第104話0104★ネズミーランドは危険がいっぱい?14 イベント開始5
「さて、全部の呪文は保有したから……
とりあえずメインに使いたいのだけ
覚えておけばイイ………」
「無理に難しいモノを覚えるよりも
簡単な詠唱をしっかり唱える方が
正解だと思うよ」
竜治の助言に頷き、美姫達はそれぞれ2つから3つの呪文を覚える。
その間に、神護はスマホに入れた全ての呪文を、さっさと記憶してしまう。
神護は、驚異的な記憶力を実は持っていたのだ。
カメラアイやフラッシュアイとも呼ばれる、瞬間的な記憶力。
アスペルガー症候群やサヴァン症候群に発現する能力にかなり近しいほどのモノだった。
ただ、神護は、その記憶したモノを意識的に、ある程度の削除できるし、忘れるというコトもできたので、そうそう困ることはなかったが…………。
それだけの許容量があってなお、ビャクヤから譲渡された膨大な記憶や《魔力》は、神護の情報処理能力のキャパをオーバーして、未整理の為に、頭痛眩暈などをもたらした。
が、神護の頭脳の処理能力をもってすれば、数週間から数ヶ月で完全に正常に作動することは間違いなかった。
閑話休題
スマホに11種類の呪文全てを入れ、一生懸命暗記している中、水鳥がクスッと笑って言う。
「あっ…これって面白いね……
呪文書の最後のページの前のページに
すっごく小さい文字で面白いこと書いてあるよ」
水鳥のセリフに、慶治が慌ててそのページを開く。
「えっ……どこ?」
「ここ………ほら………」
そのやりとりの間に、美亜もそのページを開いて、頷く。
「ほんとだぁ………
完全詠唱を10回唱えるごとに
1回詠唱破棄できるシステムだってぇ~…………」
同じページを読んだ美姫は、端的に言う。
「戦闘時は、出来るだけ完全詠唱ね……
そうすると……いざっていう時に
詠唱破棄が使用できるわ」
そのセリフに、全員が同意するように頷いた。
幾つかの呪文をそれぞれが覚えたのを確認し、神護はチラッといかにも樹海の入り口ですいという雰囲気の林道を見てから言う。
「そんじゃ…ちっと歩くか………
まずは、竜治が言った
お宝地図に記されていた
最初の休憩所に行こうぜ」
神護の言葉に、下ろしていたアイテム袋を肩に掛けなおし、全員が頷いて賛同する。
「「「「「「「「「「賛成っ」」」」」」」」」」
全員がアイテム袋を背負ったことを確認して、竜治が探検時の割り振りを言う。
「じゃ…先頭は神護と僕で、2番手に美姫と美亜
3番手に優香ちゃんと唯香ちゃんに、真三郎君…
4番手は、美鶴に水鳥で、最後尾は武虎に慶治…
で、いかないかい?」
竜治の提案に頷き、基本は2人1組で、樹木がまばらな入り口から本格的な樹海もどきへと足を進めた。
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