第31話0031★天照大神(あまてらすおおみかみ)は決断する


 だから、女神サー・ラー・フローリアンは、精一杯の誠意と最大の譲歩をもって、戦士を送り出してもらえるように、天照大神あまてらすおおみかみうったえる。


  『 それは理解わかっています


    異世界の民を救う為に

    愛しい民を手放す送り出すのは

    とても つらいことだと…………


    私をほうじる 飛翔族は

    私の血の末でもあります


    ゆえに 飛翔族には

    特別な《力》があるのです


    願望達成能力という《力》が…………


    今 まさに その《力》を使い

    いのっているのです


    飛翔族が望む 戦士となる者を

    こちらの世界に 引き寄せることが

    いまならば出来ると思います


    私と貴女で異なる世界同士を

    繋ぐ門を創造つく


    瞬きの間 2つの世界を繋ぎ

    飛翔族の《力》を通したいのです


    貴女が 誰かを選ぶのではなく…………

    本人の意思と《運命》が 導く者を

    

    貴女の世界に居る守護する者が

    それを必要とする飛翔族のもとに


    その祈りの《力》により

    引き寄せられるでしょう


    それならば 

    ご助力して頂けるでしょうか?  』


 天照大神あまてらすおおみかみは、女神サー・ラー・フローリアンの提案に、ほんの少し迷いを覚えた。


 だが、今は微妙なバランスで保たれている平和が、何時崩れるかわからないのもたしかなことだった。


 人間という種の欲望は、多種族の存亡どころか、住んでいる星すらも破壊しかねない、あやうい種族なのだ。


 自分達の欲望を満たす為に、無辜むこのか弱き多種族を、女子供関係なく殲滅せんめつする。

 どうかんがみても、おかしいというようなことでも、平気で正当化してはばからない生き物なのだから…………。


 何時、自分も自分をほうじる民を護る為に、異なった世界の戦士を招かねばならない事態に陥るかわからないので、その提案を了承したのだった。

 時に、苦渋の選択を選ばなければならないことも知っていたので…………。


  『 理解わかりました いいでしょう


    共に 異なる世界を繋ぐ為の門を

    創造つくりましょう


    遥かなる 未来の為に 』


 自分の提案を受け入れてくれた天照大神あまてらすおおみかみに、女神サー・ラー・フローリアンは、ホッとしながら礼を口にする。


  『 ご助力感謝致します 』


 女神サー・ラー・フローリアンに、天照大神あまてらすおおみかみは頷いて言う。


  『 では 始めましょう

    異空渡りの為の門を

    創造そうぞうする為に いのりましょう 』


  『 はい 』

  

 そして、2人の女神、天照大神あまてらすおおみかみと、女神サー・ラー・フローリアンは、同時に、界を渡る為の門を創造そうぞうする為に、いのりに入ったのだった。


 ちなみに、女神の瞬きの時間とは、その命の長さを考えれば、人間の体感での感覚としてかなぁ~り長い時間なのは、確かな事実だった。


 そして、2人の女神が、異空渡りの為の門を、創造そうぞうする為にいのり始めたのだった。





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