1 日本(龍神世界)


 ここは日本だ。……よね?


 私は移動魔法陣に乗って、龍神世界の日本に来ていた。

 移動魔法陣は、魔神世界で使っていたものだが、ヨウビ(私の前前世の娘)に聞いたところどの世界でも同じように移動できるというので、来たみたのだが来てみて目をみはった。


 ここは京都稲荷大社の前である。

 まずはここの神使をやっている雅尾(ミヤビ)と幻尾(ゲンビ)に会いたいと思っている。

 稲荷大社は、人神世界や剣神世界とあまり変わりない。朱色の鳥居がいくつも並んでおりその中を通り抜け、祠にやってきた。


 ……そうだ。ヨウビを出そう。


「ヨウビ、出ておいで。着いたよ」

 ヨウビがひょっこり瓢箪から出てくる。

「あっお姉さま!」私があいさつする前に、ゲンビがヨウビに気が付いたようだ。


「おはようゲンビ。こちら誰か分かる?」

「お姉さまちょっと待ってくださいね。霊視してみます」

「お父さん! そんなに変わり果ててしまって……」


 ……オイオイ、まぁ「九尾の狐」ではないが……

 私(ショウ)の前世は人間、前前世は九尾の狐、前前々世は天使あるいは堕天使だったらしい。


 約2,300年前に人神世界に転生し、九尾の狐をやっていた。

 子供は上から順番に、妖尾(ヨウビ)、白尾(ハクビ)、雅尾(ミヤビ)、幻尾(ゲンビ)、華尾(ハナビ)がいる。皆、私の嫁(白狐)の「煌尾(きらび)」に似て美男・美女だ。……狐だが。男狐は雅尾(ミヤビ)だけで、他の子どもは女狐だ。


 今は全て各世界の神使をやっている。ヨウビは剣神世界、ハクビは魔神世界、ミヤビとゲンビは龍神世界、ハナビは人神世界だ。

 ちなみに尻尾の数は、ヨウビは1本、ハクビは3本、ミヤビは5本、ゲンビは7本、ハナビは9本である。尻尾の数に比例して妖力が強くなるわけではなく、どちらかというと年齢に比例していて妖力はヨウビが一番強い。尻尾の数は真似できるスキルの数になる。ヨウビは1つだけで、ハナビは9つ真似できる。


 とはいっても、スキルの入れ替えができるのでヨウビは一つしかないといっても、様々なものをトレースして増幅できる。


 今現在は、私の頬を舐めて、「魔断」のスキルを使っている。

 ちなみに固有スキル「透明化」や「読心術」は、神使となったことで、トレースとは関係なくいつでも使うことができるそうだ。


「今は人間だからな。かなり変化したと思うが、いろいろスキルを使えるんだぞ」

「確かにすごいスキルの数ですね。その中でも雪のスキルが秀逸です。さすがお父様です。……え?  Lip Magic って何ですか?」

「これは私の固有スキルだ。他の人のスキルを真似できる」

「なるほど、それでいろいろなスキルを使えるんですね。私たちのトレースに似てますね」


「しかし、この世界すごいな。この日本は誰が治めてるんだ?」

「私も最初に来たときは驚きました。たぶん科学技術は人神世界の100年は進んでいると思います」


「そうだよな。空飛ぶ車。空に浮かぶ城や家。それでいて地上には道路はなく、自然豊かだ」

「ここ日本の支配者は、天上族です。神や天使が顕現して治めている国と思ってもらえばいいです」

「天使も霊体のはずだが、どうやって顕現できてるんだ?」

「簡単に言うと、召喚魔法陣ですね。龍神様が大きな召喚魔法陣を使ってこの世に顕現させています。でも活動範囲は決められていて、基本的にはこの日本から出ることはできないようです。それから龍神様自身は創造神であり、自分の召喚魔法陣は見たことがないらしく現世に顕現できないようです」


「機械族が攻めてくることはないのか?」

「まだこの国には攻めてきません。周りが海ですから、この日本を攻めるためには、まず太平洋にいる魚人族を滅ぼさないといけません」


「でもいずれ科学兵器を使って、攻めてくることも考えられるので、気を緩められません」

「ミサイルや核攻撃はしてこないのか?」

「はい。今のところ、自然破壊につながるような武器は使用してないようです」


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