれないので聞いてみましょうか?」


「なんとかなりそうね」


「それぞれ役割分担して取り掛かって欲しいわ、その間に1万の民をなんとかしてくるから」


「は!」


「私行ってくるわね」


「僕も行こうか?」


「びっくりした!レデーに後ろにいるのはライ、コクね」


「戻ってきたのね」


「うん、みんながねマリー様に会いたがっていたんだよ」


「そうそう、私のところもなだめるの大変だったんだよ」


「僕所なんでここにくるって言い張って大変だったんだよ」


「くるのは構わないけど、住むとこないよ」


「だよね。だからなんとかしてきた」


「それでお願いなんだよ」


「なに?」


「今度みんなの所に来たよ。ここに来ない代わりに呼んでくるって言ってここにきたんだよ」


「僕もだよ」


「私も」


「今は無理よ、ここが落ち着いてからじぁないといけないよ」


「「「それでもいいよ」」」


「ならいいわよ」


「「「やったー」」」


「あのーマリー様こちらは?」


「そういえば、みんなに紹介していなかったわね、アメールと同じ人魚さんです。左が土の人魚レデー、闇の人魚ロイ、光の人魚ライよ。みんな仲良くしてね」


「新たに人魚が仲間になったのですねってお前たち待て待て待て」


物達が人魚を囲って溢れかえっていた


「ちょっと前見えないわよ、集まりすぎ」


ふんじぁうよ


「いい加減にしなさいー」


一斉にいなくなった


「全く物達いい加減にしないと壊れるでしょ。後でみんなとも話す時間作るから待ちなさい」


「マリー様のケチ」


「そうだよ。すこしぐらいいいじぁない」


「こんなに大量に来られたらいくらなんでも無理よ。すこし我慢して。後で物達の所に案内するからね」


「絶対だからね」


「約束よ」


「ええ、約束ね」


「みんないこー」


「うん」


ようやく物達が立ち去ってくれた


「ようやくいなくなったわね」


「酷い目にあった」


「本当に、壊すんじゃないかとハラハラしてましたよ」


「それにしても以前より増えてません?」


「わかった」


「それがね、物達の王になって以来増えて増えてしょうがないのよ。そろそろ部屋を増やさないといけなくなっているくらいなのだから」


「はぁ!」


「いや待ってくださいよ、あんなに部屋があるのにそれが埋まるって」


「そうでしょ、お陰でここには部屋増やしたくないのよ」


「断れないのですか?」


「断る事は無理ね。そもそも物達の王がここにいるから集まるんだもん」


「そんな可愛く言われても困りますよ」


「それと、そろそろ私の体大人になるみたいだしね」


「初耳なんですが」


「物達が一生懸命に知識を私にくれるものだからもう少ししたら大人に成長するみたいなのよ」


「みたいって」


「物達がそう言って騒いでいたのよね」


「そうなのですか」


「とにかくこの話は終わりまた今度にして作業に取り掛かるわよ」


「そうでしたね」


ひともんちゃくあったのだがようやく作業に取りかかるのだった。




「さてとここね、改めて見ると多いわ」


「マリー様、この人達どうするの?」


「ライの力を借りてみんなをまず回復して欲しいのよ。お願いでからかしら?」


「いいよ、でもこの中に入って魔法使えるの?」


「ライ、気がついたのね」


「うん、この中使えないようにしてあるでしょ?」


「ええ、でも私達は使えるのよ」


「なんで?」


「指定をしているからよ」


「してい?」


「そう、この中の民だけに限定してあるから私達は結界の出入りや魔法が使えるのよ」


「それ便利」


「でしょー。頑張って作ったんだよ」


「マリー様頑張り屋さんだね」


「ありがとう、早速始めて」


「はーい」


ライが結界の中に入るとまばゆい光が結界内を覆い尽くす。光の粒子が体の隅々まで行き渡って回復をしていった。傷はふさがり、恐怖や不安の感情も癒してくれていた

結界内の光が消えた頃倒れていた民が次々と立ち上がって行くのが見えた


「終わったよ」


「助かったわ」


「でも、この感情なんとかならないかな?」


目の前に黒い塊が姿を現した。形を変えながら動いている塊、見てると吸い込まれてしまいそうになる


「マリー様?」


「あ!ごめんなさい」


「これに呑まれないでね。これはみんなの恐怖や不安の塊なの。それを取り除いてあげたのだけど、これを解放すると元の持ち主に戻ってしまうの、だからといって私がこれを持っていられないからなんとかならない?」


なるわよ、マリーは漆黒のドレスに身を包むと手を前に出し漆黒の一部を目の前に出した


「それ貸して」


「う、うん」


嘘だろ、こんな所に漆黒の女王がいるなんて、姿を滅多なことでは現さない女王がここにいる。


コクは、へなへなと地面に落ちていった


「この中なら外に出ることはないからいいわね」


漆黒の闇を閉じて元の服に戻る。


「コク?大丈夫?顔いろ悪いわよ」


コクを抱き上げ全身を見ていると


「僕は大丈夫。それより女王様なんでここにおられるのですか?」


「あ!そうか私に会うの始めてだったのね。イブリースやエブァンは私が漆黒の女王って知っていたのだからいつも通りにまとってしまったけど、コクは知らせるの忘れていたわ、ごめんね」


