第33話破壊に向けて

地下を覆うように巨大な魔法陣が発動していた。

魔法の痕跡をたどるように探していると。




見つけたわ。入り口まで案内してもらいましょう。


どこで地下への扉を開けてくれるのかしら?


彼らを監視していると、崩れ落ちてしまった岩の側に近づくと入り口が姿を現した。


こんな所にあったのね。


扉と思っていたのだけど違ったわね。


彼らが近づくとすぐに隠れていた地下への入り口が現れた事から土砂でカモフラージュしているように見えたわね。

近づけばわかるけど、もう少し様子見てからにしましょう。




辺りを警戒しながら、近づいた。



確かここだったわね。手を土に当てて探ると、あったわ。でもカモフラージュと撹乱魔法あとは土魔法、人が解除の対象にしてあるのね。

特定人物まで付いている。

これはすごいわ、私も今度から使おう。

後は、解除方法ね。

これ勝手に解除すると発動する警告魔法、移転魔法、攻撃魔法、拡散魔法、集結魔法が組み込まれているのね。


この魔方陣逃げるのかしら?でもそれしかないわよね。

仲間に警告して、攻撃しながら撹乱で移動した先をわからないようにし、バラバラに散った後、集まるんだからね。


なんか魔方陣に意思があるような感じね。

もしかしたらできるかもしれないわね、今度試してみるのもいいかも。


解除しないと。術式を組み替え始めた。


警告を入る為の告知にして、移動魔法を固定魔法に切り替え、攻撃魔法を防御魔法に、拡散魔法を消滅魔法に、集結魔法をさあ構成魔法にしておけばいいわね。


解除の魔法を特定にしないで、この施設の者と私に変更して出来上がり。


我ながら、いい感じに出来上がった。


さてと開くかな?


