4 密会


「カーラー女王は降伏しないだろう」


 困り顔で答えたジェフラー。

 ヒデはアフメス、ジェフラーと密会していた。


「今の南アフリカ王国には、どう足掻いても無駄なのは分かっている」

 アフメスも頷きながら答えた。


 ヒデはできれば、南アフリカ王国と戦火を交えず、属国になるように説得に来ていた。

 あのカーラー女王を調略できる方法はないか、アフメス、ジェフラーと計画を立てていた。ヒデが会いに行けば、ヒデは死んだことになっているし、カーラー女王はヒデをそもそも嫌っており、火に油を注ぐようなものである。


 南アフリカ王国の軍門に下るのは、エジプトというよりカーラー女王としてのプライドが許さないであろう。


「あの男に相談してみるか」

「うん。俺は姉様に相談してみるよ」


 そう言って、3人は分かれた。


――★◆★―― 


 翌日、ヒデは隣国ヒッタイトのリシアの許に来ていた。

 リシアは南アフリカの属国となってから、ヒッタイト王に抜擢されていた。

 リシアとはヒッタイトを攻略する際にヒデが密会した相手で、話を進めるうちに理知的で謀略好きな2人はすっかり意気投合してしまった盟友である。


「リシア、エジプトのカーラー女王を説得したいんだが、私では話にならん。何とかならんか?」


「確かに面食いだからな。あの女王は。だが、あの女王は切れ者だぞ。簡単には落とせんな。アフメスが成人するまで待ったらいいんじゃないのか?」


「アフメスが成人すれば、王位を交代することになっているから、それでもいいのだが、ノブ王がそれまで待っていられないようなんだ」

「なにか事情がありそうだな。まぁあまり詮索はしないことにしよう。南アフリカの政策は私も気に入っている。アフリカ大陸を一つにまとめるのは私も賛成だ」


「リシア、すまん。うまくやってくれ」

「ひとつ、秘策があるんだが、できればカーラー女王の判断を惑わせるものがほしい。探してきてくれないか?」

「分かった。判断を惑わせ、鈍らせるものだな。探してみる」


――★●★―― 


 翌日、ヒデはまた、アフメスたちと会っていた。

「カーラー女王を惑わせるもの。姉上に聞いてみます」


 2月3日のこと

 ティアリは江戸にいて、異文化を楽しんでいた。

(念波)「ティアリ、ご健在ですか?」

「これはアフメス、久しぶりだな。江戸はすごいぞ。見るものすべてが目新しい。特に刀剣の技術に秀でておる」

「そうですか。それは良かったです。実は相談したいことがあるのです。南アフリカ王国のことは聞いてますか?」


「ああ。かなりの勢いで領土を広げているようだな。それがどうした?」


「実はもうすでに、エジプトを残してアフリカ大陸は南アフリカの領土になっています」

「それはすごいな。それでアフメスはどうしたい?」

「はい。私は他国の状況を見ると王政は維持されますし、南アフリカに送ったヒデの話を聞いても、我国エジプトも南アフリカの軍門に下るのが適策だと思います」


「問題は、カーラー女王というわけか」

「そうなんです、姉上。それで、ヒッタイトのリシアに秘策があるというので、お願いすることにしたのですが、それにはカーラー女王の判断を惑わすものがほしいそうなんです。何か知りませんか?」


「ん~そういえば、ミタンニ国に媚薬があったはずだ。私はそれでミタンニの王の手中に落ちるところだった。しかし簡単に手に入れられるものではないぞ。少し時間をくれ。ショウに相談してみる」

「分かりました。姉上」


 ティアリは Lip Magic Generation のメンバーに相談することにした。


「ノブも早いな。もうそんなところまで国を広げたんだ。もう南のアフリカ王国じゃなくなったな。ティアリはエジプトが属国になってもいいのかい?」

「まあな。別に国がなくなるわけでもないし、国民が困るわけじゃなさそうだからいいと思う。むしろ豊かになるんじゃないのか」


「そうだな。アフリカが1つになるということは、他国にとっても脅威だろう。でもこのままだとエジプトそのものがなくなりかねん。早く手を打たないと……」

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