「とんでもございません、僕いえ私の方こそ失礼の数々申し訳ありません」


「そんな改まらないで、いつものコクでいて欲しいのだけどダメかしら?」


「いえマリー様が望むのであれば、そう致します」


「そうしてちょうだい」


ニッコリと笑うマリーを見て緊張がほぐれた


「そんなに緊張しなくてもいいと思うんだけど」


「そうよ、マリー様はそんなお方ではないわよ」


「それは分かっているんだけど、今日漆黒の女王に会えるなんて思いもよらなかった。普段から姿を見ることがないからね」


「そうなの」


「そうなんだ、いることは闇に生きる者ならば気配で知ることができるんだけど、姿を現わすのはいつも闇の者達だけなんだよ」


「コクどうして漆黒の女王だとわかったの?」


「ライそれはね、あのドレスなんだよ」


「ドレス?」


「そうあのドレスは漆黒の女王だけが着ることを許された物なんだ、もし他の者が着れば姿形すら残らずドレスに食われる。ドレスに選ばれた者でなければ手にする事すら無理なんだ、もし手にできて着れたとしても食われるだけ」


「なるほどって私そんな怖い物着てるの?」


「マリー様は大丈夫。ドレスがめちゃくちゃ喜んでいるのがわかったから」


「そんなに喜んでいるの?」


「うん、あれも一応物達と同じなんだよ」


「一応って」


「意思を伝える術を持たないからね。代わりにドレスが喜ぶと魔力が上がるんだよ」


「それでわかったのね」


「そう」


「とりあえず、続けないといけないわね」


「そうだね」


「学民のかけらを魂につけるわよ」


「学民のかけらどうやって手に入れているの?」


「それはね学民の魂に私が作ったかけらをくっつけておくのよ。そうすと、かけらは学民の一部を手に入れるのよ。それを取り出すと学民のかけらが出来上がるわけ」


「1万ものかけらがあるの?」


「もちろんよ。コツコツ貯めておいたからね学民の魂に害はないからね」


「取り出すと大変じぁないの?」


「それも大丈夫よ、この魔方陣から取り出すの。この魔方陣は一部コピーしたかけらのみが取れるようになっているのよ」


「それなら安心だね」


「始めるわよ」


マリーが結界内に入ると唱え始める


「母なる腕に抱かれし かけらと共にあり続け 学びの元と歩まれ フィジァラ」


一斉にかけらが魔方陣から飛び出し全ての者にかけらが宿っていった。


「これでいいわ、後は家作らせないといけないのだけど」


「お前、俺たちに何をした?」


「あなたみんなの代表ね」


「そうだ、この部隊を任されている、質問に答えてくれ」


「学べるようにしたのよ」


「意味がわからない」


「貴方達に害はないことだけは間違いないわね」


「俺たちをどうする気なんた?」


「ここに残ってもらうわ、もし家族がいるのならば左側にそうでない者は右側によって欲しいのよ」


「俺たちがここに残る理由が見当たらないが?」


「それなら聞くけど、もし貴方達が帰っていいことはあるのかしら?」


「どういう意味だ?」


「今中央都市がどうなっているのか知っているでしょ?」


「知っている。内乱が多発しているからな」


「なら、そこにいる理由もないと思うわよ」


「ここに残って何いいことでもあるのか?」


「あるわね、間違いなくここでの争いはないから、それだけでも違うと思うわよ」


「すこし考えさせてくれ、もう一つ聞かせてほしい家族はどうなる?」


「ここに呼ぶのよ。だから分かれて欲しかったのよ」


「わかった、明日まで待つわ」


「わかったそれまでに答えを出しておく」


「そうしてね。それとこれをみんなで食べて、毒は入っていないから」


魔方陣から、巨大な鍋を取り出し置いた。


「いいのか?」


「当たり前でしょ、みんな疲れているんだからご飯を食べてゆっくりやすむといいわ」


「すまない、ありがたくもらっておく」


マリーはその場を後にした。


「おい!大丈夫なのか。そんなに信用して」


「なんだろうな、なんとなく信じてみたくなるんだよ」


「なんだそれ」


「とにかくこれをみんなに配ろう」


「毒でも入っていたらどうするんだ」


「なら俺が食う」


パク!


「おい!?」


「うまい!これはうまいぞ」


「なんだって」


パク!


