第100話0100★ネズミーランドは危険がいっぱい?10 イベント開始1


 カウントは1分以上残っていたが、油断して課金されてはたまらないので、さっさと控え室から出て、ゲートに到着する。


 そのゲートに扉があるのを見て、神護は叫ぶ。


 「走れっ……」


 つったく……油断大敵だな……なにが何でも

 課金を取ろうってかぁ~…………


 そう、イベントに入るまでで10分(ゲートを越えるまで)だったのだ。

 疑い深い神護や竜治だったので、余裕で控え室を出たのだが、ゲートまでの間もそうだとは思わず、ちょっと油断してしまったのだ。


 ただ、時間いっぱいまで使っていなかったので、無事、イベントのゲートを10分以内に越えることが出来たのだった。


 それは、手渡されたアイテム袋などの中身を確認させない為のモノでもあった。


 もちろん、あわよくば、どんどん課金しようという思惑も、バッチリと透けて見えていたが…………。


 神護達が入場し、ゲートの扉が閉まると同時に…………。


 『時間内入場、おめでとうございます』


 そのセリフと同時に、ゴトンっという音がして、宝箱が出現する。


 「宝箱?」


 神護のセリフに、竜治はマジマジと見て、水鳥に視線を振る。


 「えっ…ボク?」


 そう言いながらも、1番ゲームに詳しい水鳥が、宝箱を確認する。


 「ぅん……一応は………大丈夫そうだけど…………

  でも…なんか…ちょっと………

  妙な違和感あるから………開錠するけど


  宝箱の前には立たないでね…毒とか…

  呪いなんてモンが出現して…課金は、ゴメンだよ……」


 言いながら、水鳥は宝箱の背後から開錠して開く。

 と、案の定……シューと紫色の煙? が、勢い良く飛び出して来た。


 「あ……やっぱり……ほんと…油断ならないね………」


 水鳥のセリフに、あまり口を開かない武虎が嘆息していう。


 「ウム……流石…ネズミーランド…課金する為に………

  手段を選ばないな………」


 全員が、同じ気持ちだった。

 そんな中で、神護は辺りをグルッと見回して、その辺に転がっていた木の棒を手に取り、距離を置いて口の開いた宝箱の中を調べる為に、そっと入れてみる。


 と、墨汁がピュッと飛びだして来た。


 「やっぱりな…これで、仕掛けはお仕舞い………

  だと思うが………」


 最初の難関?《宝箱の仕掛け》をクリアーした神護は、今度は本当に宝箱の中身を確認した。

 そこには、おめでとうという文字と、アクエリアスが人数分入っていた。

 それも、なぜか?2リットルのペットボトルで…………。


 2リットル×11=22リットル………ってぇ~…きつくない?


 そして、全員が思った。


 『もしかして、これって好意の籠もったイヤガラセ』と。





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