第13話 今日は晴れのち街へ外出でしょう?

この街にやって来てから最初の週末を迎えた。

ゆうじはこの街並みを歩いて確かめる。

この地域は少なくとも数日掛けてやりたいとは思った。


ちなみに前日の金曜日の事であった。

「本日は何をなさるおつもりですか?」

館内においてメイド服姿のネリーがゆうじに尋ねる。

「実は、この街の事を探索して見ようと思っている。」

ゆうじはネリーにそう返答する。

「で、でしたら私たちもご同行すます。」

ここでゆうじは

「否、ここで大病院の医師の回診じゃあるまいし

大勢でうろついては、かえって気づかれてしまう。」

そう言って制止する。

「誰にですか?」

「養父さんを殺してドラム缶に押し込めコンクリート詰めにした上に、

俺の住んでいた家と土地を近隣の家と共に市から委託された土地開発業者と

謀って無理矢理接収しようと試み、それに反対していた住民たちごと

俺を一度は自治会と結託して反対集会の会場で毒殺した

フェミニストどもだよ?彼らはまだ俺がとうの昔に自分らが殺して

この世にはもう居ないと思ってると考えたいが、

この俺が生きてこの街に居るというのは、恐らく既に把握していると

判断していい。キミたちはフェミニストとは対立しているのだろ?

そのキミたちと大勢でこの街をうろついては、

それこそ向こう側に確信されてしまう。」

「では、どうなさるのですか?」

「そこでだ。キミたちは少なくとも、ココへ来て日の浅い俺よりは

この街の事に関して知識はあると思う。それで表面上は俺が単身で

散歩も兼ねてこの街の事を調べてみようと思う。

それでキミたちは不審な者が姿を現さないか周囲を徹底的に

調べて貰いたいと思ってるんだ。」

そのゆうじの出した案をネリーは読んだ。

要するにゆうじが言いたいのは、表面上は本人の自由行動に見せかけて

この街にどれほどフェミニストが居るのか?

仮にこの街に居なくても前の街に居た、連中が

ゆうじは実は死んでおらず名前を変えて生存しているという情報を

察知してゆうじの身辺に姿を見せたら、彼らが何らかの犯行に及ぼうとする

一部始終を撮り、それを証拠にして反フェミニストの

根拠に出来ないかとしたいらしい。

「・・・判りました。ではご準備にかかりましょう。」

「だが、時間はあまりない。遅くとも30分後には外に出るからな?

それとその為の行動予定とこの街の地図だ。」

そう言うとゆうじは数枚の印刷した紙を手渡し私室へ着替えに戻る。

ネリーに残された所に、突如置き物のフランス人形から声が発せられる。

「門摩祐二は、フェミニストへの復讐の為に何やら考えがある様だな?」

「はい。ご当主としては仇討ちをするための下準備を始めるみたいです。」

そのフランス人形から発せられる言葉にネリーは返答する。

「では、彼が命じた如く行動を開始せよ。フェミニスト側の方も

彼が生存しているのを察知し、殺害を試みようとしている。」

「やはり、ご当主はこの事を予見してたので?」

「そうだ。それも兼ねて隠密行動をせよ。」

「判りました。早速取り掛かります。」

ネリーは敬礼すると自室に戻る。


自室に戻ったネリーは早速、着替えにかかる。

頭につけていたフリルのついたカチューシャを外し、エプロンを外す。

そして背中のジッパーを下げ、メイド服であるドレスを脱いで下着姿になる。

そして次に長袖シャツを取り出し、袖を通し着込むとボタンを穴に通して嵌める。

次に真紅のネクタイを締め、ホットパンツを手に取り両脚を通して穿くと

ボタンを留めジッパーを上げる。そしてブレザーに袖を通し着込む。

最後に、メイド用のシューズを脱ぎ三つ折りにしたソックスを脱いで

ハイソックスを履き、ローファーを履いて

準備を整えると自室を出てゆうじの後を追う。


日本閣から出たゆうじは、街の方へ歩き出した。

その後をネリーがつかず離れずの一定の距離を保ちつつ後を追った。

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