第115話0115★ネズミーランドは危険がいっぱい?25 イベント終了


 それからほぼ1時間後、神護達は出口へと到着していた。

 出口付近に近付くと、電光掲示板が設置されており、現在の時間が表示されていた。


 「うわぁ~……私達、6時間以上この中に居たんだぁ~………」


 美亜の率直な感想に、神護達もコクコクする。


 「ああ、結構時間食ったな

  まぁ…そのかわり、スタンプ全部クリアーしたろ」


 「ホント、流石だね神護は」


 「いや、ホタルとギンのナビが的確だったからな」


 そう言う神護に、武虎が口数少なくも言う。


 「宝箱…飲み物多かったなぁ……あとスタンプ…全クリアー………

  出口でそれを見せると…なんか貰えるらしい」


 武虎の言葉に、竜治も頷く。


 「ふむ、もしかしたら、試作品の錫丈しゃくじょうとか

  独鈷杵どっこしょなんか貰えたりするかもね」


 その期待を込めた言葉を、美鶴はバッサリと切り落とすように言う。


 「ここって、ネズミーランドよ

  このイベントだって、宝箱や休憩所なんかの随所に

  課金システムが設置されていたじゃない


  そんな高価なモノ出してくると思うの?

  せいぜいが、懐が痛まない食事券ぐらいじゃない?」


 なんて話しながら、ゆっくりと出口へと向かって歩いていた。

 ちなみに、もう歪みらしい場所はないので、警戒してあるく必要は無い。

 ちなみに、神護達は気付かなかったが、地図のルートを正確に通らないと、順路の距離が歪むようになっていたりする。


 そう、指定された木々の間を通らなかったりすると、歩く距離が長くなるようになっていたり………という、小細工が随所にあった。

 ただ、空間の歪みによる敵の出現の為、神護達は別のルートを通ったりしたので、ソレに気付かなかったのは確かな事実だった。


 そんな中、真三郎が訴える。


 「神護兄ぃ………俺、腹減ったぁ~………」


 真三郎の言葉に、優香と唯香も頷く。


 「そういえば、お腹減ったねぇ~唯香ちゃん」

 

 「そうだね、優香ちゃん」


 神護は、そんな弟妹の言葉に頷いて、美姫達を振り返って聞く。


 「んじゃ、とこかでメシを食ってくかぁ?

  これから作るのは、流石にちっとしんどいんでな


  でもって、お前達はどうする?」


 話しをふられ、美姫が亜美と美鶴を振り返って聞く。


 「どうする? アタシは、一緒にご飯食べに行くつもりだけど」


 「私も行く」


 「なら、あたしも参戦するわ

  今日、思ったより使わなかったから………」


 「オッケー、女子組みは一緒にメシくいに行くな

  んじゃそっちはどうする?」


 神護の言葉に、武虎がまず答えた。


 「俺も行く、余裕ある」


 ついで、水鳥が頷いて言う。


 「ボクも行くよ、慶治は?」


 「あ……もちろん、行くに決まっているだろ」


 「んじゃ、ネズミーランドを出たら、何処に行くか決めようぜ

  流石に、ここで食事していく勇気は無い」


 神護の言葉に、全員が同感と頷いた。






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