2 アンドロイド(1)

 デビルカーメンと会ってから3日後、我々はサンフランシスコ上空まで来ていた。


 人神世界のサンフランシスコは坂が多く、景観が美しい街並みだが、ここには人の姿はなく高層ビル群も廃墟と化していた。

 その廃墟となったビルを見る限り、高層ビル群が乱立し人神世界よりも発展していたことが分かる。


 そんなサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジに降りてみる。

 ここは人神世界だと『猿の惑星』や『スタートレック』など数々の映画の舞台にもなったサンフランシスコの観光スポットである。

 橋の上を歩いていると、何か飛んでくる。

 そして我々を囲んでブリッジを閉鎖するように降り立った。


 人の形をした20体のアンドロイドとアンドロイドとは違った人型ロボット1体だ。


「私は、エクスマキナパープルだ。あなたたちの目的を示せ」

 たぶんこのアンドロイドを引きているリーダーだろう。

 他のアンドロイドと形状が違う。このリーダーのエクスマキナを除き、なぜかアンドロイドは黒いメイドの格好をしている。

 エクスマキナは執事の格好だ。


「デウスエクスマキナと話がしたい。できれば会いたいが、どこに行けばいい?」

「そのようなプログラムは私には認可されていない。したがって、それは拒否する。場所も機密事項だ。人族が支配していた北アメリカは、アラスカとカナダ地方を除き現在は機械族が支配している。早々に退去しろ」


「嫌だと言ったら?」

「排除する。排除権限は与えられている。10秒以内に回答を求める」


 戦ってもいいが、少し考え

「分かった。今日は帰る」


 ――今日は様子見だからな。とりあえず拠点に戻ってから作戦を立てることにしよう。

 私たちは、天使(悪魔)の羽で飛び上がり、サンフランシスコから少し離れたところで拠点へ瞬間移動してきた。

 翌日、サンフランシスコ手前のクレセント・シティの辺りに転移し、そこからワシントンへ向け飛ぶことにした。


 ラス・ベガスに差し掛かる頃、またあのアンドロイドの集団が現れた。

「昨日、警告した。即刻、排除する」

 そう「エクスマキナパープル」が言うと、その周りにいたアンドロイド達が我々の行く手を阻む。


 アンドロイドは羽はないにもかかわらず飛んでいる。無重力装置を体内に埋め込んでいるのだろう。

 見たところジェット噴射装置は装着していないようなので、何らかの方法で推進力を生み出していると思われる。


「私は、デウスエクスマキナと話がしたいだけだ。できれば戦闘は避けたい。通してくれないか?」

「昨日も言ったが、そのようなプログラムは入力されていない。排除する」


「エクスマキナパープル」が飛びながら後ろに下がり、全面にアンドロイド達が放射状になって出てきた。


 ――しょうがない。昨日立てた作戦を実行しよう。

「召喚!」私は飛びながら菊ちゃんを召喚した。

「お待たせ~」菊ちゃんは羽衣を纏っており、飛ぶことができる。


 菊ちゃんがまず前面に出る。

 アンドロイド達はどのような攻撃をするか分からないため、まず菊ちゃんに攻撃を防いでもらう。

 分かっているのは、デビルカーメンの攻防で見せた「ビーム」による攻撃だけだ。

 他にも攻撃方法があるかもしれない。


 菊ちゃんは懐から皿を出し、皿を大きくしていく。

 その裏に我々は隠れた。

 アンドロイドは無表情のまま、手を突き出した。そしてビーム光線を指から放ってきた。

 ビームは皿に当たり、跳ね返る。

 跳ね返ったビームは、アンドロイドの手に当たり爆発した。

 直後、アンドロイドはビームを放つのを止め、手から光が迸ったサーベルを出した。

(アンドロイドが作ったものなので、名称がわからないため、ビームサーベル(仮称)ということにした)


 それを見て炎炎に乗った美夜が、大太刀「不死鳥の舞」を鞘から抜いて炎を迸らせる。さらに雷雷に乗った日葵もユニコーンの槍「ライジングサン」を手に持った。


 美夜と日葵は素早く皿の影から飛び出し、アンドロイドと対峙する。


 瑠璃はガントレット「蟒蛇おろち」で水壁を広げ、そこから「ポセイドーンの鉾」で攻撃する。「ポセイドーンの鉾」の攻撃はそのまま鉾としても使えるが、特殊能力があり水流を放てる。水鉄砲のように水流をアンドロイドに当てていく。

 ただその水流はとてつもなく鋭い。

 水流を当てられたアンドロイドは、破壊されることはなかったが、飛んでいるということもあり、100mくらい後方に「くの字」になって飛ばされていった。


 その間に、美夜、日葵、碧衣以外は、空中戦では分が悪いため地上に降り立つ。

*碧衣は、先の召喚ゲームで「フライ!」を取得してから、羽がなくても自由に空を飛べるようになっていた。通常は、魔力消費を抑えるため羽を使うが戦闘時は素早く動けるため「フライ!」を使用する。


 地上に降り立つとそれを追ってくるように、まず「エクスマキナパープル」が地上に降り立った。続けて水流で飛ばされていた10体のアンドロイドが降り立った。空中には、10体のアンドロイドが残っている。


「あまり戦いたくないんだが、やはり戦わないとダメか?」

 ダメもとで聞いてみる。

「昨日忠告したはずだ。排除する」

 やはりダメなようだ。


「皆、やるぞ!」……それぞれ抜刀し、臨戦態勢に入った。


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