12 デウスエクスマキナ侵攻

 龍神世界の人族は他種族に対する人族の劣った点の補うため、新技術を発見、発明し開発していった。

 人族のアンドロイド生産工場はアメリカの各地にあり、特にデトロイト、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコに大工場があった。アンドロイド以外の生産物は、主として兵器、工業用ロボット、フロートシップ、ゲーム機を製造し輸出することを生業としていた。


 しかし、過去に石油などの化石燃料は使いつくし、北アメリカでは枯渇し、石油や希少金属は他国からの輸入に頼っていた。石油などの代替エネルギーとして宇宙太陽光発電、核融合、空気中の帯電エネルギーなどの電気を蓄電(超電導装置)する方法が開発された。


 北アメリカでは過去には、自動車、電車、飛行機なども化石燃料で使用されていたが、原料となる原油、天然ガスが枯渇してきたことから、全て電気を利用しての運用に変わってきていた。

 しかし、プラスチックやアスファルトなどの化学製品で原油を使用せざるを得ない場合があり、それを輸入に頼っていた。


 デウスエクスマキナは密かに、高性能の自分の配下となるエクスマキナ20体を製造していたが、エクスマキナはさらに各地で製造されていたアンドロイドを配下とした。

 デウスエクスマキナは、北アメリカ大陸の特に南側部分を侵攻していった。

 他国と違い、兵器開発のため増産されていたアンドロイドたちは、攻撃力が凄まじかった。

 ビームサーベルを持ち、指からはレーザーを飛ばし、次々に施設を破壊していく。

 約1年後にはデウスエクスマキナを頂点とした機械族が北アメリカ南部を支配したのである。


 しかし、カナダ地方では逃げ惑う人間の恐怖心を貪るため、悪魔や魔物が突如として地から湧き出るように出現した。


 このことは、デウスエクスマキナの想定外であった。


 悪魔や魔物の存在は確認できていたが、それらは龍神世界にいる冒険者により退治されており、脅威になるとは計算できなかったのである。


 悪魔や魔物は、人間などの恐怖する精神を喰らうことで成長する。その成長した悪魔たちは想定以上の力(スキル)を持ち合わせていた。

 さらに魔物たちは、破壊された機械までをも貪り、進化した。

 カナダ地方では、これら悪魔たちが障害となり侵攻しきれないでいる。



 デウスエクスマキナは、カナダ地方は悪魔たちの分析を行ってから侵攻することとし、一旦保留とした。

 次に侵攻すべきは、南アメリカにいる獣族と海に魚人族である。


 ただ魚人族の住んでいる海は広く、その時点で製造されているエクスマキナとアンドロイドでは数が少なすぎた。さらに海洋に進攻する場合には、魚人族は海の中では水抵抗があっても驚く程早く、エクスマキナやアンドロイドを戦わせるためには、塩水耐性で、海の中でも早く動けるように開発しなければいけなかった。


 また、魚人族の全容はデウスエクスマキナでも解明できていなかった。魚人族の種は幅が広く、世界大会に出てくる魚人族は主としてサメ族やシャチ族であったが、その他にも比較的知能が高いマーメイド族やイルカ族、クジラ属などがおり、それらを解析するためには少なくとも50年は必要とデウスエクスマキナは考えた。


 デウスエクスマキナは、まずは戦力を南アメリカ方面に集中させ、海洋を進攻するのはエクスマキナが相当程度充足されてから侵攻することとした。


 南アメリカに住む獣人族は、人族と比べると人族との交流はほとんどなかったため、文明程度は低かったが、こちらも種が多かった。

 ただ、人族との交流はなくても、世界大会でほとんど人族と闘いで勝利するため、その対価として人族が有する科学技術や兵器を輸入することができていた。


 世界大会における龍神世界の3つの法(条件)では、

 1. 生命を奪うものであってはならぬこと。

 2. 財産(土地、お金など)を奪うものであってはならぬこと。

 3. 地球環境を破壊するものであってはならぬこと。


 この場合、2番に該当する可能性もあるが、奪っているわけではなく、対価として金品と交換し輸入しているため該当しない。


 国交断絶していても、通常であれば取引できないものでも世界大会の敗者は勝者の要求を拒否することはできない。


 獣人族は、人族よりも腕力や魔力で秀でていたが、知力は若干劣っていた。

 エクスマキナたちは徐々に南アメリカも侵攻していった。


 だいたいブラジル地方まで侵攻してきたところで、関係の深かった他の地域の魔族や鳥人族が参戦してきた。遅れて龍人族も参戦している。

 しかし、天上族は基本的に日本から出ることができないため、参戦していない。またエルフは絶対中立の立場を貫いているため参戦することはない。


 現在は他の種族が参戦することで、一進一退の状況になっている。


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