第205話0205★異世界の《むかご》は《ちかご》と言う名でした
神護の声と良いモノの言葉に反応し、目元を愛らしく擦りながら眼パチパチさせて答える。
「父上ぇ~ 良いモノってなんですかぁ?」
寝起きで少し甘えた口調が強くなっている白哉に、神護はクスッと笑って、右手で見るからに《むかご》と言うモノを採って、手渡す。
「コレなんだがな……俺の生まれ育った世界ではな、山芋の蔓に
なるヤツで《むかご》と呼ばれるモノに良く似ているんだが……
こっちでも、コイツは食べられているかぁ?
まぁ、苦くてあまり食用にならない種類もあるんでな
白夜に、コレの知識があるならと思って………」
起こした理由を聞いて、白夜は小首を愛らしくコテンと傾げて言う。
「コレは たぶんですが《ちかご》と言われるモノですよ
採取されるのは珍しいので 滅多に口に入るモノじゃありません
《ちかご》は とても美味しいとは聞いていたのですが………
実は 食べたこと無いんです
このこの【
お楽しみだと聞いたことがあります 滅多に採れないらしいです
たしか 直接焚き火あとの炭火にくべて焼くか 茹でて食べる
というモノだったと思います」
白夜からの答えに、神護は頷く。
「なるほど…コレは《ちかご》って言うか…で…どうする? 白夜
少し採取するか? ほら、この辺にいっぱいなっているぞ」
そう言って、白夜が《ちかご》と言った、見た目が大きいけど《むかご》に良く似たソレをたっぷりとならす蔓を指差した。
「いっぱい欲しいですぅ~ これは採取しましょう 父上」
白夜が喜んで採取しましょうと言ったので、神護は目に付いた蔓に付いている《ちかご》をほとんど収穫したのだった。
ちなみに、白夜から聞いた《ちかご》の食べ方は、いたって簡単だったので………。
本当はきちんと調理をして食べたかった神護だったが、先にも進みたいということで、魔法を使って蒸した状態にして《ショウ》を付けて食べたのだった。
ちょっとした、イイおやつになったのは確かな事実だった。
勿論、その蒸した《ちかご》に《ショウ》というコンビネーションの味が、リオウにはとても好みにあったらしい。
肉でも無いのに、神護にちょうだいちょうだいを何度もやって、たくさんもらっていたのも、また事実だった。
とにかくむさぼるように食べるリオウに、腹を壊されても困ると、神護がためらうほどの食いっぷりだった。
「リオウ、流石に腹を壊すぞ、これでおしまいだ」
そう、神護が、これ以上は、あげないと言うと、もう神護からもらえないと判断し、白夜に向かって、ちょうだいちょうだいをしたリオウだった。
白夜は、リオウの愛らしさに負けて、欲しがるままあげてしまった。
そして、今現在、たらふく食べたリオウは、上機嫌で顔を洗っていた。
いや、その満足そうな顔で顔を洗う姿はとても愛らしく、心なごむものだったが、神護の内心はかなぁ~り複雑だったは言うまでも無い。
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