第56話0056★修学旅行就寝中の異変*魘《うな》されていたらしい



 神護の問いに、同じように心配して来ていた水鳥と慶治と武虎も心配そうにドアの外から中をうかがっていた。


 「いや……君の同室のが、夜遊びで

  巡回していた引率の先生に

  捕まったらしくてね………


  神護は、部屋にいるか

  って話しになって

  僕が確認に来たんだ


  そしたら、神護は熟睡してたけど………

  眉間にシワがすごく寄って………


  なんかうなされていたから………

  で、大丈夫かい?」


 「あぁ…っても、うなされていた

  原因がわかなねぇーな……

  なんか夢でも見たのかな?


  つっても、その夢すら

  見ていたかわからねぇーけど」


 そう言いながら、神護は布団をまくりベットから降りる。


 「はぁ~……んで、捕まったって……

  あいつは、なにしてたんだ?」


 クッと伸びをしながら、首をこきこきした神護は、面倒臭そうに軽く髪をき上げて、竜治に聞く。


 「まっ……似たような目的で

  夜遊びに出た……

  他校生とのトラブルかな…………」


 「うわぁ~………京極さんから…

  きっつーいお仕置き決定じゃん……

  バッカでー……」


 そう言って、大きくアクビした神護は、竜治に聞く。


 「んで、センセイ達は、何だって?」


 神護は、持ち込んだアクエをリュックから引っ張り出して、クイッと飲んだ後、ドカッとベットに座り、心配そうにしている3人を部屋に呼び込む。


 「んな、ドアんとこになんて

  居ないで入ってこいよ

  水鳥、慶治、武虎」


 呼ばれて、3人は顔を見合わせてから入室する。


 「神護、寝てたんだぁ………」


 代表して、水鳥が言えば、神護は苦笑して頷く。


 「あぁ……なんか……

  気疲れしたようでよぉ……


  夕飯食ったし

  レポートも送信したし………


  明日の見学もあるから

  早めに休んでたんだ」


 そう説明している時、引率のセンセイが顔を出し、神護が部屋に居ることを確認して、何も言わずにいなくなる。


 神護が同じ班のメンバー竜治達しゃべっている内容を聞いていたらしい。




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