近づくと地下への階段が出現した。


大成功ね。今度からここから中に入れるわね。


マリーは地下に向かって降りる前に階段と壁に手を当てた。


やっぱ、罠だらけね。罠魔法はこの施設のものでないものを攻撃するように作られているようね、上書きをするだけね。施設の者と私以外は攻撃しないように設定と。


「マリー様」


「クオン、どうしたの?」


「私の方は片付いたので、追いかけてきました」


「そうなの?、クオン、それより先に来てはダメ」


「どうしてですか?」


「そこで待機、こっち終わらせたら、クオンの方に戻るから」


「わかりました」


ここに施設の者と私、クオンを追加、これでよし。一旦戻って、入り口の結界に施設の者と私クオンに設定し直してからでよし。


「クオン行くわよ」


「よろしいのですか?」


「ここの結界を直したから、大丈夫よ」


「結界破壊しないんですか?」


「それはしないよ、だっていいことじぁない?魔法の研究はね?」


「おっしゃっている意味がよくわからないのですが?」


「魔法の研究をする事自体はいいと思うわよ。こんな高度な魔法作れるようになっているからね。ただ、やな予感がするのよ。とても嫌なね」


「予感ですか?」


「そう、中に入ればきっとその答えを教えてくれるわよ、クオン行くわよ」


「は!」


2人は中へと進んでいった。

中はただの一本の階段がひたすら下へと続く。

突き当たりまできたがないも無かった。


「マリー様なにもありませんでしたね」


「クオンにはそう見えた?」


「はい!何かありましたか?」


「あったわよ目の前に」


「?、壁ですよね」


「いいえ、ちゃんと扉があるわ」


「え!」


「クオンにも見えるようにしてあげるわね」


マリーはクオンの目に触れると唱えた


「見えないもの 見えるもの それ全てが偽りなく映すもの 捉えて映せ ベリダス」


だんだんと壁しか見えなかったものに扉が見えてきた。


「おー、見えました」


「それは良かった、これから解除するからね」


「何か仕掛けがあるってことですよね?」


「そうよ、普通では見えないようになっているんだけど、それを普通に見えるようにしてあげないとね。そうすればここにいつでも入れるでしょ?」


「なるほど、マリー様はまた、ここに来られるつもりなんですね」


「そうよ、だって魔法の研究って面白いじぁない?」


「マリー様にとって魔法ってなんですか?」


「そうね。私にとって魔法そのものが美しい物かしらね」


「美しい物?」


「そう、きっと魔法も物なんだと思うわ。その内魔法からも物が生まれたりしてね」


「まさか、流石に魔法が物だったら大変ですよ。それこそ世界崩壊してもおかしくないのでは?」


「崩壊したら困るわ、それならお友達になる方が楽しいそうだよ」


「マリー様ぐらいですよ、そんな風に考えらのは」


「そうかもしれないわね、始めるわよ」


「は!」



ここ扉特定の者しか見えないのね。結界が壁伝い貼られていて、裏切ると発動するのも付いているのね。


ならば、裏切る魔法を真実の魔法に切り替えて特定の者をここに入れる者に切り替えさてと後は罠と連結してこれでおしまい。


「クオン行くわよ」


「もう、終わったのですか?」


「終わったわよ」


扉を開けるとそこには研究施設が姿を現した。


「かなり大きいわね、今は全部調べていられないから、大事な所にだけ行くわよ」


「はい」


追跡魔法が集まる場所が2箇所あるのか。一つは人だわね。

もう一つはあれね。魔方陣は。

研究に携わっているのがかなりの数あるのね。

重要な人の所にクオンを?



