第225話0225★大規模なキャラバン隊が現われました


 その間に、リオウが運んだ内臓を食べ終わっていたので、もう一度たっぷりと運んで行く。


 やぁーぱ…恐竜並みだけあって…内臓量がはんぱねぇ~なぁ……

 それにしても、ヒリュオンって大食漢なのかな?


 リオウって、ガタイよりかなぁ~りも喰うよなぁ~…いやマジで

 まぁ~そのお陰で、すごぉ~く助かっているけど


 内臓をリオウの大きな食器に盛っては、大まかに解体した巨大な虹色オオトカゲの肉や骨を必死で枝肉にしていく。

 ちなみに、頭部は腕輪の中にそのまま放り込んだ。


 自分で解体したくないというコトもあって、白夜の発言を覚えていた神護は、どこかの街に入ったら、冒険者ギルドかハンターギルドにでも持って行って売り払ってしまう予定なのだ。

 

 恐竜並みの虹色オオトカゲを、半分ほど解体し終わった頃。

 砂漠の風に乗って、歓喜の声が届いて来る。


 ウッヒョヒョ うっひょひょ ヒョヒョ~ うひょひょひょ~

 ヒョヒョ~ うひょひょひょぉ~ ウヒョ~ ヒョヒョォォ~


 微かな獣の歓喜の声に、神護は手を休めることなく、無意識に眉を顰める。


 んぅ~? なんか…ああいう声って…テレビで聞いたコトあんぞ…

 確かサバンナで…あっ…獲物を見つけた時の…ブチハイエナの声だ

 アレに、すっごく良く似ている……って、不味いか?


 こっちでのマジモンのブチハイエナ? それとも、獣人なのか?

 まぁ~…盗られるのは癪だから、全部腕輪ン中に

 いったん放り込んで、後で出してもう一度細かく……ぅん?


 一瞬迷い、顔を上げて声が流れて来た方角を見て、神護は土煙を上げながら、けっこう大規模な馬車隊が向かって来るのが見えた。


 うひょひょひょ~ ウッヒョヒョ うっひょひょ ヒョヒョ~

 ………け…な…… ……は…れぇぇぇ~……  ひひぃぃぃ~ん

 ウヒョ~ ヒョヒョ~ うひょひょひょぉ~  ヒョヒョォォ~


 ブチハイエナらしきモノの喜び勇む声に混じって、人の声と馬のいななきまでが、風に乗って神護の耳に届く。


 そして、最初その姿は大豆粒ほどで、なんとなく馬車隊かな?というのが、直ぐに本当に大規模な馬車隊と確認できるほどになる。

 そして、神護はなんで喜び勇んで、自分の方に駆け寄って来るかを悟る。


 あぁ~…あれって…もしかして、マジで旅商人のキャラバン?

 ……って…あぁ…虹色オオトカゲ……あんだけでっけぇ~から


 遠目でも虹色オオトカゲが見えて、その首が飛ぶの見えたのかも

 って……だぁぁぁ~…不味いよな、白夜に注意しないと


 「白夜ぁ~…たぶん商人の大規模キャラバン隊が来るぞ

  しっかりマントを被りなおせ…翼が見えている

  でもって、リオウの影に隠れていろ」


 神護の指示に、白夜はかけてもらった神護のマントをしっかりと被りなおし、リオウの身体にぴったりとくっ付く。


 「はい 父上」


 リオウも、自分用の食器に盛られた内臓を食べ終わっていたので、口元を丁寧に拭いながら、白夜を脇腹付近にすがらせ、尻尾で軽く風にはためくマントを抑える。

 そう、風でマントが剥がれて、白夜の翼が見えないように………。


 「ありがとう リオウ」


 脇腹にうずくまってそう言う白夜に、リオウは柔らかく喉を鳴らす。

 その間にも、神護が望んでいた商人の大規模キャラバン隊は土煙を上げて、どんどん接近してきていた。


 神護は、それを確認しつつも、大まかに解体した枝肉を、手頃な大きさに切り分けて、巾着袋へと放り込んでいた。











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