4  Lip Magic Generations 対 ルシファー軍(1)


「龍神からお伝えがありました。今、ルシファーとなったショウはラス・ベガスにいるようです」

 神使のヨウビが龍神の言葉を Lip Magic Generations のメンバーに伝える。


 ノブたちは、ショウがまだ生きていると信じ、ショウがペンタゴンから出てくるのを待っていた。

「皆の者、覚悟は出来ているか!? 無理はするなよ。ダメだと思ったらすぐ離脱だ。特に美夜殿、暴走はするなよ」


「分かった」・・・・・・美夜は悔しさと恥ずかしさで、唇を噛んだ。


 ……あの日、ショウが攫われた日、龍になった美夜は意識を失うとその場に倒れた。

 紅々李の回復魔法で、瑠璃や碧衣も何とか意識は戻ったものの、息切れしてその場から動けなくなっていた。

 それでも紅々李や蓮月が菊ちゃんや山女ちゃん、花子ちゃんを召喚し周囲を警戒しながら、ノブやティアリ、日葵、クロらがなんとか一箇所に皆を集め、ティアリの転移魔法で拠点に戻ってきていた。


 拠点に戻ると皆、深い眠りにつき、

 それから瑠璃と碧衣が気がついたのは1日後、美夜が気がついたのは3日後であった。


『ショウ! 絶対に助けるからな』


「ラス・ベガス!」

 ティアリを中心にしてラス・ベガスに飛んできた。

 目の前にはショウいやルシファー率いるヴィーナスと悪魔たちがいた。


「一夜城!」

 ラス・ベガスに着くなり、ノブは土を迫り上げ10mはある高台を作った。

 これで容易には地にいる魔物たちは攻めてこれないだろう。


「お前は、ショウではないな?」――ノブが訝しげに尋ねてきた。

「今、この身体は我、ルシファーが支配しておる」

 ルシファーは一夜城の上から望むように、天使と悪魔の翼で羽ばたいている。


「ショウはどうした?」

「あの者は、我の中で眠っておる。消し去ってもいいのだがな。邪魔な奴がもう一人おるわ」


「どうだ? お主らも我が配下とならぬか? 悪いようにはせんぞ」

「儂はどうもお主とは気が合いそうもない。遠慮させてもらおう」

 Lip Magic Generationsのメンバーも頷いている。


「ならば、消し去るのみ」

「豪え・・ 何! そうか、ここにきてお前が邪魔するとはな」

 ――絶対にLMGだけには手を出させない!