「マリー様どうかなさいましたか?」


「誰か捕らえたみたい、キリウス聞こえている?」


「マリー様、ちょうど良かったです。そちらにエブァン、イブリースがおり、5人を捕らえたようです」


「それなら良かったわ。私達は、魔方陣に専念しても良さそうね」


「それで大丈夫だと思われます」


「ありがとう、これからそっちに向かうわね。キリウスは引き続き監視よろしくね」


「は!」




「ファティマ、マリー様より警戒しろと言われた。お前も気をつけろよ。マリー様の気をつけろは当たるからな」


「わかっているわよ、それにふふふふふ」


「何がおかしいんだ」


「マリー様よりかなりすごい魔法教えてもらっちゃたのよね。羨ましいでしょ」


「なに!?今度マリー様に俺も教えてもらうお前だけなんて」


「そうすればいいじぁない」


「言っていろ、今だけ勝ち誇っていろ、ふん!」


「あーあ拗ねちゃった。そう言うのが子供よね。そんな所嫌いじぁないわよ」


「…………」




この研究所のさらに下に集まっているようね。

どこまで下るのかしら。


建物の魔法なんとかしないといけないわね。


「私が行きます」


「クオン!?あちゃー」


建物ごと移動してしまった。


「クオンどっか行っちゃったよ」


「申し訳ありません、どう償えば」


「もう、いいわよ。すぐ見つかるから」


「とりあえず、エブァン達と合流するわよ」


マリーが気になっていたマグマの場所までやってきた。


「イブリース、エブァンお疲れ様。終わったようでよかったわ」


「マリー様も終わりましたか?」


「それがね。終わってないのよ」


「では、ここは私が居ますので、なさった方よろしいかと」


「クオン、イブリースといてちょうだい。私はエブァンと一緒に行ってくるから」


「は!」


クオンは冷や汗を流しながら跪いていた。


「何をお前はした?」


「エブァン、イブリースこれには事情があるが。すまない」


余りにも態度がおかしいので問いただした。


「お前はバカか?闇雲に突っ込からそうなるんだ」


「そうだ、こないだ教えてやっただろうが」


「2人もといいのよ。クオンもこれで次が無いことぐらいはわかるから学ぶでしょう?」


「もちろんでございます」


「マリー様の寛大な心に感謝しろよ。そうでなければお前はいないからな」


「ああ」


「イブリース、2人で戻ってキリウスとファティマの護衛に回ってね。任せたわよ」


「は!」


2人は、イブリース達が来た道を通って帰っていった


「エブァン、ここに来る途中火神いなかった?この辺りのはずなんだけどな」


「それでしたら、先程あって話しましたので案内いたします」


「やっぱりここだったのね」


「はい、こちらです」


火神の元に向かった。


「この中です」


「あれ?火神ってマグマの中を動いてるんじぁなかった?」


「それがですね」


エブァンは事情をマリーに説明した。


「なるほどね、それなら助けてあげられるわね」


「火神聞いていたのでしょ?」


「エブァン、そいつか?お前が言っていたあのお方というのは?」


「そうだ」


「はじめましてではないけど初めまして、火神」


「なに?初めてではないだと?」


「そうよ。貴方は忘れているだけ。違ったわね忘れさせているだけなのよ」


「どういうことだ?」


「その答えを教える前に、あなたに質問よ」


「なんだ」


「口の聞き方を気をつけろと言ったはずだが」


「わかった、そう怒るな」


「どうだか」


エブァンは怒りをあらわにして火神に言った


「それで質問というのは?」


「もし、魔力が足りてマグマの制御ができるようになると言ったら火神はそこから出る気になるの?」


「勿論だ、元々魔力が足らなくてここの中に入ったからな、それがいつのまにか出るに出られない状況だしな」


「そのようね、それも私がなんとかしてあげるわ」


「できるのか?この中は膨大な魔力があるんだぞ」


「できるわよ、ただし全てを解決したら、私の配下になるのが条件ダメかしら?」


「配下になったらマグマの制御誰がするんだ?」


「火神に決まっているでしょ」


「なら配下は無理ではないのか?」


「貴方はここにいなくても制御できるようにすればいいだけの話でしょ」


「は!」


「それも後でやるから。どうするの?」


「マグマの中から出て外に行けるのか?」


「質問多いわよ。そうよ。これでいい?」


「エブァン、こいつは本当の事を言っているのか?」


「バカやろ、マリー様が嘘など一度たりともついたことがないんだ。疑うな」


「俺にはマリーとやらの言葉よりもエブァンの言葉の方が信用に値するのだがな。古くから知っているからなおさらだろ」


「私も忘れていたわ、エブァンの記憶だけ残しておいたのすっかり忘れていた」


「マリー様、勘弁してくださいよ。あの時マリー様が自分で言ったのですよ。あとが大変になるからって」


「そうそう、思い出したわ」


「お前ら何の事を言っている?」


「とにかくだ、信じろ。マリー様は大丈夫だ」


「わかった、エブァンが言うのであれば間違いないか」


「そうしてくれると助かる」


「お前の助かるは反則だな。昔からそれを言われるとどうも逆らえないというか、従いたくなるというか、なんとも言えん。よろしく頼む」


「では、はじめるわね」


マグマの中にマリーが飛び込んだ。


「!?、おい」


なぜた?マグマに入ることなどできないんだぞ。俺が許可しない限り跡形もなく溶けて魔力にさせられるのだぞ。


「マリー様!?」


マリー様は、心臓に悪いですよ。前にも見たがドキッとさせられたが変わらずやるのはやめてほしいものだ。心臓に悪い。


マリーはマグマに浸かっているそばから唱え始めた


「大地の底 マグマと魔力の流れ 脈打つ血となれ アライヤ ミヤクル」


唱え終えるとエブァンの元に戻った。


マグマの球体に伸びてマグマにつながっていたのを利用してその中に魔力を流し始めた。