「本当だ」


「とにかくみんなに配るぞ」


配って回っていた。


腹ごしらえが終わった頃


「なぁー本当ここに来てもいいのだろうか?」


「そうだな、あそこに戻るよりはここの方がいいと思ってしまう。家族も連れてきてもいいと言っていたしな」


「みんなはどう思うんだ?」


口々に異論を出していた。


「結論からするとそういう事になるな。みんなそれでいいか?」


「俺たちはお前に従う。それで構わないなみんな」


「それでいいぞ」


「わかった」


「結論は出たから体を休めて明日に備えよう」


「そうだな、でもここで闇が来たらどうすんんだ?」


「その時はその時だ。どうせ俺たちはあそこで死んでいたんだからな」


「そうだな、ここで慌てても何も始まらないか」



皆が大地に体を横にし寝始めた頃マリーは異空間いた


「みんなおまたせ」


「いや、待ってはいないぞ」


「あれ?6人しかいないわね」


「もう1人は隣だ」


目を向けると隔離されて動けなくなっている


「いた、なんでこんなことに?」


「俺たちは自らこの中に入ったがそいつは俺たちを殺そうとしたやつだ、そいつがお前の配下に捕らえられたんだけど拘束されてここに来たんだ」


「なるほどね」


「貴方達は反抗する気はあるのかしら?」


「今はない」


「今はね」


「訂正する、今ではなく、これからずっと反抗する気はない」


マリーは魔方結界に触れると結界がなくなった


「いいのか?」


「何が?」


「結界だよ」


「これ実はあまり意味ないのよね」


「はぁ?」


「俺たちどうなるんだ?」


「1つ提案があるんだけど」


「なんだ?」


「ここに住まない?」


「は?」


「だからね、私の配下になるのはどう?ってことなんだけど」


「もし断れば?」


「帰っていいわよ、代わりに貴方達の知識をいただくわ」


「知識?」


「そう、ある特定の知識をもらうの。その知識だけがなくなってしまうのよ」


「ここに残れば?」


「何もしない代わりに、ここに住んで、その知識を使わないようにしてもらうだけでいい」


「好きに選べばいいわよ」


「俺には家族がいるから返させてもらう」


「それならその家族ここに呼んで住むこともできるわよ?」


「そんな事が可能なのか?」


「可能よ。貴方がそれを望むならね」


「それと貴方達の魂に刻まれた刻印も消してあげるわよ」


「俺は、こいつの配下に入る。そのかわり家族をなんとかしてくれ」


「いいわよ、今ここに呼びましょうか?」


「え!」


「どうするの?」


「ああ頼む」


「ひとつだけ忠告よ、家にある物は持ってこれないからね」


「構わない」


「それなら」


マリーは魔方陣を出した。


「貴方手を貸して」


「こうか?」


「そう、そのままにしといてね」


手を重ねると魔方陣から人が3人現れた


「この人達であっているかしら?」


「間違いない」


「あなた」


「とおさん」


「おぬし」


3人が抱き合っていた


「それで全員?」


「ああ、すまないな」


「約束は守ったわよ。貴方の刻印を解除するわよ。ここに来て」


マリーの前に立った。マリーは胸に手を当てるとパリンと本人にしか聞こえない音が聞こえた


「本当になくなったんだな」


「聞こえたでしょ」


「聞こえた」


「これからよろしくね、貴方の名は?」


「俺の名はサイードよろしくな」


「私の名はアンダーマリー、これからよろしくね」


「他の人は?」


「俺には婚約者がいる」


「こっちに来て」


サイードと同じようにしていく


「この方で間違いない?」


「ありがとう」


「ヤシン無事だのね」


「心配かけた」


「他は?」


「俺にはばあちゃんがいる、俺は両親だ」


「どんどんいくわよ」


2人とも会うことができた。


「俺は独り身だ。安心してくれ」


「わかったわ」


「俺には彼女がいる」


同じように実行した


「この方でいいのかしら?」


「ああ」


「ちょっと待って」


「え!」


「この人本当に貴方の彼女なのよね?」


「そうだが」


「貴方の彼女嘘をついているみたいよ。私が暴いてもいいかしら?」


「どういうことだ?」


「貴方の彼女をここに住むことを許せないかもしれないってこと」


「はあ?話が違うじゃないか」


「この人が嘘をついていることは間違いないの。それを話せばここにいられるのよ」


「彼女が嘘をつくはずがない」


「なら、聞いてみるといいわ」


「おい、俺に隠していることないか?」


「何を言っているの?そんなのあるわけないじぁない」


「そうだよな、あいつがおかしなことを言うから」


「そんなの気にしないでいいのよ。それよりここはどこなのかしら?」


「!?」


「お前誰だ?」


「貴方の彼女よ」


「いや違うな、彼女をどうした?」


「あらもうバレちゃったの」


「何!?」


「白状しなさいよここはどこ?今すぐ答えないと殺すわよ」


魔法を手の平に作り出し攻撃の準備を始めた


「だから言ったでしょ。この人をここには置かないと」


「彼女をどうしたんだ答えろ」


「うるさいわね、殺したわよ。貴方の居場所教えないから」


「彼女を殺しただと、許さんお前だけは許さない」


「彼女なら、生きているわよ」


「はあ?」


「何を言っているの?」


「その答えを教える前に、助けましょうか?貴方の彼女?」


「助けられるのか?」


「ええ、もちろんよ。どうするの?」


「お願いだ頼む」


「わかったわ、代わりに貴方にはやってもらわないといけない事があるのよ」


「何をすればいいんだ?」


「聞きたい言葉があるの、それは貴方と彼女しか知らない言葉それを耳打ちで教えて」


「そんなことでいいのか?」


「彼女を助けるにはそれが必要なのよ」


「わかった」


マリーの耳元で話したのだった

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