『ショウ。私も手伝うわよ』雪ちゃんの声だ。

 私は雪ちゃんの力も借りて、何とかルシファーの攻撃を抑えていた。

「ならば、悪魔どもやってしまえ」


 ヴィーナスは静観している。

「ヴィーナス、何をしている。お前も行け!」


「嫌よ。私は知り合いとは戦いたくないわ。少し離れて見てるから勝手にやってちょうだい。中級悪魔だけは貸してあげる」

 ヴィーナスはそういうと、雅尾に抱かれ、廃墟ビルの屋上に行ってしまった。

「まぁ良い。あやつは昔からそういうやつだったな」


 悪魔たちが蠢くように動き出す。

 それを見て、ノブはダイヤの魔石をまき散らした。


「ゴーレム!」

 ノブが叫ぶとゴーレムが形作られていく。

 懐から出したゴーレムの杖で、ゴーレムはゆっくり動きだし、魔物たちを蹴散らしていく。

 そして、Lip Magic Generations は紅々李を中心にして円陣を作った。


「これだけ悪魔がいるとまず数を減らす必要があるわね。気を失ったらよろしくね」

 蓮月が天空を見上げ、手を広げて叫ぶ。


『綺羅星!』


 空が光る。

 雲を突き破り、いくつもの流星が降ってきて悪魔たちを押しつぶし、爆発していく。


 さらに、紅々李が杖を高く掲げ、「ちはやぶる!」と叫ぶ。

 悪魔と魔物たちが神々しい光で蒸発するように消えていく。

 それでも悪魔たちは20万程度しか減っていない。


 全力の魔力を使いきった蓮月が倒れた。

 紅々李が「ホーリー!」と唱え、杖を蓮月に向ける。


『ちはやぶる』の光がなくなった瞬間、押し寄せる悪魔たちを、ノブ、美夜、クロ、碧衣、ティアリが切り倒していく。


 日葵、瑠璃は防御役だ。

 雷雷に乗った日葵は、空から飛んでくる悪魔たちの攻撃を防ぎ、

 瑠璃は地上から押し寄せてくる悪魔たちから、陣営と特に守りの要である紅々李を守る。


 日葵は理力の盾で、瑠璃はガントレット「蟒蛇おろち」で飛んでくる炎の玉やレーザービームを防ぎながら、魔法のピストルで応戦する。


 さらに日葵が菊ちゃんを、瑠璃が山女ちゃんを、気がついた蓮月が花子ちゃんを召喚する。


 メドゥーサが目を光らせる。


 刹那、菊ちゃんが皿の盾でその光を反射すると周りの悪魔たちが石化していった。

「あの悪魔の相手は私に任せて」

 菊ちゃんがメドゥーサの相手をしてくれるようだ。


 蓮月が回復したのを見て、また紅々李が杖を高く掲げ

「ちはやぶる!」と叫ぶ。


 杖が光っている間は、悪魔たちは近づけないでいる。

 するとエクスマキナたち機械族が襲ってきた。


「ゼロ、今は戦うな! 観察せよ」


 ルシファーがエクスマキナゼロに命令すると、エクスマキナたちはLip Magic Generationsから少し離れ、上空を旋回してLip Magic Generationsと悪魔たちの攻防を観察している。


『ノブ、まずいぞ。2度目は研究されて Lip Magic Generations の攻撃が無効化される可能性がある』ショウはその戦況を見ながらそれを口に出せないでいる。


 メドゥーサが目をまた光らせる。

 菊ちゃんの盾でまた跳ね返され、悪魔たちが石化していく。しかし今度は悪魔たちはそれを土台にして一夜城の壁を登ってきた。


 しかしそれでも紅々李の「ちはやぶる」の光で近づけないでいる。

「ちはやぶる」が光り輝いでいる間に、ノブたちは交代で体力や魔力をグミを食べて回復する。

 だが、紅々李の魔力の消耗は激しく、そう長くは続かない。

 魔力が切れかかると、魔力グミを紅々李が食べ、また少し休憩する。


「ちはやぶる」の光がなくなったところを、魔物たちがまた壁をよじ登ってくる。

 瑠璃がポセイドーンの鉾を振りかぶり、城の上から大量の水を流し、悪魔たちを押し流す。

 花子ちゃんも「ニワトリの杖」を使い、水洗トイレのように水で悪魔たちを洗い流していく。

 さらにショウにもらった「冥土火笛めいどかふぇ」で笛を吹きながら歌い踊ると、悪魔たちは火だるまとなった。その炎は花畑が広がったように燃え広がり悪魔たちを冥土じごくに送っていった。


 さらに美夜がはげ茶瓶を擦り、香ちゃんを召喚する。

 押し流された悪魔たちの後をノブ、クロ、山女ちゃんが城から飛び出し切り倒していく。


 飛んでくる悪魔たちは、美夜が炎炎に、日葵が雷雷に飛び乗り、碧衣、香ちゃんはそのまま飛び上がり、次々真っ二つに切り裂いていく。

 凄まじいばかりの悪魔の攻撃を躱し、頭から、胴から、両足から次々一刀両断していった。

 悪魔たちは次々魔核に変わっていく。


 しかしそれを拾う余裕はない。


 ノブたちは体力や魔力がなくなってくると、一旦一夜城に戻り、ちはやぶるの光の下、体力グミや魔力グミで回復する。

 これを何度となく繰り返す。


 その隙に悪魔たちは、魔核を拾い口に運ぶとさらに魔力を増大していった。

 悪魔たちの数は最初の100万から80万、60万とその数だけは減っていったが、その力は衰えることはなかった。むしろ魔核を食べることで魔力を肥大化させていった。


「よし! 作戦第2段階だ!」



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