球体の中に溜まっていた魔力が勢いよく、逆流を始め球体の中にあった魔力が空になった。


「これでそこから出られるでしょ?」


「助かった」


そういうと球体がマグマによって溶かされていった。


「うーん。久しぶりの外だ。体がなまっているな」


「これで自由になったのだけど、火神の繋がっているマグマそれが操れるようにして魔力が尽きないようにすれば良いのよね」


「そうだ、!?そうです」


「ふふふ、エブァンそんなに眉間にシワよせちゃ怖いわよ」


マリーの後ろにいるのに顔を見ずに答える


「申し訳ありません。ですがお許しを私には、マリー様に無礼な口を聞くこと自体許さないのを我慢しているのですから」


「仕方ないわね、でも……」


瞬時にエブァンの後ろに回り込み、首筋を撫でた。


「魔力を魂に叩き込むような真似、次したらダメよ。エブァン」


「わ、わかっております」


見えなかった。動いたことすら分からないし、首を撫でられて始めて気がついた。

この方は危険だ。気をつけなければ。


「マリー様でしゃばった真似をお許しください」


「エブァンはちゃんとわかってくれるものね。本当に嬉しい。いつもありがとう」


むじぁきに笑うマリーをエブァンは、木がマリーに与えた物がどれほど凄いものだったのかを知った瞬間でもあった。


おい、俺でも見えなかったぞ。あいつは何者なんだ?どこまで知っていて何を知らないのかがわからない。

得体の知れない何か、決して怒らせてはいけないなにか、それだけは理解した。


「続きをするわよ」


「は!」


「火神、手を出して私の手に乗せて」


マリーが手を出すと火神はその上にマグマを乗せた。


「火を司り 熱を司る 流れに身をおくもの 操り人として解き放て オベラドール」


「おー」


火神がマグマから離れ、人の形をしはじめた。


「こんな日が来るとは思わなかった」


「まずい」


急いで下に魔方陣を貼った


「どうされたのです?」


「今のままだと地面にあるかないわよ」


「何故ですか?」


「土溶けるわよ。マグマが人の形をしているだけだから」


「なるほど、だから魔方陣を下に貼ったのですね」


「そういうこと」


「ここからが腕の見せ所ね」


「何をするのですか?」


「見てなさい」


「は!」


全身に断熱魔法のコーティングを施した。

皮膚は、マグマと黒土(コクト)を少し混ぜると、ちょっと赤みが多いいけどいい感じ。これに断熱魔法の粒子を混ぜ込めば皮膚の完成、これをコーティングした上から覆えばこれでよし。


火神って男だったのね。服いるわよねこれ。


「マリー様ガン見しすぎです」


「違うわよエブァンのバカ、服を考えていたのよ」


マリーは背中を向けたて


「バカ」


「失礼いたしました」


そうだわ、あれにしましょう


手を叩いて服を着てもらった、マリーは前を向き直し


「いいわね、これなら素敵」


火神の姿は現代でいうとスーツぽい感じに仕上がった。

スーツに似ているだけでスーツとは呼べない。

上着は膝より少し長めな感じで仕上げてある。

色はやっぱ上赤がいいな。マグマだしね。下は黒のズボンにした。


「ありがとうございます。約束よ私の配下になってね」


火神はマリーの前に跪き


「はい、これより私火神は貴方さまの配下になります」


「マリーって呼んでね」


「マリー様よろしくお願い致します」


「よろしくね、それと火神、名前じぁないでしょ?」


「そうです、皆がそう呼んでいるものです」


「けしん、では呼びづらいから名前つけましょ。せっかく私の配下になったのだから」


「イージェスってどうかしら?」


「とても気に入りました。質問しても?」


「いいわよ」


「さっきも言ったがエブァンは昔から知っているが、マリー様は今回初めてではないとおっしゃった。その理由を知りたい」


「そうだったわね、貴方にはきっと今なら受け止めることのできる魂に育っているみたいだから大丈夫ね」


「それは?」


「今から貴方身に起きた事を思い出してもらうわよ。エバァン、準備して」


「は!」


エブァンはイージェスのに保護と結界を施した。


「始めるわよ」


「は!」



マリーが魂に施してあった封印を記憶を解除した。


封印を解除した途端イージェスその場にたおれこんだ。


「大丈夫でしょうか?あの事実を知って彼は耐えられるでしょうか?」


「大丈夫、ちゃんと魂はそれを受け止めるだけの魂に育ってるわ。考えても見て。あれから何年の年月経ったと思うのよ」


「そうですね、あれから100年経っていますし大丈夫ですね」




時は遡ること100年前




イージェスがまだ火神としてなりたての頃まで戻る。


マグマの操りを覚えている頃、1人のマグマがの長がいた。

長は火神になりたてのイージェスに教えていた。


「火神、何をやっている流れが反対になっているではないか」


「長すいませんこれで良いでしょうか?」


「そうだ、マグマが違う方に行こうとしているぞ」


「はい!」


「それを同時にせんといかんだろ」


「長、すいません」


「今日は、この辺でいいだろう」


「長、もう少しだけ付き合っていただいた」


「しょうがない奴め、あと少しだぞ。そろそろ闇の時間になるからな」


「わかりました」


月日が流れ半年の月日が流れる頃にある程度できるようになっていた。


「これから次の段階に進む。心してかかれ」


「はい」


「ここの近くには水の流れが近い。マグマの操作を誤ればここら一体が地獄と化す。気を抜かなよ」


「わかりました」


「今までのができていれば大丈夫だ」


「はい」


修行は難儀をしいられながらもやってのけていたが悲劇は突然にやって来ることをこの時の火神は知る由もなかった。











  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る