第158話0158★あっという間に、日暮れが迫る
まっ…偶然でも、生姜を手に入れられたのは幸いだな
このまま、この小川を下流に向かって歩けば、もしかしたら……
ワサビなんかも、手に入れられるかもしれないし………
このさい、もどきでイイから欲しいな、ワサビ
神護はうっとりとハチミツを味わう白夜を腕に抱き上げ、再び小川の側を流れに沿って歩き始める。
最初は、ただゆっくりと歩いていた神護だったが…………。
夕暮れになる前に、この【
刻々と時間が過ぎ、樹海もどきの空間が開けている、小川の側にも、薄闇が差し迫って来ても、街の明かりらしいモノは微かにも見えなかった。
もしかして、迷ったか?
安全を考えて、小川の側を
はっ……もしかして、この小川…………流れが【
ふもとの街へと向かっていない、支流だったのかも…………
途中で、小川は綺麗に3本に分かれていたからなぁ……
確か、真ん中を選んで
左右のどちらかが【
引き込まれていたのかもしれないなぁ……まっ…たぶんだけどな
でも、とりあえず、このまま小川の側を
いずれは、この樹海もどきから出られるだろう
じゃなくて……今日は、この分だと、野宿かなぁ?
いや、だったらこのまま、朝まで小川の側を
俺は………んぅ~…大丈夫だな……疲れている感じは無いな
【ルシフェル】という存在のお陰もあって、疲労感なしだし
そう考えてから、足を止めて空を見上げれば、微かに残っていた残光が消えるところだった。
あっ…日没か……流石、樹海もどきだ、一気に暗くなって来たな
まぁ…このぶんなら、天気は良さそうだから
このまま、夜通し歩いても良いか………
「白夜、俺はこのまま夜通し歩くから
もし、眠くなったら眠っちまって良いからな」
神護からそう言われた白夜は、顔を上げてから頷く。
「はい 父上」
ちなみに、頷いた白夜の持っているコップに入っていたハチミツは、この時、綺麗に食べ終わっていた。
少し残る、竹細工のスプーンで取りきれなかったハチミツを見て、神護はちょっと首を傾げてから、ソッと白夜を手近な岩に降ろして言う。
「白夜 ハチミツを食べ終わったコップもう良いか?
良いなら、小川の水を汲むが………」
神護の言葉に、ハチミツを十分に堪能した白夜は、素直にコップを神護に手渡す。
もちろん、スプーンも一緒に………。
神護は、白夜からスプーンと一緒にコップを受け取り、そのまま小川の水を汲んで来る。
そして、何の気なしに、短剣を布袋から出し、巾着袋にしまった生姜を出して、ほんの少し削って、水を汲んだコップへと入れる。
そのついでに、短剣の刃先をコップの水に入れ、火炎系の魔法を使って、コップの中の水を間接的に温めた。
そう、ハチミツ入りの生姜湯の出来上がりである。
神護は、それを少し口に含み、味を確認する。
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